🤖 Day2 Microsoft Foundryについて
人工知能 (AI) とは
推論、問題解決、認識、言語理解など、通常は人間のインテリジェンスを必要とするタスクを実行するように設計されたシステムです。
主要な AI ワークロード
すべてのワークロードは機械学習の基礎に基づいて構築されています。
| ワークロード | 説明 |
|---|---|
| 生成型 AI | 新しいコンテンツ(テキスト、画像、コード等)を生成 |
| エージェントと自動化 | 自律的なタスク実行とワークフロー自動化 |
| 音声 | 音声認識・音声合成 |
| テキスト分析 | 自然言語処理による文章解析 |
| Computer Vision | 画像・映像の認識と分析 |
| 情報の抽出 | ドキュメントからのデータ抽出 |
AI と ML の関係
ML の種類
| 種類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 教師あり学習 | ラベル付きデータから学習 | 価格予測(回帰)、スパム検出(分類) |
| 教師なし学習 | ラベルなしデータからパターンを発見 | 顧客セグメント化(クラスタリング) |
| ディープラーニング(DL) | 複数レイヤーのニューラルネットワークを使用するMLの特殊分野 | 画像認識、音声合成 |
| 生成 AI | ディープラーニングを活用し、分類・予測ではなく新しいコンテンツを創造 | テキスト、画像、オーディオ、コード生成 |
AI アプリケーションとは
AI手法を使用して、通常は人間のようなインテリジェンスを必要とするタスクを実行するソフトウェアソリューションです。
AI アプリケーションの特徴
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| モデル駆動 | トレーニング済みのモデルを使用して入力を処理し、出力(テキスト、画像、意思決定など)を生成 |
| 動的 | 静的プログラムとは異なり、再トレーニングまたは微調整によって時間の経過とともに改善可能 |
業界別 AI アプリケーションの例
| 業界 | 活用例 |
|---|---|
| 医療 | X線・MRI等の医療画像分析による診断支援 |
| 金融 | リアルタイム不正検出システム |
| 小売 | パーソナライズされたレコメンデーションエンジン |
| 製造 | 予測メンテナンス(機器故障の事前予測) |
| 教育 | 学習スタイルに適応するインテリジェント家庭教師 |
AI アプリケーションのコンポーネント
Microsoftでは、AI アプリケーションの各レイヤーをサポートしています。
4つのレイヤー構成
各レイヤーの詳細
| レイヤー | 役割 | Azureサービス例 |
|---|---|---|
| データレイヤー | AI アプリケーションの基盤。トレーニング、推論、意思決定に使用されるデータの収集・ストレージ・管理 | Azure SQL、PostgreSQL、Cosmos DB、Azure Data Lake |
| モデルレイヤー | ML/AIモデルの選択、トレーニング、デプロイ。微調整・評価・バージョン管理も含む | Azure OpenAI(Foundry Models)、Azure Machine Learning |
| コンピューティングレイヤー | モデルのトレーニングと実行に必要なリソース提供 | Azure App Service、Azure Functions、ACI、AKS |
| 統合とオーケストレーションレイヤー | モデルとデータをビジネスロジックとUIに接続 | Foundry Agent Service、SDK/API |
コンピューティングレイヤーの選択肢
| サービス | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| Azure App Service | Web アプリと API のホスティング | フルマネージド |
| Azure Functions | AIタスクの実行 | サーバーレス、イベント駆動型 |
| Azure Container Instances (ACI) | 軽量コンテナ実行 | 迅速なデプロイ、シンプルなスケーリング |
| Azure Kubernetes Service (AKS) | エンタープライズオーケストレーション | フルマネージドKubernetes |
実務での選択指針
実際のプロジェクトでは、以下のような基準で選択することが多いです
- PoC・小規模: Azure Functions または ACI(素早く試せる)
- 本番・中規模: Azure App Service(運用が楽)
- 本番・大規模・マイクロサービス: AKS(柔軟性と拡張性)
AI ワークロードは GPU が必要なケースも多いので、その場合は AKS + GPU ノードプールの構成が定番です。
Microsoft Foundry とは
AI アプリケーションとエージェントを構築、デプロイ、管理するための統合されたエンタープライズ レベルのプラットフォームです。
Foundry ポータルでできること
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| Foundry モデル | 基盤モデルとパートナーモデルへのアクセス(Azure OpenAI、Anthropic、Cohere、Meta Llama、Mistral等) |
| エージェント サービス | 複数ステップの AI ワークフローを構築・調整 |
| Foundry Tools | 事前構築済みの Azure サービス(Vision、Language、Search、Document Intelligence等 12以上) |
| ガバナンスと監視機能 | AI ワークロードの一元化された ID、ポリシー、監視 |
Foundry プロジェクトの構造
プロジェクトで利用できる機能:
- モデル カタログ(基礎モデルとパートナーモデル)
- モデルをテストするためのプレイグラウンド
- モデルのデプロイ、評価の実行、エージェントの作成ツール
- ユーザーロール、クォータ、リソース接続用の管理センター
Foundry 提供サービスの3つの原則
| 原則 | 説明 |
|---|---|
| 事前構築済みで使用可能 | 事前トレーニング済みのMLモデルを使用してAIをサービスとして提供 |
| API 経由でアクセス | 認証(キー+エンドポイント)を通じて安全にアクセス |
| Azure で使用可能 | Azure のスケーラブルなインフラと統合 |
API認証の仕組み
-
エンドポイント: AIサービスリソースに到達するためのURL
- 例:
https://cognitiveservices48.cognitiveservices.azure.com/
- 例:
-
リソースキー: リソースのプライバシーを保護するシークレットパスワード
- 定期的に変更可能(セキュリティベストプラクティス)
- 認証ヘッダー: コードからリソースにアクセスする際、キーとエンドポイントを含める
本番環境では、キーを直接コードに埋め込むのではなく、Azure Key Vault での管理を推奨します。
エージェント サービス
Foundryの中核となる機能。自律的に意思決定を行い、外部ツールを呼び出し、ワークフローを自動化する運用対応の AI エージェントを構築します。
エージェント サービスが抽象化するもの
開発者がビジネスロジックに集中できるよう、以下の複雑な実装を SDK/API で簡単に利用できる形で提供します。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| オーケストレーション | 複数のステップやツールを組み合わせたタスク実行の「指揮・調整」 |
| スレッド管理 | 会話のコンテキスト維持、セッション管理、メッセージ履歴の自動保存 |
| ツール呼び出し | 外部 API、データベース、Azure Functions 等の呼び出し処理を簡素化 |
プラットフォームに埋め込まれるガバナンス機能
後付けではなく、設計段階から組み込まれている機能です。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| コンテンツの安全性 | Azure AI Content Safety による有害コンテンツの検出・フィルタリング(デフォルトで動作) |
| 可観測性 | エージェントの動作監視・追跡(ログ、メトリクス、トレース収集) |
従来の開発との比較
| 従来の開発 | Foundry エージェント サービス |
|---|---|
| オーケストレーションロジックを自作 | 宣言的に定義するだけ |
| 会話履歴のDB設計・実装が必要 | 自動でスレッド管理 |
| ツール呼び出しのエラーハンドリング実装 | 抽象化されたAPI経由で利用 |
| Content Safety APIを別途統合 | 最初から組み込み済み |
| 監視・ログ基盤の構築が必要 | ダッシュボードで可視化済み |
Azure について
Azure とは
Microsoft が管理するデータセンターを通じてアプリケーションを構築、デプロイ、管理するためのクラウド コンピューティング プラットフォームです。
4つのコア クラウド機能
| 機能 | 説明 | サービス例 |
|---|---|---|
| コンピューティング | ワークロードの実行 | 仮想マシン、コンテナー、サーバーレス関数 |
| ストレージ | スケーラブルで安全なデータ保存 | Blob Storage、Azure Files |
| ネットワーク | リソースの安全な接続 | Virtual Network、Load Balancer |
| アプリケーションサービス | Web アプリ、API、モバイルバックエンドの構築 | App Service |
Azure のリソース階層
| 階層 | 役割 |
|---|---|
| テナント | Azure Active Directory の専用インスタンス。ID とアクセス管理を処理 |
| サブスクリプション | 課金の境界定義、Azure サービスへのアクセス提供 |
| リソースグループ | 関連リソースをまとめて管理する論理コンテナー |
| リソース | 個々のサービス(VM、データベース、ストレージアカウント等) |
Foundry と Azure の関係
- Foundry は Azure 上で実行され、Azure リソースの種類を使用
- Foundry プロジェクトとハブは、Azure のネットワーク、ストレージ、セキュリティと統合
- 他の Azure サービス(PaaS、IaaS、マネージドDB等)と同じ方法で管理
このモジュールの重要ポイント
特に押さえておきたいポイントを整理しました。
1. AI と ML の関係性
AI は人間のようなインテリジェンスを示すシステムを作成するという包括的な目標であり、ML は、データからパターンを学習することによって AI を実現するために使用されるデータ駆動型の方法です。
AI が「目標」、ML が「手段」という関係を理解しておきましょう。
2. 統合とオーケストレーションレイヤーの役割
モデルとデータをビジネス ロジックとユーザー インターフェイスに接続します。
「コンピューティング リソースを提供」するのはコンピューティングレイヤーです。レイヤーごとの責務を混同しないように注意。
3. Azure のリソース階層
Azure では、ID 管理用のテナント、課金とサービス アクセス用のサブスクリプション、関連するリソースを整理するためのリソース グループ、および VM やデータベースなどの個々のサービスとしてのリソースを使用します。
まとめ
Azure のスケーラブルなインフラストラクチャと Foundry の統合プラットフォームを使用することで、組織は生成型 AI アプリケーションとインテリジェント エージェントの開発と起動を高速化できます。
Foundry の価値:
- すぐに使用できるモデル
- 組み込みのツール
- ガバナンス機能
これらにより、開発者は安全で責任ある高パフォーマンスの AI ソリューションを作成できます。
個人的には、Foundry の登場により Azure での AI 開発の敷居がかなり下がったと感じています。従来は Azure OpenAI Service、Azure AI Services、Azure Machine Learning をそれぞれ理解する必要がありましたが、Foundry という統一されたエントリーポイントから始められるようになりました。AI-900などの学習を通じて基礎を固めつつ、実際にAzureにて Foundry ポータルを触ってみることをおすすめします。
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