【PipeWireですっきり解決】ラズパイ5でRDP接続時に音声を出力する方法(2025年 Bookworm版)
🚀 はじめに
ラズパイにxrdpを入れてRDP接続できるようにしても、接続元のPCからは音は出ません。
YouTubeで動画を再生しても音声はなし。
Windowsユーザーの感覚からいうと、RDPで音声が再生されるのは普通のこと。
でもラズパイでは音が出ない。圧倒的な静けさ。
「期待していたのに音が全く出なくて拍子抜け……」なんて人も多いはずです。寂しいですよね?
というわけで、今回は Raspberry Pi 5 + Bookworm環境 でRDP接続時にも音が出るようにする方法をまとめます。
📝 方針
PipeWire と pipewire-module-xrdp を使います。
PipeWire はPulseAudioに代わる次世代のマルチメディアサーバーで、pipewire-module-xrdpはPipeWireをxrdp経由で使えるようにする拡張モジュールです。pipewire-module-xrdp は現状、Bookworm用に公式パッケージが提供されていないため、ソースからビルドします。
🛠️ 手順
- PipeWire本体と開発用モジュールのインストール
sudo apt update
sudo apt install pipewire pipewire-audio pipewire-bin libpipewire-0.3-dev libspa-0.2-dev
- pipewire-module-xrdpをビルドするためのモジュールをインストール
sudo apt install autoconf automake libtool pkg-config
- pipewire-module-xrdpをビルド
# PipeWire用のフォルダを作成
mkdir ~/pipewire
cd ~/pipewire
# GitHubからソースを取得
git clone https://github.com/neutrinolabs/pipewire-module-xrdp.git
# ビルドしてインストール
cd ./pipewire-module-xrdp
./bootstrap
./configure
make
sudo make install
- DRMDevice設定変更
ここまでの設定で音は出るようになるのですが、
動画再生時にCPU使用率が上昇し音飛びが発生してしまいます。
この問題は、描画時にラズパイのGPUを利用しようとすることに起因しています。そのため、これを防ぐためにxrdpの設定を変更します。
まず、設定ファイルを開きます。
sudo nano /etc/X11/xrdp/xorg.conf
ファイルを開いたら次のように修正します。
Option "DRMDevice" "/dev/dri/renderD128"
の行をコメントアウトし、
その下にOption "DRMDevice" ""
を追加してください。
Section "Device"
Identifier "Video Card (xrdpdev)"
Driver "xrdpdev"
# Option "DRMDevice" "/dev/dri/renderD128"
Option "DRMDevice" ""
Option "DRI3" "1"
EndSection
- 再起動して確認
ここまで出来たらラズパイを再起動してください。
その後RDPで再接続し、YouTubeなどの動画を再生して、音声がきちんと出れば成功です。
💻 動作確認環境
- Model: Raspberry Pi 5 Model B Rev 1.1 8GB
- OS: Raspberry Pi OS 64bit Bookworm
- クライアント: Windows 11
🔗 参考にしたサイト
以下のサイトが大変参考になりました。
ありがとうございました。
🌟 まとめ
Raspberry Pi 5 + Bookwormでも、PipeWire と pipewire-module-xrdp を使えばRDP接続で音が出せるようになります。
音が出せると、味気ないデスクトップが一気に華やかになります。
それでは、音のある世界で素敵なRDPライフを!
バイバイ!😊
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