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形式にとらわれすぎて“意図”が消えていたと感じた話
「設計書はこのフォーマットに従って作ってね」
現場で、よく聞く言葉です。統一された形式は、レビューや引き継ぎをスムーズにし、品質を保つ仕組みとしては確かに正しい。
ただ、その「形式」が目的になってしまう瞬間が、少なくありません。
本来伝えたかった意図や判断の理由が、テンプレートのどこにも収まりきらず、
結果、“読んでも状況がわからない”ドキュメントができあがる。
そんな場面を何度も見てきました。
なぜそうなってしまうのか
設計書・仕様書・手順書。どれも本来の目的は「誰かに考えを伝えること」です。
しかし、チェックリストを埋めるように項目を埋めていくと、
伝えたい“なぜ”が抜け落ちてしまうことが多い。
- なぜこの設計にしたのか
- どのように考えてこの選択をしたのか
- どの部分に迷いがあったのか
こうした考えた背景が書かれているだけで、
そのドキュメントは一気に「生きた情報」になります。
“正しく書く”より“考えを残す”
形式的に完璧なドキュメントよりも、
多少ラフでも意図が見えるほうがチームにとって有益です。
「なぜそうしたのか」を意識して作ったほうが、
レビューや保守の負担はぐっと下がります。
特に、“とりあえずこのフォーマットで”と慣習的に進めてしまう現場では、
この一行が後々の判断を支えることが多いと感じます。
書き手が考えること、読み手が想像できること
形式は“最低限の器”でしかありません。
そこに何を込めるかは、書き手次第です。
ドキュメントは「正解を報告するための紙」ではなく、
「考えを共有するためのツール」だと思っています。
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