VMware上でProxmox VEの検証環境を構築する手順まとめ (1)
今回は、VMware 上で Proxmox VE の検証環境を 6 台構成で作る方法をまとめます。
実機で同じことをやるなら 6 台の物理サーバーが必要ですが、今回は VMware Workstation Pro 上で仮想的に 6 台の Proxmox サーバーを用意します。
役割は次のとおりです。
-
PV01PV02PV03→ ハイパーバイザー用(HV) -
PV04PV05PV06→ Ceph 用
この記事では、ISO の準備、VMware 側の仮想マシン作成、NIC 構成、Proxmox VE のインストール、初回ログイン後の確認 までをひととおり整理します。
この記事の前提
今回の想定は次のような構成です。
- VMware Workstation Pro 17 上に Proxmox VE の仮想マシンを 6 台作る
- 3 台を HV 用、3 台を Ceph 用として役割分担する
- 1 台あたり複数 NIC を持たせる
- あとで Proxmox クラスタや Ceph 構成に発展できるようにする
ホスト PC の例としては、次のくらいのスペックがあると検証しやすいです。
- OS: Windows 11 64bit
- CPU: AMD Ryzen 9 6900HX クラス
- RAM: 64GB
- SSD: 1TB
検証用としては、仮想マシン側にも最低でも次のような条件があると進めやすいです。
- CPU: 4 vCPU 以上
- メモリ: HV 用は 8GB 前後、Ceph 用は 10GB 前後
- OS 用ディスク: 80GB 以上
- ネットワークインターフェースを 4 つ以上追加できる
- 仮想化支援機能(Intel VT-x/EPT または AMD-V/RVI)が有効
Ceph 用ノードまで作る場合は、Proxmox ノードより少し重めにしておくと扱いやすくなります。
全体の流れ
最初に全体の流れを書いておくと、今回は次の順番です。
- Proxmox VE の ISO をダウンロードする
- VMware 側で仮想ネットワークを用意する
- 6 台分の仮想マシンを作成する
- HV 用と Ceph 用で NIC 構成を分けて追加する
- ISO から起動して Proxmox VE をインストールする
- Web UI にログインして初期状態を確認する
- 6 台すべてを同じ方針で作成する
まずは Proxmox VE の ISO を準備する
最初に Proxmox VE のインストール用 ISO を取得します。
公式ダウンロードページ:
ここから Proxmox VE ISO Installer をダウンロードします。
今回は VMware 上で使うので、USB インストールメディアは不要です。ダウンロードした ISO を、そのまま仮想マシンの CD/DVD ドライブにマウントして使います。
VMware 側で検証用ネットワークを用意する
今回のメモでは、VMware 側で複数の仮想ネットワークを使い分ける前提でした。
たとえば次のような分け方です。
- 管理用ネットワーク
- Proxmox クラスタ用ネットワーク
- Ceph Public 用ネットワーク
- VM 通信または Ceph Cluster 用ネットワーク
例としては次のように分けられます。
- NAT: 管理用ネットワーク
- VMnet2: 内部ネットワーク用
今回の構成では、細かく VMnet を分けるというより、
管理用は NAT、クラスタ系や Ceph 系は VMnet ベースの内部ネットワーク として扱います。
管理用ネットワークだけ外部へ出られるようにし、内部通信用ネットワークは閉じた経路にしておくと検証しやすくなります。
VMware の仮想マシンを作成する
次に、Proxmox VE を入れる仮想マシンを作成します。
1 台の仮想マシンに対して、たとえば次のような設定を入れていきます。
- CPU: 4 vCPU
- メモリ: HV 用は 8GB、Ceph 用は 10GB を目安
- OS ディスク: 80GB
- CD/DVD: ダウンロードした Proxmox VE ISO
- NIC: 4 本
Ceph 用ノードにする場合は、追加で OSD 用ディスクを複数付けます。今回の検証では、Ceph 用ノードに 30GB の追加ディスクを 3 本ずつ付ける想定です。
仮想化支援を有効にする
VMware 上で Proxmox を動かすなら、CPU の仮想化支援機能を使える状態にしておく必要があります。
たとえば次のような項目が有効か確認します。
- Intel VT-x / EPT
- AMD-V / RVI
これが有効でないと、あとで nested virtualization や仮想化機能まわりで詰まりやすくなります。
NIC を複数追加する
今回の検証では、後でクラスタや Ceph を構成する前提なので、最初から NIC を複数追加しておきます。
ここは HV 用ノードと Ceph 用ノードで役割が違う ので、分けて考えるのが大事です。
HV 用ノードの NIC 構成
- ネットワークアダプタ1(NAT):
mng-proxy- 管理用ネットワーク
- ネットワークアダプタ2(VMnet2):
px-cluster- Proxmox サーバー間をつなぐクラスタネットワーク
- ネットワークアダプタ3(VMnet2):
ceph-public- Ceph と HV をつなぐネットワーク
- ネットワークアダプタ4(NAT):
vm- VM が外部通信に使うネットワーク
この vm 用 NIC は見落としやすいですが、仮想マシンが外へ出ていくためのネットワークとして重要です。
Ceph 用ノードの NIC 構成
- ネットワークアダプタ1(NAT):
mng-proxy- 管理用ネットワーク
- ネットワークアダプタ2(VMnet2):
px-cluster- 検証構成で利用する内部ネットワーク
- ネットワークアダプタ3(VMnet2):
ceph-cluster- Ceph 同士をつなぐクラスタネットワーク
- ネットワークアダプタ4(VMnet2):
ceph-public- Ceph と HV をつなぐネットワーク
この段階では厳密な bond や VLAN 設計までやらなくてもよいですが、どの NIC を何に使うか を最初に決めておくと、あとでかなり楽になります。
Proxmox VE の ISO をマウントする
VMware の仮想マシン設定画面で、CD/DVD ドライブにダウンロードした Proxmox VE の ISO を接続します。
そのうえで、仮想マシンを ISO から起動できるようにしておきます。
起動順序に問題があるとインストーラではなく別メディアから起動してしまうので、最初の起動時は CD/DVD ブートになっていることを確認します。
ISO から起動してインストーラを開く
仮想マシンを起動すると Proxmox VE のインストーラが立ち上がるので、そのままインストールを進めます。
ここからは、画面に沿って必要な項目を埋めていけば大丈夫です。
利用規約に同意する
最初に利用規約が表示されるので、内容を確認して問題なければ同意して進みます。
インストール先ディスクを選ぶ
次に、Proxmox VE を入れる OS 用ディスクを選択します。
検証用途ならデフォルト設定でも進められますが、あとで Ceph 用ディスクを追加する予定があるなら、OS 用ディスクとは分けて考えるのがおすすめです。
タイムゾーン、国、キーボードを設定する
ここでは次の項目を設定します。
- 国
- タイムゾーン
- キーボードレイアウト
日本語環境なら、キーボードレイアウトは日本語にしておくとコンソール操作が楽になります。
root パスワードとメールアドレスを設定する
次に管理者情報を設定します。
- root パスワード
- メールアドレス
メールアドレスは障害通知などに使われることがあるので、検証環境でも意味のある値を入れておくとあとで見返しやすくなります。
管理ネットワークを設定する
ここが一番重要です。
この画面では、主に次を設定します。
- Management Interface
- Hostname(FQDN)
- IP Address(CIDR)
- Gateway
- DNS Server
今回は VMware 上の検証環境なので、まずは 管理用 NIC を選び、Web UI にアクセスできる IP を設定します。
たとえば考え方としては次のようになります。
- Management Interface: 管理用ネットワークに接続した NIC
- Hostname:
pve01.localdomainのような名前 - IP Address: 管理用セグメント内の固定 IP
- Gateway: 管理用ネットワークのゲートウェイ
- DNS Server: 利用する DNS サーバ
ここで設定した IP が、あとで Web UI へアクセスするアドレスになります。
インストールを実行する
最後に設定内容の確認画面が出るので、問題なければ Install を実行します。
インストールが終わって再起動すれば、Proxmox VE が起動した状態になります。
Web UI にアクセスする
起動後、通常は次の URL で Web UI にアクセスできます。
https://<ホストIP>:8006
自己署名証明書なので、ブラウザで警告が出ますが、検証環境ではそのままアクセスして構いません。
初回ログイン
ログイン時は通常、次の情報を使います。
- User name:
root - Password: インストール時に設定したパスワード
- Realm:
Linux PAM standard authentication
ログイン後、サブスクリプション関連のダイアログが出ることがありますが、検証環境ならそのまま閉じても問題ありません。
インストール後に最初に確認すること
インストールできたら、次の項目を見ておくと後が楽です。
- キーボードレイアウト
- リポジトリ設定
- NTP / 時刻同期
- HTTP プロキシ設定
- NIC の自動起動
リポジトリ設定
ライセンスがない場合は、No Subscription リポジトリを使うことが多いです。
デフォルトの enterprise リポジトリが有効なままだと更新時に混乱しやすいので、早めに確認しておきます。
時刻同期
あとでクラスタや Ceph を組むなら、時刻同期はかなり重要です。
たとえば次のようなコマンドで確認できます。
timedatectl
chronyc sources
NIC の自動起動
複数 NIC を追加した場合、後でクラスタや Ceph 構成に進む前に、対象インターフェースが正しく認識されているか、自動起動設定が入っているかも確認しておくと安心です。
同じ手順で必要台数分のノードを作る
1 台目が問題なく作れたら、同じ要領で 6 台分の仮想マシンを作成します。
今回の役割分担は次のとおりです。
-
PV01PV02PV03→ HV 用 -
PV04PV05PV06→ Ceph 用
Ceph 用ノードについては、OS インストール後にさらに OSD 用ディスクを追加していきます。
この段階で意識しておくと良いこと
今回はインストール編ですが、後で楽にするために次を意識しておくのがおすすめです。
- ノード名の命名規則をそろえる
- IP セグメントと VMnet / NAT の対応をそろえる
- 管理用、クラスタ用、Ceph 用、VM 用の役割を分ける
- Ceph 用ディスクは OS 用とは分離する
まとめ
VMware 上で Proxmox VE の検証環境を作る流れは、次の順番で進めるとわかりやすいです。
- Proxmox VE の ISO をダウンロードする
- VMware 側で仮想ネットワークを用意する
- 6 台の仮想マシンを作る
- HV 用と Ceph 用で NIC 構成を分けて設定する
- ISO から起動してインストールする
- Web UI へログインして初期状態を確認する
- 6 台すべてを同じ方針でそろえる
最初から 6 台構成と NIC の役割分担を意識しておくと、あとでクラスタ構築や Ceph 構築につなげやすくなります。
次は、用意した HV ノードを Proxmox VE クラスタとしてまとめていきます。
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