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世界は無風だった:作ったアプリが誰にも見られない問題とPrototypeR

に公開

初めまして。マキナシステムズのHANです。

いきなりですが、最近の世界、来るとこまで来ましたね

AIに「なんかいい感じのツール作って」と投げれば、秒速でそれっぽいコードが返ってくる。人類が数千年もがいてきた「作る」という行為のハードルが、今、地面にめり込む勢いで下がっています。

……で、ここで一つ、喉元に突きつけられたナイフのような真実が見えてきたんですよ。

「なんでも作れる」世界になっても、「価値のあるもの」と「ゴミ」は、今まで以上に容赦なく、残酷に分かれるということです・・・・・

10年間の片思い(開発)の末に

聞いてください。私の話を。
私はこれまで、Pythonを中心に10年以上も「これだ!」と思うアプリをコツコツ作っては、世に放ってきました。SFが好きすぎて、「SF執筆専用Webアプリ」とか、「SFオフ会でスベらないためのトークテーマ生成アプリ」とか……。

結果はどうだったか。
世界は、驚くほど静かでした。

バズるどころか、そよ風すら吹かない。アクセス解析のグラフは地平線のように真っ平ら。僕の情熱は、インターネットの深淵へと静かにフェードアウトしていきました。
(かつてのアプリたちよ、サーバーの藻屑となって安らかに眠れ……)

そこで私は、マーケティング支援やスタートアップ支援という「現実」の仕事に戻り、ぐるぐると考え続けたのです。

「どうすれば人は、私の作ったものに気づくのか?」
「どうすれば人は、財布という名の重い扉を開くのか?」

考えすぎて、もはや哲学の領域に踏み込みました。「財布とは何か。なぜ欲望するのか。」と。


妄想を「機械」に。AI型SaaS「PrototypeR」の爆誕

そんな「連戦連敗の私」が、どうにかこうにか生み出したのがSaaSの「PrototypeR」です。
使い方はこう。

  1. 「こんなの作りたい」というプロダクトのヒントを投げる
  2. AIが、もっともらしいプロダクト案を練り上げる
  3. AIが、仮想の顧客(ペルソナ)を勝手に召喚する
  4. そのペルソナに、AIがインタビューを敢行する
  5. 「そんなのいらねーよ」「それなら買うかも」という反応を元に、案を修正する
  6. 最終的に、「これなら金を出してもいい」と言わせるプロダクト案を出力する

要するに、起業家が夜な夜な繰り広げている「僕の考えた最強のビジネスモデル」という名の妄想マーケ会議を、AIに24時間、容赦なくやらせるわけです。


ぶっちゃけ、あなたのアイデアは「売れない」

このツールの根底にあるのは、「リーンスタートアップ」という思想です。
非常にリアリスティックな考えで、我々が最初に思いつくアイデアなんて、これっぽっちも売れません。そもそも視界にすら入りません。これ、宇宙の法則です。

だからこそ大事なのは、

  • どこがダメなのかを、1秒でも早く知ること。
  • 市場に合わせて、プライドを捨ててピボット(方向転換)すること。
  • PMF(市場にハマる状態)まで、高速でぐるぐる回すこと。

「PrototypeR」は、この「失敗のプロセス」を、現実のお金と時間を溶かす前に、シミュレーション上で終わらせてしまおうという発想なんです。


結局、人はほしいものしか買わない

顧客の需要を引き出すために、このAIには「ジョブ理論(Jobs To Be Done)」を叩き込んであります。

「人は4分の1インチのドリルが欲しいのではない。4分の1インチの穴が欲しいのだ」
という有名なマーケティングの言葉がありますけど、単にドリル眺めたくって買う人もいるでしょ、ドリル持ってる俺カッコいーってタイプ。

何を求めるかは、状況ごとに異なるからね。人によってどころか、その人がどんな状態かによって変わっちゃいますから、千差万別だから

そこで、AIは、「このアプリが欲しいか?」と聞くのではなく、「このユーザーが片付けたい用事(ジョブ)は何なのか?」を深掘りしにいくのです。

最後に:AIは「相棒」であって「神」ではない

どれだけAIが進化しても、変わらない真理があります。
「プロダクトの価値は、市場(現実)が決める」ということです。

PrototypeRが出した答えが100%正解なわけじゃありません。最後は、人間が現実の世界で確かめるしかない。
でも、AIという「足の速い馬」に乗り、人間という「意志を持つ乗り手」が手綱を引く。
このケンタウロス型のスタイルこそが、これからの開発者の生きる道だと僕は信じています。

次回からは、もう少しテック寄りの泥臭い話を書くつもりです。

・「どうやってこの冷徹なAIを実装したのか」
・「開発中にどこで心が折れかけたか」
・「どうやって公開事例を量産するつもりか」

実務の話に興味がある方は、ぜひフォローして待っていてください。
ではまた、開発の迷宮でお会いしましょう。

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