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知能ロボコンに向けたロボット開発(1)

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動機

やさしいロボコン2024を観戦し、「自分も挑戦してみよう、どうせやるなら知能ロボコンに」、と思ったのがきっかけ。

やさしいロボコンと知能ロボコンと

知能ロボコンは毎年6月に宮城県仙台市で行われるロボットコンテスト。
一方やさしいロボコンは知能ロボコンと同じルールでやるロボットコンテストで2024/12/22に行われた。

ロボット業界に身をおいて数年、知能ロボコンというものがある、というのは知ったが会場まで遠いし、どんなロボットを作ればいいのかもわからない。

そんなとき「やさしいロボコン」を知り観戦。小規模ながらアットホームな大会(お祭り)だったのがとても印象に残った。

ロボットの構想

全体感

自分が持っている技術キーワードは

  • ROS 2
  • micro-ROS
  • LIDAR
  • Raspberry Pi
  • Raspberry Pi Pico

くらい。これらでなんとかできるものが作る目標となる。

メカ

様々なアイディアに満ちた格好いいロボットが作れるのが一番なのだろうが、そんなアイディアは降っても湧いても来なかった。そもそも制作したロボットは知能ロボコンに出るためのものではなく単に小さいロボットが作りたかった、というのが出発点だったし。

そのため、後付け感が否めないデザインになった上、シャーシ部品の作り直しが何度か発生した。

ひとまずは以下の構成でなんとか作った。

  • 差動二輪型
  • 動輪は前、従輪1つ
  • ボールを掴むためのアームとフィンガー
  • 数年前に買った安い2D LIDAR

エレキ

自分で電子回路は設計できない。せいぜいLEDに電流制限の抵抗値を決める程度。電源回路なんぞ作れない。したがって、秋月やAmazonで売っているモジュールを繋ぐくらいでできるものを目標とした。

ソフト

上記に書いてある技術キーワードから自分がソフト寄りなのは間違いないし、馴染みもある。

4つのモータの制御とカラーセンサからのデータ取得はRaspberry Pi Pico上で行い、Raspberry Pi 4Bとのデータやり取りはmicro-ROSに担ってもらう。

一方、LIDARはRaspberry Pi 4Bに繋ぐ。Raspberry Pi 4BではROS 2を使ってSLAM、ナビゲーションをやってもらう。

制作

今回制作したロボットの部品をだいたい網羅した部品表をまとめた。2025年5月時点での部品総額7万円くらいになっているが、物価高騰前に購入している部品もありもう少し安く作れているのかもしれない。

なお、3Dプリンタを購入しているが設備のため上記金額には含んでいない。

部品リスト

No. 部品 用途 単価
1 DCモータ 車輪用 2 2519
2 フランジカップリング4個入り 車輪用 1 999
3 Oリング PP50-85 車輪のタイヤ 2 360
4 マイクロサーボ MG92B アーム、フィンガー 2 1680
5 片面ユニバーサル基板Cタイプ 1 100
6 DROK 降圧コンバーター 5個入り 6V DC-DC 1 998
7 LEDΦ3mm 表示用 7(必要なだけ) 10
8 リード抵抗 LED電流制限 7(必要なだけ) 1
9 ターミナルブロック ケーブル接続用 2 35
10 XHコネクタセット 配線用 1 600
11 ピンヘッダ 配線用 必要なだけ 35
12 デュポンコネクタセット 配線用 1 800
13 トグルスイッチ 電源スイッチ 1 80
14 Big MOSFET Slide Switch with Reverse Voltage Protection, HP スイッチ 1 $6.25
15 片面ユニバーサル基板Bタイプ 1 180
16 AE-TB6612-BO モータードライバ 1 380
17 Raspberry Pi Pico マイコン 1 770
18 タクトスイッチ10個入り リセットスイッチなど 1 120
19 TCS34725 RGBライトカラーモジュール2個入り カラーセンサ 1 999
20 ケーブル 接続用 必要なだけ
21 Raspberry Pi 4B SBC 1 14020
22 microSD 32GB Raspberry Pi用 1 880
23 Raspberry Pi 4 ヒートシンクケース ファン付きヒートシンク 1 3180
24 AE-MYMGK00506ERSR-5V0 5V DC-DC 1 1200
25 AMS1117-3.3モジュール10個入り 3.3V DC-DC 1 685
26 USBケーブル2本入り 電源供給用 1 999
27 USBケーブル Raspberry PiとPicoを接続 1 658
28 キャスター 従輪 1 150
29 Okdo Lidar Module with Bracket LIDAR 1 7653
30 11.1V 120C 1500mAh 3S lipo battery2個入り バッテリー 1 4599
31 DM-8S バッテリーチェッカー 1 858
32 PolySonic PLA 3Dプリンタフィラメント 1 4180
33 ネジたくさん(M2/M2.6/M3/M4) 必要なだけ 1000
34 Wi-Fi AP 操作用PCとの接続用 1 5480

開発環境

開発環境は以下のとおり。

No. 項目 内容
1 メカCAD Autodesk Fusion
2 エレキCAD KiCAD
3 ソフト Ubuntu 24.04
4 ROS 2 Jazzy
5 ノートPC Thinkpad X260
6 デスクトップPC Windows11(Fusion用)

Raspberry Pi 4B環境

ロボット上のSBC(Raspberry Pi 4B)は以下のとおり。

No. 項目
1 Raspberry Pi OS
2 Docker
3 Ubuntu 24.04(Docker上で実行)
4 ROS 2 Jazzy

最後に

ひとまず全体感をまとめました。

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