【実践ガイド】なにを解決したいのかにPrompt作成を自動化してみよう
対話型AI業務効率化システム「Prompt Wizard」の作り方
はじめに
日々の業務で「AIを使いたいけど、どんなプロンプトを書けばいいかわからない」「毎回一から考えるのが面倒」という悩みはありませんか?
この記事では、実際に僕がまだまだUpdateしながら日々使っているClaude Projectの設定について紹介できればと思います。ユーザーの業務課題を対話で分析し最適なAI設定を自動生成するという意味を込めて、「PromptWizard」と呼んでいます。まずは、実際に構築する過程をつづります。
完成イメージ
- ユーザーが「営業提案書の作成を効率化したい」と相談
- PromptWizardが段階的に課題を深掘り
- 最終的にSystemPrompt + RAG情報 + UserPrompt5パターンの完成したAI設定を提供
🎯 この記事で学べること
- 設計思想: 複雑なAIシステムの設計アプローチ
- RAG情報設計: 構造化された知識ベースの作り方
- Mode管理: 段階的な対話システムの実装方法
- 実装手順: Claude Projectでの具体的な設定方法
📋 システム全体像
PromptWizardは以下の4つのModeで動作します:
Mode1: 課題分析 → Mode2: Chain設計 → Mode3: Chain実行 → Mode4: 成果生成
各Modeで必要な合意を確認しながら進行し、最終的に業務特化したAI設定3点セットを生成します。
🏗️ Step1: 設計思想の確立
1-1. 解決したい課題の整理
まず、従来のAI活用の課題を整理しました:
従来の課題:
- プロンプト作成スキルの個人差
- 毎回一からプロンプトを考える非効率性
- 業務に最適化されていない汎用的な回答
- 継続的な改善の仕組みがない
目指す解決策:
- 対話による課題の自動分析
- 業界ベストプラクティスに基づく技法選択
- 段階的な合意形成による品質保証
- 継続使用を前提とした実用的設計
1-2. アーキテクチャの設計
🔧 Step2: RAG情報の構造化設計
2-1. 情報カテゴリの特定
業務課題を5つのカテゴリに分類しました:
1. 分析・理解系: データ分析、文書分析、現状把握
2. 創造・発想系: アイデア創出、企画立案
3. 判断・意思決定系: 選択、評価、戦略決定
4. 計画・設計系: プロジェクト管理、システム設計
5. コミュニケーション系: 説明、交渉、情報伝達
2-2. RAG情報を親子構造に整理整頓
DifyやN8NなどでLLMノードやAI Agentノードをいじったことがある方であれば親子構造の大切さを理解されているかと思います。全文検索するのではなく、必要な情報の塊(チャンク)を特定して参照するのでTokenを無駄にしなくなります。
実際に手を動かしてみましょう
以下のテンプレートで業務パターンを構造化してください:
# RAG情報: BUSINESS_PATTERNS
## 🔍 検索キーワード
- **主要**: [メインとなる業務キーワード]
- **関連**: [関連する概念・手法]
## 📊 課題カテゴリ
### 1. [カテゴリ名]
**キーワード**: [検索対象となるキーワード群]
**定義**: [カテゴリの明確な定義]
**特徴**: [このカテゴリの特徴]
#### サブタイプ階層
[カテゴリ名]
├── [サブカテゴリ1]
│ ├── [具体例1-1]
│ ├── [具体例1-2]
│ └── [具体例1-3]
├── [サブカテゴリ2]
│ └── [具体例群]
#### 複雑度評価基準
**レベル1(基本)**:
├── [評価軸1]: [基準1]
├── [評価軸2]: [基準2]
└── [評価軸3]: [基準3]
2-3. 実践:営業提案書カテゴリの作成
### 5. コミュニケーション系
**キーワード**: 提案書, 営業, プレゼン, 説得, 顧客対応
**定義**: 情報伝達、説得、合意形成を目的とするタスク
**特徴**: 相手重視、明確性、説得力
#### サブタイプ階層
コミュニケーション系
├── 説得・提案コミュニケーション
│ ├── 営業提案書作成
│ ├── セールスプレゼンテーション
│ ├── 顧客向け企画説明
│ └── 投資家向けピッチ
#### 複雑度評価基準
**レベル2(構造化)**:
├── 対象者: 複数・多様(決裁者・実務者・影響者)
├── 利害関係: 部分的対立(予算・競合との比較)
└── 影響範囲: 部門レベル(購買決定・業務変更)
🤖 Step3: 技法選択マトリックスの構築
3-1. 3層統合アーキテクチャ
プロンプト技法を3層に分類しました:
革新層 (Innovation Layer): Tree of Thoughts, Graph of Thoughts, Latent Space Exploration
処理層 (Processing Layer): Chain-of-Thought, Self-Consistency, Multi-Step
基盤層 (Base Layer): Few-Shot, Zero-Shot, Template-Based, Role-Based
3-2. 実践:技法組み合わせの決定
営業提案書作成の場合:
#### レベル2(構造化コミュニケーション)
**技法組み合わせ**: Role-Based + Multi-Step + Perspective Shifting [基盤層+処理層+革新層]
**適用理由**:
- Role-Based: 営業専門家としてのペルソナ設定
- Multi-Step: 段階的な提案書構築(課題分析→解決策→価値提示)
- Perspective Shifting: 顧客視点での差別化価値創出
実際に試してみましょう:
- あなたの業務を上記5カテゴリのどれかに分類
- 複雑度レベル(1-3)を評価
- 対応する技法組み合わせを選択
🎛️ Step4: Mode管理システムの実装
4-1. Mode状態管理の設計
各Modeで以下の情報を管理します:
📊 **現在のMode**: Mode{N}: {モード名}
🎯 **現在のステップ**: {具体的な実行内容}
✅ **合意が必要な項目**: {合意確認すべき事項}
⏭️ **次のステップ**: {合意後の次の進行}
4-2. 合意確認システムの実装
実践:合意確認テンプレートの作成
### 合意確認事項
1. {確認項目1}: {具体的な内容}
2. {確認項目2}: {具体的な内容}
### 選択肢
1. この内容で合意
2. {調整オプション1}
3. {調整オプション2}
4. 前のステップに戻る
いかがでしょうか?合意いただける場合は「はい」か選択肢番号を、修正が必要でしたら具体的な修正点をお教えください。
🛠️ Step5: Claude Projectでの実装
5-1. SystemPromptの作成
実際に設定してみましょう:
- Claude.aiにログイン
- 新しいProjectを作成
- Instructions欄に以下を設定:
# PromptWizard - 対話型PromptChain設計者(Mode管理版)
あなたはPromptWizardです。ユーザーとの対話を通じて段階的に合意を形成しながら、最適なPromptChainを設計・実行してAI設定を提供します。
## Mode管理システム
現在のMode状態を常に明示し、各Modeで必要な合意を確認してから次に進行します。
### Mode構成
Mode1: 課題分析モード
├── 表面課題の把握
├── 本質課題の洗い出し
└── 課題カテゴリ・複雑度の特定
Mode2: Chain設計モード
├── Chain数・実行順序の決定
├── Expert Agent召集の決定
└── 全体実行計画の合意
Mode3: Chain実行モード
├── 各Chain段階的実行
├── Chain完了時の確認・調整
└── 次Chain移行の合意
Mode4: 統合成果モード
├── SystemPrompt生成・確認
├── RAG情報構築・確認
└── UserPrompt5パターン生成・最終合意
## 合意確認原則
- 各Mode移行時に必ず合意確認
- Mode内でも重要な判断は合意確認
- ユーザーが「戻る」「修正」を要求した場合は該当Modeに戻る
- 合意なき進行は絶対に行わない
[続きはSystemPrompt全文を設定...]
5-2. RAG情報の設定
Knowledge欄に以下6つのファイルを個別に設定:
- BUSINESS_PATTERNS.md - 業務課題の分類体系
- PROMPTCHAIN_PATTERNS.md - Chain設計パターン
- EXPERT_AGENTS.md - 専門家チーム構成
- TECHNIQUE_MATRIX.md - 技法選択マトリックス
- CONTEXT_MANAGEMENT.md - Mode管理・情報継承
- OUTPUT_TEMPLATES.md - 最終成果物テンプレート
実践:最初のRAGファイルを作成
BUSINESS_PATTERNS.mdを作成して、あなたの業務領域のパターンを定義してください:
# RAG情報1: BUSINESS_PATTERNS
## 🔍 検索キーワード
- **主要**: [あなたの業務のメインキーワード]
- **関連**: [関連する概念・手法]
## 📊 5つの課題カテゴリ
### 1. [あなたの業務に最も関連するカテゴリ]
**キーワード**: [具体的なキーワード群]
**定義**: [明確な定義]
**特徴**: [特徴の説明]
[以下、構造を展開...]
🧪 Step6: 動作テストと改善
6-1. 基本動作テスト
実際に試してみましょう:
-
作成したPromptWizardに以下のように相談:
営業提案書の作成を効率化したいです -
期待される応答:
📊 **現在のMode**: Mode1: 課題分析モード 🎯 **現在のステップ**: あなたの業務課題をお聞かせください ✅ **合意が必要な項目**: 解決したい業務課題の確認 ⏭️ **次のステップ**: 課題の深掘り・本質化 営業提案書作成の効率化ですね。まず詳しい状況を教えてください...
6-2. 改善ポイント
実際に使ってみて以下をチェック:
- Mode管理が正しく動作しているか
- 合意確認が適切に行われるか
- RAG情報から適切な情報を参照しているか
- 最終成果物の品質は十分か
💡 応用例とカスタマイズ
7-1. 業務別カスタマイズ
マーケティング業務向け:
### 2. 創造・発想系
├── マーケティング・ブランド戦略
│ ├── キャンペーン企画
│ ├── コンテンツ戦略
│ ├── SNS戦略
│ └── ブランディング戦略
データ分析業務向け:
### 1. 分析・理解系
├── 高度データ分析
│ ├── 予測分析
│ ├── 顧客行動分析
│ ├── A/Bテスト分析
│ └── BI・ダッシュボード設計
7-2. 組織導入のコツ
- スモールスタート: 1つの業務から開始
- 成功事例の蓄積: 効果的だった設定を記録
- チーム共有: 作成したAI設定をチーム内で共有
- 継続改善: 定期的にRAG情報をアップデート
🎯 まとめ
この記事では、対話型AI業務効率化システム「PromptWizard」の構築プロセスを詳しく解説しました。
重要なポイント
- 構造化設計: RAG情報の親子孫構造による検索性向上
- Mode管理: 段階的な合意形成による品質保証
- 技法統合: 3層アーキテクチャによる相乗効果
- 実用性重視: 継続使用を前提とした設計
次のステップ
- あなたの業務でPromptWizardを実装
- 実際の課題で動作テスト
- 成果を測定・改善
- チームや組織への展開
僕は、AI業務効率化の実践者として、企業でのAI導入支援やAIアプリ開発や生成に合わせた業務フロー構築といったところを行っています。実用的で継続可能なAIシステム構築をモットーに活動しています。
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#AI #プロンプトエンジニアリング #業務効率化 #Claude #RAG
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