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10時間で個人情報保護士試験に合格した勉強法

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TL;DR

個人情報保護士認定試験に10時間(実質2日間)の勉強で合格しました。合格に必要な平均勉強時間は約50時間とされているので、その1/5程度の時間で済んだことになります。やったことは3つだけです。

  1. 過去問を1年分解き、間違えた問題から知識を体系化する
  2. もう1年分の過去問を解き、弱点分野を特定する
  3. スマホアプリでひたすら反芻する

かかった費用はアプリ課金の約2,000円のみでした。

背景:筆者について

大学3年生(情報理工学部)です。B2B SaaS企業でインターンをしており、月120時間程度を業務に充てています。業務内容の都合上、個人情報保護士資格の取得が必要な状況でした

試験に対する事前知識は以下の通りです。

  • 個人情報保護法・マイナンバー法(前半): ほぼゼロ。インターン業務で聞き馴染みのある単語がある程度でした。
  • 情報セキュリティ(後半): 情報理工学部の学生として基礎的な知識はありました。ただし試験特有の出題傾向には対応できていない状態でした。

結果

第81回個人情報保護士認定試験(2025年12月実施)に合格しました。

区分 得点 合格基準
前半(個人情報保護法・マイナンバー法) 44/50 35/50
後半(情報セキュリティ) 46/50 35/50
合計 90/100 70/100

合格基準を20点上回っての合格でした。(公式的な結果は出ないのであくまで自己採点です)

個人情報保護士試験の一般的な攻略法との比較

一般的に、個人情報保護士試験の勉強スタイルは以下のようなものが多いかと思います。

  • 合格率は約40%
  • 平均勉強時間は約50時間
  • SMART合格講座などの有料教材を利用
  • 2ヶ月程度かけてじっくり勉強

受験者の多くは社会人で、業務の合間や帰宅後にコツコツ勉強する方が大半です。自分も月120時間の業務+大学の学業という状況だったので、まとまった勉強時間を確保すること自体が難しく、短時間で合格するための方法を考える必要がありました。

10時間の内訳

全体のタイムラインは以下の通りです。試験前日の土曜日と当日未明に集中して行いました。

フェーズ 内容 所要時間
① 過去問1周目+体系化 第80回過去問を解き、全問を理解する 約6時間
② 過去問2周目 第79回過去問を解き、弱点分野を特定する 約1時間
③ アプリで反芻 弱点分野を中心にアプリで繰り返し解く 約3時間

Phase 1:過去問1周目+体系化(6時間)

やったこと

まず、第80回の過去問を何の予備知識もない状態で解きました。

初回の正答率は約30/100です。前半(個人情報保護法・マイナンバー法)は5/50程度で、ほぼ全滅でした。後半(情報セキュリティ)は既存の知識で25/50程度は取れたものの、合格には程遠い状態です。

ここで重要なのは、「解けないこと」を悲観しないことです。初回の過去問は「自分が何を知らないかを知る」ためのツールでしかありません。

体系化の方法

過去問をプリントアウトし、紙に直接書き込む形で知識を整理しました。具体的には以下のことを問題用紙の余白に書き込んでいきます。

  • その選択肢が正しい/誤りである法的根拠(何法の何条に基づくか)
  • 選択肢同士の関係性(なぜAは正しくてBは誤りなのか)
  • 自分の言葉での補足説明

NotionやWordにまとめ直すといった作業はしていません。問題文の上に直接情報を載せることで、「この問題を解くために何を知っていればよかったか」が一目でわかる状態を作りました。

この作業には時間がかかります。90問全てについて、正解・不正解にかかわらず「なぜその答えになるのか」を完全に理解するまで繰り返しました。結果としてこのフェーズだけで6時間を使っています。ただ、ここが最も重要な工程でした。

なぜこの方法が効率的なのか

テキストを最初から読む勉強法だと、試験に出ない知識にも等しく時間を使うことになります。過去問起点で学習すれば、「試験で問われる知識」だけに集中できます。さらに、間違えた問題の根拠を調べる過程で、周辺知識も自然と身につくという利点があります。

「過去問を疑う」ことで理解度が上がる

体系化を進める中で気づいたのですが、過去問の回答自体に誤植がある場合があります。実際に、回答の根拠をファクトチェックしてみると、過去問の公式回答と法令の解釈が一致しないケースに何度か遭遇しました。

GeminiやChatGPTなどのLLMに聞いてみても意見が割れることがしばしばあり、過去問の回答が絶対的に正しいとは限らないという前提で勉強を進めることになりました。

実際に私が受けた第81回の試験でも、試験後にX上で法令の解釈について受験者間で意見が割れたり、過去問では正解として扱われていた回答が、本番では異なる扱いになっているケースがありました。

一見すると厄介に思えるかもしれませんが、この「過去問を疑う」という姿勢は、むしろ勉強効率を上げる方向に作用しました。疑問を持つたびに法令の原文やガイドラインを調べることになるので、問題と回答の対応を丸暗記するのとは比較にならないレベルで知識が定着します。体系化フェーズでの理解度が加速度的に上がったのは、この「疑いながら進める」スタイルのおかげだったと思っています。

短い時間の中で地道な作業にはなりますが、短期間で成果を出す上では、かなり重要度の高い勉強スタイルでした。

Phase 2:過去問2周目(1時間)

Phase 1で知識を体系化した後、第79回の過去問を解きました。

このフェーズの目的は「理解度のムラを検出する」ことにあります。1年分の過去問で体系化した知識がどの程度汎化しているかを確認し、まだ弱い分野を特定するために行いました。

Phase 1で6時間かけて体系化しているので、大部分の問題は解けるようになっていました。ここで解けなかった問題が、Phase 3で重点的に潰すべき弱点分野になります。

Phase 3:アプリで反芻(3時間)

使ったアプリ

個人情報保護士認定試験 1日5分で合格へgo 模擬試験付(iOS)を使用しました。アプリ内課金で全問題を解放し、費用は約2,000円です。

https://apps.apple.com/jp/app/個人情報保護士認定試験-1日5分で合格へgo-模擬試験付/id1563597437

やり方

試験前日の深夜(日付が変わって試験当日の未明)、Phase 2で特定した弱点分野を中心に、アプリの問題をひたすら繰り返しました。

朝4時頃まで続けた結果、課金枠で解放した全問題を一巡し、全ての問題を即答できる状態に仕上がりました。ここで意識していたのは「暗記」ではなく「事実と問題のマッピング」です。個人情報保護士試験は選択肢の正誤を判断する形式なので、「この記述はこの法的根拠により正しい/誤り」という対応関係を頭の中に構築することが重要になります。

かかった費用まとめ

項目 費用
過去問 0円
アプリ課金 約2,000円
SMART合格講座等の有料教材 未使用
合計 約2,000円

この勉強法が機能する条件

再現性について正直に書いておきます。この方法が10時間で機能したのには、いくつかの前提条件があります。

  • 後半(情報セキュリティ)の基礎知識があった: 情報理工学部の学生として、セキュリティの基礎的な概念は既に持っていました。この知識がなければ、後半の体系化にもっと時間がかかっていたはずです。
  • 短期集中で取り組める日を確保できた: 平日は大学・研究室・インターンがあるため、まとまった勉強時間は取れませんでした。時間的な制約は通常の社会人と同じで、土日にしかまとまった勉強時間がないという状況です。その中で、試験前週の日曜日と前日の土曜日の2日間に集中して取り組みました。逆に言えば、土日2日間をフルで確保できれば再現可能な方法です。
  • 「完全に理解する」ことに妥協しなかった: Phase 1で90問全てを根拠レベルで理解するのは体力的にきついです。ただ、ここで中途半端にすると後のフェーズの効率が大幅に下がります。

逆に言えば、後半のセキュリティ知識がない方はPhase 1にもう少し時間を上乗せする必要があるかもしれません。それでも、テキストを頭から読むアプローチよりは短時間で済むはずです。

まとめ

個人情報保護士試験の勉強で最も重要なのは「過去問起点で学ぶ」ことに尽きます。テキストを通読してから問題を解くのではなく、まず問題を解いて、解けなかった部分の根拠を掘り下げる。このサイクルを高速に回すことで、必要な知識だけを効率的に身につけることができます。

また、過去問の回答を鵜呑みにせず、疑問を持ったら都度法令やガイドラインに立ち返って確認する姿勢も、短期間での理解度向上に大きく貢献しました。

10時間という数字はあくまで筆者の場合ですが、この方法論自体は勉強時間の長短にかかわらず有効だと考えています。50時間かけるにしても、最初の1時間は過去問を解くところから始めてみることをおすすめします。

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