【チートシート】Cursor エージェント:Cloud / Local / Worktree / Multitask の使い分け
Cursor でエージェントを使い始めると、だいたい次の二択から入る人が多いと思います。
- Cloud Agents … クラウド環境のエージェントに全て任せて PR まで出してもらう
- Local Agents … 手元のマシンでエージェントを動かす
ここまではシンプルです。ところが Worktree や Multitask が加わると、
「いつどれを使えばいいの?選択肢多くない?」
と迷いがちです(僕は迷いました)。使うべきユースケースが似ていることもあるが、どれもできることが微妙に違うのが混乱の原因です。
この記事は、そんな方に向けてブックマークして困ったときに戻って読み返せることを前提に書きました。最初にフローチャートを置いているので、全文を読み直さなくても大丈夫です。
結論
この4つは「何を隔離するか」が異なります。
| 機能 | 隔離するもの | 備考 |
|---|---|---|
| Cloud Agents | 実行環境全体 | 手元の PC に触れない |
| Local Agents | (隔離しない) | 今の checkout をそのまま使う |
| Worktree | Git の作業ディレクトリ | 同じリポジトリの「別フォルダ」 |
| Multitask | 会話・思考(サブエージェント) | 1 チャット内の並列 |
Cloud Agents
いつ使うか
- 実装〜PR まで リモートに任せたい
- 差分レビューが主作業でよい
- 手元でしかできない検証が不要
タスク例
- Issue に書かれた仕様どおりの 新機能実装(API + テストまで含む)
- スタックトレース付きバグ報告の 原因調査と修正
- 挙動を変えない リファクタ(関数分割、命名整理、重複除去)
- 型エラー・lint 違反の一括修正
- README / コメント / API ドキュメントの更新
- UIの 文言修正
使うべきではない状況
- ローカル専用の認証・ネットワークが必要
- 実機・エミュレータ・ローカル DB が要る
- UI を自分の目で見ながら微調整したい
Local Agents
いつ使うか
- ローカルでしか再現・確認できないタスク
- テスト実行、開発サーバー、デバッガなど手元のツールが要る
- そのタスク用に checkout しており、他に作業中の変更がない
タスク例
- 開発サーバーを起動して画面の見た目・操作感を確認しながら UI を直す
- 統合テストやブラウザ自動テストを手元で実行し、失敗しているケースを直す
- ローカル DB・Docker Compose・エミュレータがないと動かない機能の実装
- デバッガで ブレークポイントを張って再現したバグの修正
-
.envなど、手元の環境にしかない設定が要る作業 - Cloud Agents の PR を pull して一度だけ手元で確認する
Worktree
Git worktree は、1 リポジトリに 複数の作業ディレクトリを同時に持つ仕組みです。Cursor はエージェント用の checkout を切り、変更をそこに閉じ込めます。
いつ使うか
| 状況 | Worktree |
|---|---|
| 手元でエージェントを動かす | 必須ではない |
| + いまの作業を止めたくない | 推奨 |
| + 環境変更(install / ビルド)を任せたい | 推奨 |
| Cloud Agents だけで完結する | 不要 |
タスク例
-
feature/loginを実装している最中に、別ブランチの hotfix だけエージェントに任せたい(stash や checkout 切り替えを避けたい) - 大規模リファクタを試すが、うまくいかなければ作業ツリーごと捨てたい
- 依存の install やビルドをエージェントに任せるが、いまの作業環境(インストール済み依存など)は触られたくない
- 開発サーバーを別ブランチ用に起動したまま、別タスクの修正だけ別フォルダで進めたい
- Multitask で並列化するサブタスクが 同じファイルを編集しうる(checkout ごと分けたい)
- 実験的な プロトタイプ実装を、本線の未コミット変更と混ぜたくない
起動方法
| 場所 | 方法 |
|---|---|
| Agents Window | エージェント起動時に worktree を指定 |
| Editor Window |
/worktree でそのチャットを別 checkout に隔離 |
初回は依存のインストールなどが走ることがあります。繰り返し使うなら .cursor/worktrees.json でセットアップを定義できます(環境変数のコピーなど)。公式は依存の symlink を避け、worktree 内に独立インストールすることを推奨しています。
仕上げ
- そのまま worktree から commit / PR
- メインに取り込む(Editor Window):
/apply-worktree - 不要になったら(Editor Window):
/delete-worktree
Multitask
Cursor 3.2 以降、Agents Window で /multitask が使えます。キューに溜まった依頼や、大きな 1 件の依頼を 非同期サブエージェントに並列ディスパッチします。
いつ使うか
- 同じ PR / 同じ会話に結果をまとめたい
- タスクが 互いに独立(順序依存がない)
- 3 件以上、またはキューにすでに溜まっている
- 調査を fan-out したい(複数箇所を同時に探す)
タスク例
- PR レビュー指摘の 型エラー・テスト失敗・文言修正を、ディレクトリが分かれていれば同時に進める
- 「認証まわり」「通知まわり」「DB 層」の コードベース調査を、編集なしで並列に走らせる
- エージェントが長時間動いているあいだにキューへ入れた 3 件の依頼を、待ち順ではなく一括で並列化する
- 1 つの大きな依頼(「この Issue の残タスク全部」)を、Cursor 側に 自動分割させてサブエージェントに振り分ける
- ログ解析・エラー再現手順の調査・関連ファイルの洗い出しなど、読み取り中心の作業を同時に進める
- 触るファイルが被らない範囲で、複数コンポーネントへの同種の修正(例: ボタンのアクセシビリティ属性追加)を並列化する
使うべきではない状況
| 状況 | 代わり |
|---|---|
| タスクが 1〜2 件だけ | 通常の Local Agents / 順番にキュー |
| タスクB が タスクA の結果に依存 | 1 会話で順番、または Plan モード |
| 別 PR に完全分離したい | Cloud Agents を別セッション |
| 同じファイルを同時編集しうる | Worktree 分離 or 1 エージェント |
注意点
- サブエージェントは 会話履歴を共有しない → パス・制約・禁止事項はプロンプトに書く
- 親に返るのは 要約 が中心
- トークンは並列数におおよそ比例
使い方の例
/multitask
1. 認証モジュールの調査(編集しない)
2. エラーハンドリングの調査(編集しない)
3. 調査結果を一覧で報告
キューに溜まっているとき:
/multitask キューに溜まっている依頼を並列で進めて
チートシート
1 秒判断
| 状況 | 選ぶもの |
|---|---|
| 手元確認不要 | Cloud Agents |
| 手元確認必要・作業ツリー空き | Local Agents |
| 手元確認必要・WIP あり | Worktree |
| 同会話で独立タスク多数 | Multitask |
| 別 PR で完全分離 | Cloud Agents 複数セッション |
機能比較
| Cloud Agents | Local Agents | Worktree | Multitask | |
|---|---|---|---|---|
| 何を隔離? | 実行環境 | — | 作業ディレクトリ | 会話コンテキスト |
| 手元を汚さない | ◎ | △ | ◎ | △ |
| 手元で検証 | × | ◎ | ◎ | ◎ |
| 並列 | ◎(別セッション) | △ | ◎ | ◎ |
| 向く単位 | PR / タスク | 1 タスク | 保護したい Local Agents | 同会話の複数タスク |
どこで起動するか
| 機能 | UI | 起動 |
|---|---|---|
| Cloud Agents | Agents Window / Web | 新規 Cloud Agents セッション |
| Local Agents | Editor / Agents Window | 通常の Agent |
| Worktree | Agents Window / Editor | 起動時指定 / /worktree
|
| Multitask | Agents Window | /multitask |
よくある運用パターン
パターン 1:仕様が明確な修正(手元確認不要)
Cloud Agents に依頼 → 差分レビュー → マージ
パターン 2:手元確認が要るが、別作業中
Worktree でエージェント起動
→ 「〇〇を直して、関連テストを実行して結果を報告」
メインの作業ブランチはそのまま、エージェントだけ別 checkout。
パターン 3:レビュー指摘が複数種類(同じ PR)
/multitask
1. 型エラー修正
2. テスト修正
3. 文言・コメント修正
触るファイルが被るなら Multitask 単体ではなく、worktree 分離か 1 エージェントにまとめる。
パターン 4:無関係な機能を同時進行(PR も分ける)
Cloud Agents セッション A(feature-a)
Cloud Agents セッション B(feature-b)
履歴とレビューを分けたいときは セッション分離が Multitask より適していることが多いです。
アンチパターン
| やりがち | なぜダメか | 代わり |
|---|---|---|
| 全部 Worktree | セットアップコストが毎回かかる | 専用ブランチの Local Agents or Cloud Agents |
| 全部 Multitask | 2 件以下はオーバーヘッド | 通常の 1 エージェント |
| Multitask で順序依存タスク | サブエージェントは文脈を共有しない | 順番に実行 / Plan |
| Cloud Agents で手元専用の確認 | 再現できない | Local Agents / Worktree |
| Worktree なしで同ファイルを並列編集 | マージ地獄 | Worktree 分離 |
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