💪

Stablecoin(JPYC)Innovation Challenge 2025 ファイナルピッチ参加レポート

に公開

こんにちは!ブロックチェーン×AI Agentで自律経済圏を創るKomlock labでエンジニアをしている小原です。

2026年1月23日都内で開催されたStablecoin(JPYC)Innovation Challenge 2025 のファイナルピッチ(Demo Day)に、主催側として現地参加してきました。

本記事では、1参加者視点で感じたイベントの雰囲気や印象に残ったポイントを 公開可能な範囲で 振り返ります。

Stablecoin(JPYC)Innovation Challenge 2025 とは

「通貨」をアップデートし、世界を再設計せよ! を掲げて開催された、ステーブルコイン(JPYC)をテーマにしたアイディアソンです。

EC / 不動産 / エンタメ / 物流 / 経理 など、Web2のリアルな業界課題を題材に ステーブルコインでどう解決するか を競う形式になっていました。
下記のようにJPYC×参加型のイベントとしては国内最大規模のイベントとなりました。

  • 賞金総額:100万円
  • エントリー:123 名
  • 最終提出:72 チーム

https://x.com/nuno_yamaneko/status/2014264095873352081?s=20

当日の雰囲気

冒頭にはJPYC代表の岡部さんによる挨拶がありました。

72チームが応募し、そこから選ばれた16チームが揃ったこと、「ここからイノベーションを起こそう」という熱いお話で幕を開けました。

会場に入って驚いたのは、その熱量の高さです。
「アイディアソン」と聞いていたのですが、実際にはスライドだけでなく、**プロトタイプやデモまで用意しているチームが多く、体感としてはほぼハッカソンでした。

なぜこれほど会場が盛り上がっていたのか。その最大の要因は、どのプレゼンも机上の空論ではなく、登壇者自身が直面している切実な「ペイン」に基づいた、魂の乗ったピッチだったからだと思います。

また、題材は一次産業・物流・福祉・保険など「現実の課題」に寄ったものが多かったのが印象的です。

ステーブルコインを単なる決済手段として捉えるのではなく、条件付きの支払い・給付・報酬分配を自動化する仕組みとして活用する。 そうした提案の数々は、まさに本イベントが掲げるテーマ「『通貨』をアップデートし、世界を再設計せよ!」を体現する使い方ばかりでした。

登壇プロジェクト一覧(全16件)

ここからは、当日発表されたアイディアを一覧でざっと紹介します。

No アイディア名 業界 概要
1 JPYC Info 社内業務 貢献データと報酬を自動で紐づけ、評価の根拠を明確に残す
2 LiNK(Re:Turn Pay) EC・小売 古着回収への報酬支払いを自動化し、資源循環を促進する
3 Proof of Trust 一次産業 条件付き前払いで、一次産業のキャッシュフローを改善
4 Creator Founding エンタメ 国内外からの投げ銭で、クリエイターの活動資金を支える
5 子どもが主役の地域経済 地方創生・行政 使える場所や用途を制限できる、子ども向けデジタルマネー
6 Digital Omamori 保険 トラブル検知と同時に補償金が届く、AI自動の即時保険
7 Inside Access 採用・転職 企業の現場社員にQ&Aで報酬を払い、転職情報を透明化
8 NextGen Chore ロボティクス・AI産業、教育 子どものお手伝いをロボット学習データ化し、自動で対価を払う
9 Synaps Flow 物流 トラックの荷待ち時間を自動証明し、適正な運賃を即時払い
10 Private Planner 金融 JPYC担保で運用を自動化、富裕層向け投資を民主化
11 AI Native決済 EC・小売 / AI AIチャット会話を中断させず、決済処理を裏側で自動完結
12 sJPYC 金融 保有するだけで、年利3%の利回りが自動的に付与される
13 Metaverse × JPYC 社会福祉 履歴を残さず、DV被害者へ生活支援金を安全に自動給付
14 Share Run エンタメ・ゲーム サーバー代の建て替えをなくし、利用分だけ自動で割り勘
15 GenbaFleet Pay 物流・サプライチェーン 建設配送の安全運転をAI判定、終了と同時にボーナス送金
16 OLIVER EC・小売 / AI 日用品の減りを学習し、なくなる前にAIが勝手に自動注文

個人的に面白かったアイディア

No.3 Proof of Trust: ブロックチェーンだからこそ救える「生産者の資金繰り」

自分では絶対に出せない視点だと驚かされたのがNo.3 Proof of Trustです。

農家や酒造、伝統工芸といった生産現場では、モノが完成するまでの長い期間、売上がゼロという過酷なキャッシュフローの問題があるそうです。

一方で、購入者側も「本当にお金に見合うものが届くのか」という不安がある。

これを解決するために、JPYCをエスクロー(第三者預託)し、工程ごとにブロックチェーンで進捗を証明することで、段階的に資金を解放する という仕組みが提案されていました。

これはまさに、ブロックチェーンとステーブルコインだからこそ実現できる、技術的な必然性が高いアイディアだと感じました。

ウイスキーNFTなどのモデルに近いかもしれませんが、一次産業の「苦しさ」をスマートコントラクトで救おうとする姿勢に、強い社会的意義を感じました。

No.7 Inside Access: 匿名性と即時報酬が作る「新しい転職の形」

今回、個人的に最も「サービスとして使う未来」が具体的にイメージできたのが、No.7のInside Accessです。

今の転職市場は、企業側が用意した表向きの情報ばかり。

本当の「裏側の実態」を知るには、OB訪問や面倒な転職サイトへの登録が必要で、たどり着くのが非常に大変です。

正直、これ自体はJPYC(ステーブルコイン)でなくても成立する仕組みかもしれません。

しかし、ウォレット接続+匿名+評価に応じた即時報酬 という形で、既存の「不」を解消しようとするアプローチは非常に強力だと感じました。

1ユーザーとして「このサービスが日常にあったら便利だろうな」と自然に想像できたことが、このアイディアの魅力だったと思います。

No.14 Share Run: スマートコントラクトの本質を突いた「フェアな割り勘」

アイディアのキレが一番鋭いと感じたのがこちらです。

オンラインゲーム等のサーバー代を、誰か一人が建て替えることで発生する未払いトラブルを、「各自がデポジットし、必要額が揃ったタイミングでサーバーが起動する」という仕組みで解決します。

市場規模といった評価軸ではニッチかもしれませんが、「なぜブロックチェーンやステーブルコインを」使うのかという問いから考えられててとても良かったです。
どこにも受賞はしていなかったのが非常に残念ですが、個人的にはめちゃくちゃ好きなアイディアです。

ネットワーキング

ピッチ終了後のネットワーキング(交流会)は、ピザを片手に、登壇者、審査員、参加者が入り乱れての熱い技術議論の場となりました。 最前線でアイディアを形にしている皆さんと、実装や裏側のロジックについてディスカッションを行いました。

とにかく触りまくることの大切さ

2つのアイディア(No.1 JPYC Info / No.12 sJPYC)で登壇されていた、はやっちさんに、「次々とアイディアを生み出す源泉はどこにあるのか?」と質問を投げかけてみました。

返ってきた答えは、シンプルに「とにかく色んなプロダクトを触りまくること」。これは我々Komlock labの文化とも通じる思想でした。その泥臭いプロセスこそが、この解像度の高さを生んでいるのだと、強く実感しました。

未知の領域をプロダクトにする力

また、No.10 Private Plannerの田伏さんともお話ししました。

本人はエンジニアではなくDevRelとおっしゃっていましたが、DeFiといった、複雑な金融領域をしっかりとプロダクトとして成立させている点に驚きました。

また、No.16 OLIVERの増田さんともお話ししましたが、日用品をAIが勝手に注文する世界。実装のハードルは高そうですが、買い出しのストレスが消える未来は間違いなく需要があると感じます。いずれ来るけれど、今はまだ難しい未来をどう手繰り寄せるか。そこに真摯に取り組まれている様子が伺えました。

受賞結果一覧

どのプロジェクトも甲乙つけがたい内容でしたが、今回はGrand Prixに加えて、スポンサー企業によるSponsor Awardsも複数用意されていました。

賞のカテゴリ

賞カテゴリ 順位 チーム名
Grand Prix 1位 #3 Proof of Trust
Grand Prix 2位 #7 Inside Access
Grand Prix 3位 #13 介護と支援の相談どころ そよぎ - オンライン
Grand Prix 4位 #9 Synaps Flow
Grand Prix 5位 #8 NextGen Chore
Best Corporate Team Award - #5 子どもが主役の地域経済
Web3-Powered AI賞(ソフトバンク) 1位 #6 Digital Omamori
Avalanche賞(Avalanche) 1位 #9 Synaps Flow
Avalanche賞(Avalanche) 2位 #2 LiNK(Re:Turn Pay) - オンライン
Avalanche賞(Avalanche) 3位 Multi-Chain Disaster Resilience Network
ベスト・オンチェーン金融賞(Secured Finance) 1位 #10 Private Planner
ベスト・オンチェーン金融賞(Secured Finance) 2位 #12 sJPYC
ベスト・オンチェーン金融賞(Secured Finance) 3位 #5 子どもが主役の地域経済
車データ×AI×ステーブルコイン賞(DIMO) 1位 #15 GenbaFleet Pay
車データ×AI×ステーブルコイン賞(DIMO) 2位 #9 Synaps Flow
車データ×AI×ステーブルコイン賞(DIMO) 3位 Parking Review
Ethereum賞(Ethereum Foundation) 1位 #3 Proof of Trust
Ethereum賞(Ethereum Foundation) 2位 #5 子どもが主役の地域経済
Ethereum賞(Ethereum Foundation) 3位 #13 介護と支援の相談どころ そよぎ - オンライン
CAC賞(CAC) 1位 #7 Inside Access
CAC賞(CAC) 2位 #4 Creator Founding
CAC賞(CAC) 3位 #1 JPYC Info
CAC賞(CAC) 4位 Harakiri.fun —「KOUKA」統合Ver.
CAC賞(CAC) 5位 Multi-Chain Disaster Resilience Network

※詳細な受賞結果は、こちらの公式発表(Xのポストなど)をご覧ください!
https://x.com/techfund_inc/status/2015015708846063918?s=20

Komlock lab CEOの布目が裏でこんなことを言ってました

Komlock labが、「なぜ今回このようなイベントを開催したのか。」イベント終了後、CEOの布目に聞いてみました。

「日本におけるブロックチェーン領域拡大の突破口は間違いなく『JPYCのエコシステム』です。それを当事者として全力で盛り上げたい一心で開催しました。この動きが市場を広げ、ひいてはブロックチェーン領域で事業を行う自分たちの成長にも、必ず直結すると信じているからです」

「とはいえ、我々はイベント会社ではないので、今回のイベントが無事成功を収めた今、本業に集中します。2026年は、Komlock labが掲げる「ブロックチェーン × AI Agentが実現する、自律的な新しい経済圏の創出」に全力で取り組みます。」とのことでした。

まとめ

今回のInnovation Challengeを通じて、ステーブルコインは単なる「決済の効率化」ではなく、商流や信頼そのものを設計し直すインフラであると再確認しました。
100件を超えるエントリーと、会場を包んだ熱狂。 これは、日本のブロックチェーン領域において「実業」が生まれようとしている近い未来が想像できました。

主催企業の1員として、この場に立ち会えたことを誇りに思うと同時に、我々Komlock labは、ブロックチェーン実装のプロフェッショナルとして、このエコシステムの発展を最前線で支え続けていきます。

一方1エンジニアの自分の立場としては、今回感じた熱量をそのまま自分の開発のエネルギーに昇華していきたいと燃え上っています。

最後に

Komlock labでは、AI Agentとブロックチェーンが織りなす「自律経済圏」の構築に共に挑む仲間を募集しています。興味がある方は、ぜひお気軽にXやDiscord等で繋がりましょう!

https://x.com/brto_0224

Discordコミュニティ

https://discord.com/invite/5cEkN284sn

Komlock lab

Discussion