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サブネッティングについて
サブネッティング基礎と計算
1.はじめに
このブログシリーズでは、サブネッティングについて学んでいきます。サブネッティングは、ネットワーク管理において非常に重要な技術であり、効率的なネットワーク構築と管理を可能にします。
ターゲット層
このシリーズは、初心者インフラエンジニア向けの記事になっております。ネットワーク管理の基本を理解し、実践的なスキルを身につけることを目指します。
2.サブネッティングとは
サブネッティングとは、大きなネットワークを複数の小さなネットワークに分割することです。これにより、ネットワークの効率的な管理と運用が可能になります。
メリット
サブネッティングには以下のメリットがあります:
- セキュリティの向上: ネットワークを分割することで、セキュリティを強化し、不正アクセスを防ぐことができます。
- 管理のしやすさ: 小さなネットワークに分割することで、ネットワーク管理が容易になります。
- ネットワーク負荷の軽減: トラフィックを効率的に分散し、ネットワークの負荷を軽減します。
- IPアドレスの効率的な利用: IPアドレスを効率的に割り当てることで、ネットワーク資源を有効に活用できます。
3.サブネッティング設計例
前提:親ネットワーク
- 使用する親ネットワーク:172.16.0.0/22
- このネットワークの利用可能IPアドレス範囲:172.16.0.1~ 172.16.3.254
- 合計利用可能ホスト数:1022
前提:要件
- IPアドレスをサブネッティングして構成してください
- IPアドレスを割り当てるときは第3オクテットから考える
-
VLAN IDと想定ホスト数は下記の通り
- VLAN 10: 30台
- VLAN 20: 60台
- VLAN 30: 15台
計算手順
- 想定ホスト数の多いVLANから考える
- 想定ホスト数を超える利用可能IPアドレスの最小値を考える
- 求めたプレフィックス長を各VLANに割り当てる
計算過程
想定ホスト数が最も多いVLAN20から計算を始めます。VLAN20には60台のホストが必要です。これを収容するためには、最低でも64個のIPアドレスが必要です。
IPアドレスにはネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2つが含まれるため、実際に利用可能なホスト数は64 - 2 = 62個です。しかし、デフォルトゲートウェイ用のIPアドレスも必要なので、さらに1つ引いて61個のホストが利用可能になります。
この61個のホスト数が想定ホスト数を超える必要があるため、プレフィックス長は以下のようになります。
VLAN | 想定ホスト数 | 利用可能なIPアドレス数(計算後) | プレフィックス長(/xx) |
---|---|---|---|
10 | 30 | 61 | /26 |
20 | 60 | 61 | /26 |
30 | 15 | 30 | /27 |
上記の表が決まればIPアドレスが割り当てられるので実際に割り当てると下記の表になります。
VLAN | 利用可能IP範囲(最初~最後) | デフォルトゲートウェイ |
---|---|---|
10 | 172.16.1.0~172.16.1.63 | 172.16.1.62 |
20 | 172.16.0.0~172.16.0.63 | 172.16.0.62 |
30 | 172.16.2.0~172.16.2.31 | 172.16.2.30 |
4.まとめ
サブネッティングは、巨大なネットワークを構築する際に細分化して管理することで、効率的な運用とセキュリティの向上を実現します。このシリーズを通じて、ネットワーク管理者としてのスキルを向上させ、効率的なネットワーク構築と管理ができるようになります。
次回は、サブネッティングの具体的な設定方法について詳しく説明します。お楽しみに!
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