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HD-2D 探索アドベンチャー『Anemora』を作っています — 個人 + 各種 AI ツール協働開発

に公開

失われゆく世界で、空中に描いた『時の窓』から過去や未来に踏み込み、現在の景色を少しずつ変えていく HD-2D 探索アドベンチャー Anemora(アネモーラ)を、個人開発 + 各種 AI ツール協働で作っています。

本記事はコアコンセプトと AI 協働制作体制を伝える 第 1 弾発信 です。技術的な詳細は続編記事に分けます。

どんなゲームか

主人公は 時の筆 という道具を手にしています。空中に四角い枠を描くと、その内側に 過去や未来の景色 が立体ジオラマとして立ち上がります。プレイヤーは枠の境界をまたいで、過去や未来の街に踏み込むことができます。

枠が出ると 3 つの結晶シンボルが浮かびます。赤・白・青 の 3 色。プレイヤーがどれかを選ぶと、対応した時代の景色がジオラマとして展開します。

シンボル 序盤の見え方
赤い結晶 活気あふれる過去の風景
白い結晶 主人公の "今" と完全に同じ景色
青い結晶 衰退の果てにある未来の景色

ルールはシンプルです。ただ覗いているだけでは何も変わらない。主人公が踏み込んで、何かを拾ったり、誰かと話したりする — その能動的な行動が、現在の世界に痕跡を残していきます。

たとえば、過去の家からテーブルの上の本を持ち帰ると、現在の家の同じテーブルから本が消えています。過去の住人に「西へ逃げて」と告げると、現在の街にその家族が生き延びた痕跡が残ります。プレイヤーは「過去や未来を覗いて知識を得る → 主人公の選択が変わる → 現在の景色が変わる」というループを通じて、終わりかけている世界に少しずつ手を入れていきます。

戦闘はありません。失敗条件は環境ハザード、枠の持続時間切れによる時代取り残し、取り返しのつかない選択 — そういった静かな緊張感で構成されています。空気感主導で、言葉を最小限にして環境と音で語る作風です。

そして物語の終盤には、ここでは書かない仕掛けをいくつか用意しています。それは遊んでもらってからのお楽しみで。

なぜ作っているのか

子どもの頃から、いつか自分のゲームを作ってみたいと思っていました。Anemora はその挑戦です。

ジャンル / 規模 / 中核メカニクス / 制作スタイルまで、すべて 「自分が一番遊びたいと思えるゲーム」 を組み立てる方向で選んできました。コンセプト・企画書・仕様書を粒度を上げながら何度も書き直しているのは、その上で「これなら面白い」と自分自身が確信できるところまで詰めたかったからです。

そしてそれを、AI を協働者にして個人で完成まで持っていけるか という挑戦でもあります。Claude / Codex を中心とする AI 群を組み合わせ、設計から実装、アート、3D、音楽、効果音までを 1 人で回す制作スタイルが、どこまで通用するか — それを実証したいとも思っています。

ゲーム制作はこの作品が初めてですが、最後までやり切って、誰かの心に残るゲームとして届けたい — そのつもりで取り組んでいます。

AI を全方位の協働者にして作る

Anemora は 設計対話・実装・テスト・キャラスプライト・3D モデル・音楽・効果音・翻訳まで、コア工程をすべて AI に分担 させる方針で進めています。人手は最終判断のみに絞っています。

領域 ツール 役割
設計対話 / 文書 / レビュー Claude(Linux 常駐) コンセプト対話、計画書、レビュー、handover 起草
実装 / QA Codex Pro(Windows) Unity 実装、shader、テスト、ビルド
クロスモデルレビュー Codex CLI gpt-5.5 計画書を別 model で独立に精査
キャラクタースプライト下書き PixelLab Pixel Apprentice Hero / Resident sprite drafts
スプライト仕上げ Aseprite(Steam 正式版) パレット統一、再エクスポート
3D 建物 Meshy v6 text-to-3D で建物群を生成
3D 整備 Blender 4.5 LTS(headless) FBX 整備、Atlas、修復
BGM Suno v5.5 楽曲生成
SFX ElevenLabs SFX 環境音 / 足音 / 時の窓 / UI
翻訳(予定) DeepL Pro 英訳下訳

実装は Codex Pro が、設計対話とレビューは Claude が担当します。両者は handover 文書 で非同期に通信し、Claude が batch handover を起草 → Codex が消化して push + 完了報告 → Claude が次の handover を起草、というリズムで回しています。

「AI 全方位活用」が成立した条件は、API があるツール は env var に token を置いて自動駆動、API がないツールも一部は Playwright で web UI を自動化していて、それでも自動化が難しいものだけ人手で挟む、という形です。AI 生成物の素性が後から問われたときに答えられるよう、docs/legal/asset_ledger.md に per-asset で「ツール / プラン / 生成日 / 商用可否」を記録しています。

どんな資料を作っているか

Anemora は、コードと並行して 開発ドキュメントを GitHub Public で全部公開 しています。企画書・仕様書・アーキテクチャ判断記録・制作日誌・素材ライセンス管理まで含めて、書いたものを順次公開していく方針です。

現時点で揃えている主な資料:

資料 役割
CONCEPT.md コンセプトワークシート(中核メカニクス、世界観、コアループの 1 枚説明)
PITCH.md 公開ピッチ(10 章構成、外部ステークホルダー向け企画書)
SPEC.md ゲームデザインドキュメント(13 章、実装観点での詳細仕様)
docs/STAGE3_PLAN.md 開発フェーズ別の計画書
docs/adr/ Architecture Decision Records(技術選定の意思決定記録、9 件)
docs/devlog/ 制作日誌(各セッションの進捗・判断・気付きを記録)
docs/legal/asset_ledger.md AI 生成物のライセンス管理表

特にコンセプト固めの段階では、異なる AI モデルから独立にレビューを受ける という作業を 3 ラウンド回し、CONCEPT.md を初稿から 4 回書き直しました。「同じモデルに何度も読ませると、同じ盲点に同じ角度で同じ判定を返す」という疑いを最初から避けたかったので、別の Claude セッションと Codex CLI に独立で投げ、Critical 指摘が出たら本文側を直す、というやり方です。

設計と仕様の検討に、本記事の何倍もの分量の文章を書いてきました。それらは すべて GitHub Public で公開しています

現状

2026-05-05 時点で、ゲームの コアループの最小チェーン が動く状態に到達しました。

時の窓を描く → 過去のシーンを展開 → 境界を跨いで過去側へ
  → 過去の本を拾う → 時の窓を閉じて現在に戻る
  → 現在のベッドの上に本が spawn している

「過去で起こした行動が現在に痕跡として残る」というコアの遊びが、最小サイクルで通る状態になったところです。E2E のプレイモードテストが通っています。

技術スタックは Unity 6000.3.14f1 + URP 17.3.0 で、自動テストもセットで整備しながら進めています。

公開計画

段階 プラットフォーム タイミング 内容
1. 最低保証 GitHub Public 開発初日から逐次 ソース + 企画書・仕様書 + 制作日誌
2. 中段先行公開 itch.io($0) 体験版完成後 無料で遊べる体験版

GitHub Public は AI を協働者にした個人開発の実証 を制作プロセスごと公開する位置づけで、リポジトリは https://github.com/marvelousu/anemora で開発初日から公開しています。

次に書く予定

技術系・一般読者向けともに、それぞれ独立した記事に分けて出していく予定です。

  • ゲームの世界観紹介(主人公の暮らす街、登場人物、衰退世界の設定)
  • 体験版を遊んだ人向けの裏話(設計判断、ボツになった案)
  • 個人 + AI で 2D × 3D の素材パイプラインを組む話
  • ゲーム制作のクロスモデルレビューが効く場面
  • AI を協働者にした個人ゲーム開発の運用ノウハウ

おわりに

Anemora は HD-2D 探索アドベンチャーの新作として、個人 + 各種 AI ツール協働 で進行中のプロジェクトです。リリース通知や続編記事を受け取りたい方は GitHub Watch / Zenn Follow をお願いします。

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