X For Youアルゴリズム完全解説:xAI公開コードから読み解く2026年の攻略法
TL;DR
2026年1月にxAIがオープンソース公開したX(旧Twitter)のFor Youフィードアルゴリズムを解析した。Grokベースのトランスフォーマーを使用し、Two-Tower検索→Grokランキングの2段階でフィードが生成される。「一貫したニッチで投稿」「シェアしたくなる内容」「ネガティブアクションの回避」が鍵となる。
はじめに
2026年1月20日、xAIがX(旧Twitter)のFor YouフィードアルゴリズムをGitHub上でオープンソース公開した。以前(2023年)にも旧アルゴリズムが公開されたことがあったが、今回はGrokベースのトランスフォーマーを使用した完全に新しいシステムだ。
私自身、このコードを読み込んでみた。本記事では、そのコードリーディングから得られた知見を共有する。
アルゴリズムの全体像
For Youフィードは以下の2段階で構成されている:
- Retrieval(検索): 数百万の投稿から数千件の候補を絞り込む
- Ranking(ランキング): 候補をスコア付けして最終的な表示順を決定
パイプラインの詳細
1. Retrieval:土俵に上がる
Two-Towerモデルの仕組み
RetrievalにはTwo-Towerモデルが使用されている:
- User Tower: ユーザーの過去のエンゲージメント履歴をエンコード
- Candidate Tower: 投稿+著者の情報をエンコード
両者の類似度(dot product)で候補が選ばれる。
候補取得の2系統
| ソース | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| Thunder | In-Network | フォロー中のアカウントからの投稿 |
| Phoenix | Out-of-Network | グローバルからML検索 |
Retrievalで発見されるための戦略
| ポイント | 理由 |
|---|---|
| 特定のニッチで一貫した投稿 | 同トピックに興味あるユーザーの履歴に類似しやすい |
| エンゲージメントが多い投稿に似た形式 | 「いいねされた投稿」に似ていると候補に入りやすい |
| 誰にフォロー/エンゲージされるか | グラフ上の位置が重要 |
2. Filterで落とされない
主要なフィルター
| フィルター | 除外される条件 |
|---|---|
AgeFilter |
古すぎる投稿 |
VFFilter |
スパム/暴力/削除済み |
MutedKeywordFilter |
ミュートキーワードを含む |
AuthorSocialgraphFilter |
ブロック/ミュート済み著者 |
PreviouslySeenPostsFilter |
既読投稿 |
鮮度が重要。古い投稿は除外される。また、炎上狙いや攻撃的な内容はブロック/ミュートで除外されやすい。
3. Scoringで高スコアを取る
スコア計算式
Grokベースのトランスフォーマーが各アクションの確率を予測し、重み付け合計でスコアが決まる:
ここで
プラス要因(スコアを上げる)
| アクション | 投稿の特徴 |
|---|---|
| いいね | 共感・面白い・有益 |
| リプライ | 議論を誘発する、質問形式 |
| RT/引用RT | シェアしたくなる内容 |
| シェア(DM/リンクコピー) | 「誰かに見せたい」と思わせる |
| プロフィールクリック→フォロー | 「この人誰?」と興味を持たせる |
| 滞在時間(dwell) | じっくり読ませるスレッド |
マイナス要因(スコアを下げる)
| アクション | 避けるべきこと |
|---|---|
| 興味なし | つまらない、関係ない |
| ブロック | 不快、攻撃的 |
| ミュート | うるさい、しつこい |
| 通報 | 規約違反、スパム的 |
エンゲージメントの質の序列
いいね < リプライ/引用RT < シェア/RT < プロフィールクリック/フォロー/長時間視聴
4. フォロー外(OON)のハンデを超える
OONScorerにより、フォロー外投稿はOON_WEIGHT_FACTORで減衰される。フォロー中の投稿より基本的に不利だ。
フォロー外に届くにはスコアが相当高くないと選ばれない。まずフォロワーからのエンゲージメントを獲得し、彼らのRT/引用RTで間接的にリーチを広げるのが現実的な戦略となる。
5. 著者多様性の影響
AuthorDiversityScorerにより、同一著者の投稿が連続するとスコアが減衰される。
これは「1日に何本も投稿してはいけない」ではなく「数分おきに連投しない」が正確な理解だ。時間帯をずらして異なるセッション・異なるユーザー集合に届けることが重要。
6. クリエイター自身の行動も影響する
Phoenix Rankingは「ユーザーのエンゲージ履歴+候補投稿」をコンテキストにする。あなた自身も1ユーザーとして何に反応しているかが、グローバルな共起構造に影響する。
- 伸ばしたいニッチと関係ない界隈での極端なリアクションは控える
- 伸ばしたいニッチの良質投稿にユーザーとしていいね・リプ・引用する
7. コンテンツ形式の最適化
| 形式 | 効果 |
|---|---|
| 動画 |
|
| 画像・図解 |
|
| 外部リンク | プラットフォーム外への離脱リスク。重要情報は投稿内に完結させる |
実践的まとめ
やるべきこと
- 一貫したトピック/ニッチで投稿 → Retrieval候補に入りやすい
- エンゲージメントの"質"を重視 → フォロー・長時間視聴が最も価値が高い
- 「誰かに見せたい」と思わせる → シェア系スコアが高い
- ニッチ内の中堅アカウントと関係構築 → in-network露出が増える
- 同じテーマは角度・フォーマットを変えて再展開 → 新しいコンテンツとして学習される
避けるべきこと
- 攻撃的/炎上狙い → ブロック/ミュート/通報でマイナス
- 数分おきの連投 → 著者多様性で減衰
- 反論RT・晒し・吊るし上げ → ネガティブアクション増加
- 釣りタイトル+中身スカスカ → 短いdwell、ネガティブ反応
長期的に強い戦略
アルゴリズムは4週ごとに更新される。特定の重みや挙動をピンポイントでハックする戦略は、アップデートで無効化される可能性がある。
これが、アルゴリズムが変わっても揺るがない本質的な戦略だ。一言でいうと:
「この投稿見て!」と誰かに共有したくなる投稿を、特定のニッチで一貫して続ける
以上。
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