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【DAY129】日常に潜むテクノロジーを再発見する

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当たり前の裏側にあるもの

日常生活において「テクノロジー」という言葉を意識することは、案外少ないかもしれません。スマホを手に取り、エアコンをリモコンでつけ、スピーカーに話しかけて音楽を再生する。これらの行動一つ一つは、かつてならSFだったような技術の成果です。

それでも、私たちは「テクノロジーに触れている」とは感じない。なぜでしょうか?それは、技術が“日常”に溶け込みすぎてしまったからです。

「使っている感」がない設計

テクノロジーが成熟するにつれ、私たちはそれを「操作」している感覚を失っていきます。これは悪いことではなく、むしろ「ユーザー体験(UX)」の最終目標とも言えます。

たとえば、スマート家電。冷蔵庫が自動で在庫を把握し、牛乳が少なくなったらスマホに通知を送ってくる。これを実現するためには、IoT(モノのインターネット)、センサー技術、クラウド連携、モバイルアプリの設計など、さまざまな技術が裏で動いています。

しかしユーザーにとっては「牛乳が切れる前に気づけた」だけ。そこに技術の気配はほとんど感じられません。

見えない技術と、見せない工夫

最近では、ウェアラブルデバイスや音声アシスタントのように、インターフェース自体が「存在しない」方向へと進化しています。Apple WatchやOura Ringなどのデバイスは、ユーザーの睡眠や健康状態を計測し、必要な情報だけをそっと通知してくれます。

こうした「自然な体験」は、UIデザイナーやエンジニア、プロダクトマネージャーたちの膨大な試行錯誤の上に成り立っています。重要なのは、技術そのものをアピールするのではなく、「どう溶け込ませるか」に焦点を当てている点です。

テクノロジーを“意識しない”ことの価値

今後さらにAIやAR、5G/6Gといったインフラが発展すれば、私たちはもっと多くの「気づかない技術」に囲まれるようになります。それはつまり、人間が本来の目的(創造、学び、交流など)に集中できる環境が整うということ。

テクノロジーの理想とは、「使わせる」ことではなく、「使っていることを忘れさせる」ことなのかもしれません。

おわりに

プログラミングやITスキルは「つくる」側の技術。でも、私たちはまず「受け取る」側として、日々どれだけの技術に支えられているかを意識することで、テクノロジーの本当の価値に気づけるのではないでしょうか。

今日、何気なく使ったその機能にも、誰かの工夫と何千行ものコードが眠っている。

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