Tableauのキーボードショートカットちょっといい話
Tableauのキーボードショートカットちょっといい話:マウスとキーボードの最強コンビネーション

Tableauと言えば、直感的な「ドラッグ&ドロップ」だけで高度なデータ分析ができる!というのが最大の特徴の1つであり、マウス操作なしにTableauを語ることはできません。しかし、生粋のキーボードショートカッターである筆者らいけんから、Tableauユーザーの皆様へキーボードをもっと使った方が速いぜ!というご提案です。
筆者は元々UnixやEmacsで育った生粋のインターネット老人?です。今で言うTerminalアプリやPowerShellのような古き良きテキストベースの世界で育った民にとっては、今でも「Keyboard is King」です。今回は、そんなキーボード至上主義者の宗教的な視点?も採り入れ、Tableauの一般的なマウス操作にキーボードショートカットを組み合わせてちょっと楽をするためのテクニックをご紹介します。
なぜキーボードショートカットを併用するのか?
「ドラッグ&ドロップは事故のもと」
これは全くもって個人的な意見なので異論は認めますが、ドラッグ&ドロップは事故のもとです。狙ったピクセルから微妙にズレてドロップしてしまったり、手元が狂うと予期せぬ事故が多発します。何度もメニューを開くためにカーソルを行き来させる手間も嬉しくない点です。
マウスは「探索」には最強のツールですが、操作の反復や精密な操作においてはキーボードの方が勝る場面も多々あります。そこで、キーボードと組み合わせたハイブリッドな操作を提案したいと思います。主なメリットは2つあります。
- スピードと精度の向上: ドラッグの距離を気にせず、コマンド一発で確実に実行できる操作が増えます。
- 疲労の分散: 右手でマウスを握り続ける負担を減らし、左手(キーボード)にも仕事をさせることで、長時間の作業による疲労を分散し、腱鞘炎の予防にもなります。
Macユーザー必見: 独自ショートカットの定義で「かんたん魔改造」
特にMacでTableau Desktop Public Editionを使用している方に強くおすすめしたいのが、macOS標準機能を使ったショートカットのカスタマイズです。
システム環境設定 > キーボード > ショートカット > アプリケーション

ここでTableau Publicアプリを指定し、メニュー項目の正確な名前(...で終わるメニューなら必ず...まで)を入力することで、任意のショートカットを割り当てることができます。私のおすすめ設定は以下の2つです。
1. 「保存」を Cmd + S に強制上書きする
Tableau Public Desktop Editionではデフォルトの Cmd + S が「Tableau Publicへ保存(Webへのアップロード)」に割り当ててあり、頻繁に保存したい時には毎回ダイアログが出てきて非常にストレスフルです。
この問題は、メニュー項目の「保存」(または単なるローカル保存に相当するコマンド名)に対して Cmd + S を割り当てることで解決します。これで、他のMacアプリと同様にこまめな保存が簡単にできるようになります!
2. 計算フィールドの作成を Cmd + Shift + C に
データペインで計算フィールド(Calculated Field)を頻繁に作成する方も多いと思います。毎回マウスで右クリックや▼メニューを探すのは私にとっては苦痛でした。「計算フィールドの作成...」というメニュー項目に対して Cmd + Shift + C を割り当ててみてください。思考を途切れさせずにロジックを書き始めることができます。
3. 書式設定を Cmd + Shift + F に
対象のオブジェクトを右クリックして、出てきたメニューから書式設定を探して…というのがまた私には面倒でした。このショートカットを使えば、マウスカーソルが今どこにあろうが、どのオブジェクトを選択していようが、とにかく一瞬で書式設定メニューを表示することができます。
Windowsユーザーはどうする?
Windowsで同様の設定を行うには、PowerToysやAutoHotkeyなどの追加ツールが必要なようです。
覚えておくべき公式ショートカット厳選リスト
もちろん、Tableauには標準で強力なキーボードショートカットが用意されています。
全てを覚える必要はありません。ここでは「マウスと併用すると特に便利なもの」を厳選してピックアップしました。
ビュー作成の基本操作(Windows / Mac)
右手でマウスを持ちながら、左手でサッと実行できる操作です。
| アクション | Windows | Mac | 解説 |
|---|---|---|---|
| 行と列の入れ替え | Ctrl + W |
Control + Cmd + W |
縦横を瞬時に入れ替えます。試行錯誤の必須技。筆者はめっちゃ多用します。 |
| 「表示形式」パネル | Ctrl + 1 |
Cmd + 1 |
Show Meを素早く呼び出し/非表示にします。 |
| 検索 (データペインへ移動) | Ctrl + F |
Cmd + F |
データペインの検索窓にフォーカスします。その後、矢印キーでフィールドを選択できるので非常に高速です。 |
| クリア(シートの消去) | Alt + Shift + Backspace |
Option + Shift + Delete |
最初からやり直したい時に便利です。 |
フィールドの配置(マウス不要のドラッグ&ドロップ)
マウスでフィールドを選択した状態で、以下のキーを押すと各シェルフへ配置が可能です。「ドラッグ&ドロップ」をショートカットで行うイメージです。
| 配置先 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 列 (Columns) | Alt + Shift + C |
Option + Shift + C |
| 行 (Rows) | Alt + Shift + R |
Option + Shift + R |
| フィルター | Alt + Shift + F |
Option + Shift + F |
| 色 (Color) | Alt + Shift + O |
Option + Shift + O |
| サイズ (Size) | Alt + Shift + I |
Option + Shift + I |
| ラベル/テキスト | Alt + Shift + T |
Option + Shift + T |
| 詳細 (Detail) | Alt + Shift + L |
Option + Shift + L |
※ 覚え方:英語の頭文字に対応していることが多いです(Columns, Rows, Filter, cOlorなど)。
ダッシュボード調整の微調整
マウスでは難しい「1ピクセル単位」の調整こそ、キーボードの独壇場です。おおまかな配置はマウスで、微調整はキーボードで行うのがおすすめです。
-
浮動オブジェクトの移動:
矢印キー(1px) /Shift + 矢印(10px) -
浮動オブジェクトのリサイズ:
- Win:
Alt + 矢印(1px) /Shift + Alt + 矢印(10px) - Mac:
Option + 矢印(1px) /Shift + Option + 矢印(10px)
- Win:
-
おまけ:Dashboard/Layoutタブの切り替え:
T
最後に
「ツールに使われるのではなく、ツールを使いこなす」
キーボードショートカットの習得は、Tableauに限らずあらゆるツールを自分の手足のように、操作を意識すること無く使いこなせるようになるための強力な武器となります。物理的な操作への習熟は、その先にあるフロー状態への近道となるでしょう。
まずは今日、この中から1つだけ新しいショートカットを使い始めてみてください。1週間後には、無意識に指が動いているはずです!
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