5G SystemにおけるNG Setupプロシージャ プロシージャ編①
5G System構成図

1. NG Setup プロシージャとは
NG SetupプロシージャとはRANと5G Core間のサービスを開始する目的でRANとAMFの疎通を確認する。
通常RAN側で対向AMFのN1/N2 IFのIPアドレスを指定しRANからサービス開始の信号を送信する。
具体的には下位レイヤーのプロトコルがSCTPであるため
RAN → SCTP INIT → AMF
AMF → SCTP INIT ACK → RAN
RAN → SCTP COOKIE ECHO → AMF
AMF → SCTP COOKIE ACK → RAN
とSCTPで疎通を行い完了すればNG Setupプロシージャが走行する。
※以降は SCTP HeatBeat信号でN1/N2 IFのパス監視を行う。
2. NG Setup の全体シーケンス

3GPP勧告ではシンプルに上記の通りとなっている。OSSのfree5gcでも同様のシーケンスとなるが一般的にはNG Setup Request受信時にスライス情報をNSSFと連携する。
OSSのfree5gcではNSSFとの連携を省略しAMFのConfigに直接許容するスライス情報を設定する。
3. NG Setup Request の構造と要素
主に以下のパラメータが設定される
・Global RAN Node ID
→RANを特定するユニークなIDとして使用
・Supported TA List
→主にPLMN(MCC,MNC)やTACやsNssaiが設定され5G Coreで許容されたRANかを判断する。
MCCは国番号でMNCは事業者コードを設定するため
例:44010 MCCの440は日本 MNCの10はNTT docomoである事が分かる。
TACは(Tracking Area Code)の略で上述したPLMNと組み合わせてトラッキングエリアを特定する。
sNssaiはスライス情報でUPFを選択する際に使用する。
・以下wiresharkでデコードしたNG Setup Requestの一部を添付する。

4. NG Setup が失敗するパターンと対処方法
NG Setupプロシージャがエラーとなるパターンを幾つか紹介する。
1.RANが送信したNG Setup RequestのTAがAMFの期待する値と不一致
→NG Setup Request内のSupportedTAListパラメータを確認する。OSSのfree5gcの場合はamfcfg.yamlに受け入れるsupportTaiListの値が定義されている。
→またスライス情報についてはamfcfg.yamlに受け入れるplmnSupportListの値が定義されている。
2.AMF側でRANの信号が受信出来ない
→RANで設定した対向AMFのIP Addressの値がAMFのN1/N2 IFに設定しているIP Addressと合っていない場合やアドレス帯域が間違えているなどがある。最低限RAN側から対向AMFのN1/N2 IFのIP Addressに向かってPINGが飛ぶことは確認する事。
3.AMF側でNG Setup RequestのDecode NG
→特にRANと5G Coreでは開発ベンダーが異なる事が多いため初めて接続試験を実施する場合は注意が必要。Decode NGとなった場合はwiresharkなどで信号を解析し3GPP勧告を確認しRANとAMF何方に被疑が有るか確認する事。
5. NG Setup の正常確立ログ
以下にNG Setupプロシージャが成功した際のwiresharkログを添付する。
192.168.56.172 → RAN 192.168.56.161 → AMF

6. 次回
次回はプロシージャ編②として実際にUE(スマートフォン等)の電源を入れた際に動くRegistrationプロシージャについて記載する。
Discussion