[Misc #21143] const_added と inherited の実行順に関するチケット

[Misc #21143] Speficy order of execution const_added vs inherited

• .const_added と .inherited の実行順に関するチケット
• 以下のコードを実行すると .const_added -> .inherited 順で実行されることがわかります

module M
  class C
    def self.inherited(subclass)
      pp ".inherited: #{subclass}"
    end
  end

  def self.const_added(cname)
    pp ".const_added: #{cname}"
  end

  class D < C; end
end
__END__
".const_added: D"
".inherited: M::D"

• .const_added は 定数が定義されたときに呼ばれる メソッド
  • 上記の場合だと D が定義されたときに呼ばれる
• .inherited は 継承されたときに呼ばれる メソッド
  • 上記の場合だと D < C されたときに呼ばれる
• なので .inherited が呼び出されたタイミングでは『既に D が C を継承している状態』として扱われるようになる
• このチケットではこの実行順を明文化しよう、というチケット
• Zeitwerk がこの挙動に依存しているので明文化したい、みたいなモチベーションみたいですね
• これなんですがコードの書き方によって期待する順番が違ったりするみたいで色々と難しそうですね
• 例えば以下のように Class.new をした場合は .const_added -> .inherited の順で呼び出されたりします
  • これは定数定義の前に Class.new の時点で継承の処理がされたりする関係
  • https://bugs.ruby-lang.org/issues/21143#note-3

module M
  class C
    def self.inherited(subclass)
      pp ".inherited: #{subclass}"
    end
  end

  def self.const_added(cname)
    pp ".const_added: #{cname}"
  end

  D = Class.new(C)
end
__END__
".inherited: #<Class:0x000077cfd57f83f8>"
".const_added: D"

• こういうのを考慮すると inherited -> const_added の順で呼び出すようにする話もでたりしていますね
  • matz もこれには同意しています
  • https://bugs.ruby-lang.org/issues/21143#note-6
• これなんですが最終的には Ruby 3.5 から inherited -> const_added の順で呼び出されるように対応されました

$caller = []

module M
  class C
    def self.inherited(subclass)
      $caller << ".inherited: #{subclass}"
    end
  end

  def self.const_added(cname)
    $caller << ".const_added: #{cname}"
  end

  class D < C; end
end

pp $caller
# Ruby 3.4 => [".const_added: D", ".inherited: M::D"]
# Ruby 3.5 => [".inherited: M::D", ".const_added: D"]

• Zeitwerk 関連でどれぐらい影響があるんですかねえ