SRE Kaigi 2026に参加してきた話
SRE Kaigi 2026に参加してきました。
テーマは「Challenge SRE!」としてSREを前に前進させるために挑戦した(する)ことを共有することを目的としていました。私もショートセッションに応募していましたが今回は落選。4枠しかなかったのでしょうがないですがなかなかに狭き門でした。
参加したセッション
以下のセッションに参加しました。
セッションの傾向について
ここ2年ほどSRE業界で目にする関心事はAIであったりShiftLeft領域の話題がメインではありつつも「SRE x ⚪︎⚪︎」のような他部署を巻き込む事を前提とする話題が徐々に増えてきたように感じています。
(もちろん筆者の個人的な関心事でもあるのでそういう傾向に見えてるかもしれない)
今回のタイムテーブルはより「SRE x 組織」という構図で語られる話が多く、全28セッションの中で組織について語られているセッションは9セッション程ありより広義のSREが求められている風潮にあるなと感じました。
個人的に関心度が高かったセッション
1. SREとプロダクトエンジニアは何故分断されてしまうのか
Slide: https://speakerdeck.com/onecareer_tech/why-are-sre-team-and-product-teams-so-disconnected
SREとして活動する中で以前より日頃懸念点だった点への言及だったので興味が惹かれました。
要点としては以下の通り
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分断が発生してしまう理由は構造的な要因が原因のほとんどを占めている
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発表者の企業は「バウンダリースパニング」というリーダーシップ理論を利用した
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SREが実施していることを言語化、コミュニケーションを取ることで共通認識を作ることで分断が発生しづらい構造を構築する手段をとった
感想としては「ですよね」という言葉に尽きると思っていて個人のアプローチとしては「丁寧なEnabling」「チーム外協力者を作る」の手法が良いなと考えていたので考え方としては遠からずだなぁと感じた。
どの企業様もこの組織的な問題は常に抱える問題だよなと再確認できた。
2. チームを巻き込みエラーと向き合う技術
Slide: https://speakerdeck.com/maruloop/talk-for-error-handling-with-swe-and-sre
「会話」に焦点を当てた発表でした。
発表者はLINE社のSREだが基本的にプロダクトチームに必ずSREが1人着くProductSREの体制を取っているとのことで常にチームに入り込んでメンバーとして振る舞うのではなく、
プロダクトのフェーズに合わせてプロダクトメンバーが自走出来るようにSREの視点を提供するような文化を作ってコミュニケーションをとっていく取り組みをしているとのことで発表では事例を交えてQ&A形式で質問に答える形式でした。
内容としては事例を交えながらSREの考え方をタイミングを見て出すという流れになっておりコメントするタイミング含めて考えさせられる内容でした。
3. 予期せぬコストの急増を障害のように扱う――「コスト版ポストモーテム」の導入とその後の改善
Slide: https://speakerdeck.com/muziyoshiz/sre-kaigi-2026
SREからスピンアウトしたFinOpsチームがコストについての問題を障害のように扱うようにした。という事例紹介でした。
インフラ面だけのコスト削減では限界が来ていたためソフトウェアを交えたコスト削減PJを実施し、形になっていったが再発防止文脈で知見を蓄えるために実際に発生したコスト障害をポストモーテムとして残す事を選択したということらしい。
発表者所属企業ではポストモーテム文化が既に根付いており(ポストモーテムを学ぶ会があるほど)、スムーズに導入できたよう。発表では今後の課題などの共有もあり、良い発表でした。
感想としてはすでに根付いた文化の再利用・展開が出来ているのは素晴らしいと感じつつも特にコスト観点の改善についてはマネージャー層以上のレイヤにどう共有するかが問題になりそうだなという点と専門の部署が出来ると責任範疇がより狭くなりそうで運用が大変そうだという点の2点を感じました。
部署まだ出来立てとのことで今後の展開が楽しみです。
良かった展示
各企業の展示も最近のSRE系のカンファレンスにしては変わっており、PaaS各社(GCP、AWS)やモニタリングソフトウェアやSaaS企業(DatadogやNewRelic、PagerDutyなど)が参加していないのは新鮮でした。
何か動向に変化があったのか、それとも今年はインフラ方面のカンファレンスも多いのでそちらにでるなどで露出が控えめなのかちょっと気になりました。
展示企業様の中で良かったのは以下の企業様
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株式会社スタジオプレーリー:https://corp.studio-prairie.com/
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プレーリーカードの展示と販売を行っていた。
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NFCで読み込むと自分の名刺であったり自己紹介が出来る物理カード。名刺代わりとしてだったり自己紹介代わりとして利用するのは面白そう。
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サービスの中身というより展示内容が面白かった。
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SREの平均提示額が800万という例から職務経歴書を題材に「年収800万を提示するには経歴書にどんな情報が追記できると良いか」という内容で展示物の前でちょっと考え込んでしまった。
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まとめ
オフラインチケットも開催前に売り切れるほどの盛況っぷりで「そろそろもう少し大きいキャパの場所に移動になるのだろうな」と感じさせられました。
発表内容もより組織論や広義のSREに流れていくものが多くなってきて国内のSRE達の視点が上がってきてるのだろうなと感じると共にSREとしての目標が「SREが必要とされない状態を作る事」という点であることがより強調される会でした。
現実の話としてSREが必要とされない状態なんてどんなに時間が経っても実現されないのではと思えるほどに課題が散見されますが現実をしっかり見定めながらSRE業に励みたいと気を引き締め直すカンファレンスでした。
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