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10. トラブルシューティング_基礎

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研修資料:トラブルシューティング超入門

  1. トラブルシューティングって何?

    • トラブルシューティングとは、ネットワークで「あれ?いつもと違うぞ?」という問題が起きた時に、原因を探して解決する方法のことです。
    • 例えば、「いつもならWebサイトが見れるのに、今日は見れない!」という時に、何が原因か調べるのがトラブルシューティングです。
    • トラブルシューティングでは、「いつも通り!」という状態(あるべき姿正常な状態)と「今、何が起きている?」という状態(現状問題が起きている状態)を比べて、どこが違うのかを調べます。
  2. トラブルシューティングで困った!

    • 時間がかかりすぎる: やみくもに色々試していると、いつまでたっても解決しません。
    • 原因がわからない: 何を調べればいいのか分からなくて、お手上げ状態になることがあります。
    • また起きちゃった!: 一度解決しても、同じ問題が何度も起きてしまうこともあります。
  3. トラブルシューティング、こうすればうまくいく!

    • トラブルシューティングには、問題を解決するための基本的な流れがあります。この流れを覚えておけば、焦らず落ち着いて対応できます。

      1. 問題発生: 「Webサイトが見れない!」という連絡が入るなど、問題が起きたことを知ります。
      2. 問題?それとも仕様?: 「Webサイトが見れない」のは本当に問題なのか、それとも「今日はメンテナンスで最初から見れない予定だった」など、そういう仕様なのかを確認します。
      3. 情報収集: 問題について、できるだけ詳しく情報を集めます。「いつから見れないのか」「エラーメッセージは出るのか」など、色々な情報を集めることで、原因が見えてくることがあります。
      4. 原因を予想: 集めた情報をもとに、「たぶん、これが原因かな?」と予想を立てます。
      5. 解決方法を考える: 予想した原因を解決するための方法を考えます。「設定を変えてみよう」「ケーブルを繋ぎ直してみよう」など、具体的な解決策を決めます。
      6. 解決してみる: 決めた解決方法を実際に行います。
      7. 解決できたかな?: 解決方法を試した後、問題が解決したかどうかを確認します。
      8. 報告書を書く: 今回の問題について、何が原因で、どうやって解決したのかを記録します。これは、次に同じような問題が起きた時に役立ちます。
  4. 問題?それとも仕様?をどうやって見分ける?

    • 「いつもと違う!」を知るためには、「いつも通り!」がどういう状態かを知っておく必要があります。これをベースラインと言います。

    • 例えば、「いつもは10秒で見れるWebサイトが、今日は30秒かかる」という場合、「10秒で見れる」というのがベースラインになります。

    • 問題が起きたことを知る方法はいくつかあります。

      • 監視ツール: ネットワークの状態を常に監視していて、「いつもと違う!」を自動的に教えてくれるツールがあります。
      • ユーザーからの連絡: 「Webサイトが見れない!」など、困っているユーザーから連絡が入ることがあります。
      • 定期メンテナンス: 定期的にネットワークの状態をチェックすることで、問題を発見できることがあります。
    • ユーザーから連絡があった場合は、どんな問題が起きているのか、できるだけ詳しく聞くことが大切です。

      • 「いつからですか?」「エラーメッセージは出ていますか?」など、具体的な情報を聞くことで、原因を絞り込むことができます。
  5. 情報収集、どうすればいい?

    • 問題の原因を探るために、色々な道具や方法を使って情報を集めます。

      • ツール: ネットワークの状態を調べることができるツールがあります。
      • コマンド: ネットワーク機器に「状態を教えて!」と命令(コマンド)を送ることで、情報を得ることができます。
    • 集めた情報は、報告書を書く時にも使うので、ちゃんと記録しておきましょう。

    • 情報収集の方法はたくさんありますが、代表的なものをいくつか紹介します。

      • トップダウン方式: まずはWebサイトなどのアプリケーションが動いているかを確認し、もし動いていなければ、その原因を下にたどっていく方法です。
      • ボトムアップ方式: ケーブルがちゃんと繋がっているかなど、物理的な部分から確認していく方法です。
      • 二分探索(分割統治)方式: まずはPingという簡単な疎通確認を行い、もし疎通できなければ、ケーブルやネットワーク機器の設定など、下のレイヤーに問題があると予想して調べる方法です。
      • トラフィックパス追跡方式: データが通る道筋を順番に確認しながら問題がないか調べていく方法です。
      • 設定比較方式: 正常に動いている機器の設定と、問題が起きている機器の設定を比べて、違いがないか確認する方法です。
      • コンポーネント交換方式: ケーブルや機器の一部を他のものに交換して、問題が解決するかどうかを確認する方法です。
  6. 原因を予想して、解決方法を考える

    • 集めた情報をもとに、「これが原因かな?」と予想を立てます。

    • 原因が分かったら、それを解決するための方法を考えます。「設定を変えてみよう」「ケーブルを交換してみよう」など、具体的な解決策を決めます。

    • 解決策を決めるときは、他の部分に影響がないか確認することも大切です。

    • 解決策が決まったら、手順を記録しておきます。

      • どんな設定をするのか
      • どんな順番で作業するのか
      • 解決できたかどうかをどうやって確認するのか
      • もし解決できなかったら、どうやって元の状態に戻すのか
  7. 解決して、確認する

    • 記録しておいた手順に従って、解決策を実行します。
    • 作業前には、必ずバックアップを取りましょう。「もし失敗したら、元に戻せるように!」
    • 解決策を実行したら、問題が解決したかどうかを確認します。
    • もし解決しなかったら、もう一度情報を集めたり、別の解決策を考える必要があります。
    • 解決できた場合でも、また同じ問題が起きるかもしれないので、しばらく様子を見るようにしましょう。
  8. 報告書を書く

    • 今回のトラブルについて、以下の内容を記録します。

      • いつ
      • 誰が
      • どんな情報を元に
      • どんな原因を予想して
      • どの機器に
      • どんな変更を加えたら
      • どうなったのか
    • これは、次に同じような問題が起きた時に、とても役立ちます。

  9. これで終わりじゃない!

    • トラブルシューティングが終わったら、なぜ同じ問題が起きたのかを考え、二度と起きないように対策を考えます。
    • また、今回のトラブルシューティングで何か設定を変更した場合、その変更をきちんと記録・管理することも大切です。

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