国産生成AIツール「Taskhub」を高校生エンジニアが本気で使ってみた
こんにちは、いのりです。
今回は株式会社Bocekの国産生成AIツール「Taskhub」を実際に使わせていただく機会をいただいたので、使ってみた感想を紹介していきます!
公式から「正直に書いていいよ」とのことなので、良いところも気になったところも素直に書いていきます。
普段からDifyでAIアプリを作ったり、GeminiやPerplexityなどを日常的に触っている高校生目線でのレビューになります。AIアプリ開発をやっている身として、エンジニア視点も交えながら書いていこうと思います。
1. Taskhubって何?運営会社は?
まずはTaskhubと運営会社について簡単に紹介しておきます。
Taskhubは、株式会社Bocekが運営する企業向けの国産生成AIツールです。SNS要素を取り入れた設計になっていて、社内で「この人がこういう使い方をしました」という情報がYouTubeの再生回数のような形で表示・共有される仕組みになっています。
株式会社Bocekは2022年6月に設立されたスタートアップで、代表取締役CEOは沖村昂志さん。東京科学大学キャンパス・イノベーションセンター内にオフィスを構えています。
Taskhubだけでなく、法人向けの生成AI導入・利用率向上のコンサルティングや、生成AIシステムの受託開発なども手がけているそうです。単なるツール提供だけでなく、導入支援までワンストップでやっているのは企業にとって心強いかもしれません。
Taskhubは日本初のアプリ型インターフェースを採用していて、200種類以上の実用的なAIタスクがパッケージ化されているとのこと。
2. なぜ今「国産AI」が注目されているのか

総務省 企業における業務での生成AI利用率(国別)
レビューに入る前に、そもそもなぜ国産AIが注目されているのかを少し整理しておきます。
企業がChatGPTやClaudeを導入するとき、よく聞く懸念がデータのセキュリティです。海外のサーバーにデータが送信されることへの不安や、機密情報の取り扱いについて慎重になる企業は多いです。
総務省の調査によると、AI導入における課題として「AI人材の不足」を挙げる企業が48.7%と最も多く、次いで「導入コストの負担が大きい」が44.8%、「AIに関する知識やリテラシーが不足している」が38.3%という結果が出ています(参照)。
つまり、多くの企業がAIを入れたいけど使いこなせる人がいないという状況です。
そこで国産AIツールの出番というわけです。日本語でのサポート、国内サーバーでのデータ管理、日本企業の業務フローに合わせた設計…といったメリットが期待できます。
ただ、正直なところ「国産だから安心」というだけでは、GeminiやChatGPT、Claudeのエンタープライズ版と差別化するのは難しい。実際に使ってみてどうだったか、見ていきましょう。
3. ライブラリのアプリを試してみた
Taskhubにはライブラリにテンプレートアプリが用意されていて、すぐに使い始められます。いくつか試してみました。
画像生成AIエージェント

まずは「画像生成AIエージェント」から。
入力はフォーム形式になっていて、プロンプト(生成したい画像の指示文)とアスペクト比、スタイルを選択するだけで画像生成ができます。エージェントはTaskhub Agent 5、5 Pro、6 Pro(2025/11/25時点)から選択でき、裏ではNano Bananaというモデルが動いているようです。

Taskhub Agent 5は、ユーザーの指示内容を自動解析して、Web検索・URL読み取り・Google Map連携・ファイル入出力・画像生成の中から最適な手段を自動選択・組み合わせて実行するという設計思想らしいです。
試しに猫の画像を生成してみたところ、最初はシンプルすぎたので「もう少し鮮やかに」と修正依頼を出してみました。チャット内でそのまま修正できるのは便利です!会話の流れで調整できるのは、画像生成初心者にも優しい設計だと感じました。
メール文のビジネスマナーチェック

続いて「メール文のビジネスマナーチェック」を試してみました。自分で書いたメールを入れると、AIが校正・添削してくれるアプリです。
AIモデルはClaude Sonnet 4.5やGemini 3 Pro、Grok3、GPT-5シリーズ、GPT-4.1シリーズ、o3、o4-miniなどから選択できます。
ChatGPT系のモデルは充実しているので、普段からChatGPTを使っている方には良さそうです。私はClaude派なのですが、Sonnet 4とSonnet 4.5の2つしかなかったのはちょっと寂しかったですね…。Opusとか入れてくれたら嬉しいな。
議事録アプリ

次に「議事録アプリ」を試してみました。こちらはワークフローで作られたアプリです。
ElevenLabs V3で作成したかなり自然な日本語音声を入れて、推奨モデルのGemini 2.5 Proで実行してみたのですが、ここは正直あまりうまくいきませんでした。
私が入れたのは最新AIモデルについての議論だったのに、なぜか昔のモデルの話にすり替わってしまっていました。仮に社内で本格導入したとしても、これだと任せきりにはできないかな…という印象です。
4. 自分でアプリを作ってみた
なんと、Taskhubでは自分でもアプリが作れる機能があったので、「プロンプトアプリ」「ワークフローアプリ」「エージェントアプリ」の3種類を作ってみました。
これが今回一番試したかった部分です。普段からDifyでアプリを作っている身として、比較しながらレビューしていきます。
プロンプトアプリ

プロンプトアプリの作成が一番簡単でした。入力フォームとプロンプトを書くだけでOKです。
入力フォームの内容をプロンプトに埋め込むには「入力を挿入」ボタンを押すだけ。変数として簡単に入れることができました。

今回は「受信したメールと返信意図を入力すると、AIが返信メールを書いてくれるアプリ」を作ってみました。返信スタイル(ビジネス/カジュアル)や言語(英語/日本語)も選べるようにしています。
モデルはTaskhubが提供するものから自由に選択可能。保存時には社内共有するかどうかも選べるので、自分だけで使うことも、チームで共有することもできます。
非エンジニアでも10分もあれば作れるレベルの簡単さでした。これは評価ポイントです。
ワークフローアプリ

続いてワークフローアプリを作ってみました。
結論から言うと、こちらは少し難しかったです。ブロックの種類が少なくて、作りたいアプリが作れない場面がありました。説明も少なめなので、初めての方はかなり苦労するかもしれません。
私はDifyを日常的に触っているのでなんとなくで作成できましたが、完全初心者だと厳しいかも…。

良かった点としては、外部ツールとの連携が簡単だったこと。 Googleスプレッドシートを使ったアプリを作ろうとしたときに、すぐに追加・連携ができました。NotionやSlack、Microsoft Teamsとも連携できるそうです。社内で使っているツールと繋げられるのは実用的です。

今回はGoogleスプレッドシートの企業リストデータをAIがレポートとしてまとめてくれるアプリを作成しました。実際にスプレッドシートを選択・範囲指定して、データを取得、その後AIがレポート化することができました。社内ではかなり業務効率化につながりそうです。
ただ、エラーが発生したときに画面が真っ白になって原因が特定できなかったのは困りました。何のエラーなのか表示されないので、デバッグができない。これは作成したものを改善していく上で大きな障壁になります。
本当は反復処理ブロックを使ってスプレッドシートの情報を1つずつ処理して、Web検索をかけてから1つのファイルとして出力したかったのですが…。Difyならできることなので、ここは今後のアップデートに期待です。
エージェントアプリ

最後にエージェントアプリを作成してみました。
こちらはプロンプト+ナレッジファイル(ファイルから検索) を組み合わせて、Web検索から画像生成までAIが自動でやってくれるアプリです。社内に膨大なファイルがある企業にはおすすめの形式です。
今回はPerplexity Researchで集めたAI企業データを添付して、ユーザーの質問に答えるシンプルなアプリを作成しました。
「GeminiとChatGPTどっちがおすすめ?」と聞いてみると、ちゃんとファイルから検索して最新のモデルや機能まで教えてくれました。「Googleと連携したいならGemini、画像や動画、コードなど開発者としてならChatGPT」とアドバイスをくれたのは良かったです。RAG(検索拡張生成)がちゃんと機能している証拠です。
ただ、19KBという超小さいナレッジファイルでも読み込みに2分くらいかかってしまいました。チャットを始めるまでに結構待たされる感じです。
5. 良かったところ
使ってみて良かったところをまとめていきます。

外部連携ツール一覧
外部ツール連携が簡単
Googleスプレッドシート、Notion、Slack、Teamsなど主要なツールと連携できます。設定も直感的で、数クリックで完了しました。これは非エンジニアの方には嬉しいポイント。
プロンプトアプリの作成が直感的
変数の挿入も簡単で、プログラミング知識がなくても作れそうです。「入力を挿入」ボタンが分かりやすくて、初めての人でも迷わないと思います。

ダッシュボード画面
ダッシュボードが面白い
社内利用ランキングや累計利用数、推定効率化時間が見れます。「AIを導入してこれだけ効率化できました」と数字で示せるのは、導入効果を可視化したい企業には嬉しい機能です。
SNS的な共有機能
ChatGPTは基本的に閉じたサービスで、個人レベルでの活用ノウハウが共有されないのが課題という視点はなるほどと思いました。社内で「あの人がこういう使い方をしている」と見えるのは、AIリテラシーの底上げにつながりそうです。

利用可能なモデル一覧
モデル呼び出しの制限が緩め
それぞれ月2000回利用できるようです。料金プランによりますが、だいぶ余裕がある印象でした。クレジット設定で組織内のユーザーごとに上限を設定できるのも、管理者にとっては便利そう。

AIチャット画面
普通のAIチャットもできる
アプリ作成だけでなく、通常のAIチャットとしても使えます。ChatGPTやClaudeの代わりとしても機能するので、社内のAIツールを一本化できる可能性があります。
6. 気になったところ
正直に書いていいとのことなので、改善してほしい点も書いていきます。
AIモデルの種類が少ない・反映が遅い
ChatGPT系は充実していますが、Claudeは2モデルのみ。最新モデルがリリースされてから追加されるまでにタイムラグがある印象です。AIの進化は速いので、もう少し追随してほしいところ。
ワークフローのブロックが足りない
反復処理(ループ)や複雑な条件分岐がなくて、作りたいものが作れない場面がありました。Difyでできることができない、というのはエンジニアとしてはもどかしいです。
エラー表示がない
ワークフローでエラーが発生したとき、画面が真っ白になって何も表示されませんでした。原因が特定できないとデバッグができないので、これは早急に改善してほしいポイントです。
ナレッジファイルの読み込みが遅い

小さいファイルでも2分かかるのは気になりました。企業レベルのデータ量だとどうなるのか…実運用を考えると不安が残ります。
セキュリティのアピールがもう少しほしい

企業向けサービスなので、「データは国内サーバーで保護されています」「モデルは安全な環境で動作しています」的なUIや認証マークがあるともっと安心できそうです。いいサービスだからこそ、信頼性をもっとアピールしてほしいです。
国産以外の差別化ポイント
現状だと「国産で安心」という点以外に大きな強みが見えにくいかなと感じました。GeminiやChatGPT、Claudeのチームプランでもできることが多いので、「これがあるからTaskhub」という独自の強みがあるともっと魅力的になりそうです。
7. どんな企業に向いている?
ここまで使ってみて、Taskhubが向いている企業像が見えてきました。
向いている企業
- AI導入したいがエンジニア不在の中小企業
- 社内のAIリテラシーを底上げしたい企業
- 導入効果を数字で示したい企業
- セキュリティ意識の高い企業
向いていない企業
- 複雑なワークフローを組みたい企業
- 最新モデルをすぐに試したい企業
- エンジニアが多くてカスタマイズしたい企業
- 個人利用を考えている人
8. まとめ
Taskhubを実際に使ってみて、完全に企業向けのサービスという印象を受けました。
良かったのは、非エンジニアでもAIアプリを作れる手軽さと、社内での共有・可視化機能。「ChatGPTを全社導入したものの、意外とみんなが使ってくれない」という課題を解決しようとしているのは伝わりました。
一方で、ワークフローの自由度やエラーハンドリング、モデルの選択肢といった部分は改善の余地ありです。現状だと国産で安心以外の差別化が弱く、GeminiやChatGPT、Claudeのエンタープライズ版と比べてしまうと、選ぶ理由が明確でない印象も受けました。
Bocekの代表は「多くの企業で『AIを導入したが活用しきれない』という声を聞きます。その根本原因は、社員さんがAIツールに合わせた活用例を見つけ出すという作業が大きなハードルだったからです」と語っています。この課題感はすごく共感できますし、SNS的な共有機能でそこを解決しようとしているアプローチは面白いと思いました。
今後、ワークフローブロックの充実やモデルの追加、セキュリティ面のアピール強化があれば、もっと嬉しいサービスになりそうです!
「社内でAIを安全に使いたい」「非エンジニアでもAIアプリを作れる環境が欲しい」「導入効果を可視化したい」という企業には、検討の価値はあると思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
正直に書いていいと言われたので、遠慮なく書かせていただきました。参考になれば嬉しいです。
Taskhubの詳細や料金プラン、導入事例などは公式サイトで確認できます。気になった方はぜひ↓
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