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TiDB Serverless の高可用性モード Zone と Regional

2025/01/23に公開

TiDB Serverless は起動時に2種類のクラスターモードを選択可能になっています。

Freeクラスターモードはクレジットカード不要で50GiB,5千万回のリクエストユニットが使えます。一方Scalableクラスターモードではクレジットカードが必要ですが以下のメリットがあります。
https://docs.pingcap.com/ja/tidbcloud/select-cluster-tier#cluster-plans

・強化された機能: 無料のクラスター プランのすべての機能に加えて、より大規模で複雑なワークロードを処理する能力と高度なセキュリティ機能が含まれます。
・自動スケーリング: 変化するワークロードの需要に効率的に対応するために、storageとコンピューティング リソースを自動的に調整します。
・予測可能な価格設定: このプランではクレジットカードが必要ですが、使用したリソースに対してのみ課金されるため、コスト効率の高いスケーラビリティが保証されます。

FreeクラスターモードからScalableクラスターモードへの移行も簡単です。Scalableクラスターモードでは2つの高可用性オプションが利用可能です。

2つの高可用性モード Zone と Regional


Zone
デフォルトのZoneモードでは全てのノードが単一アベイラビリティゾーンに配置され、ネットワークレイテンシは極小化される一方で、アベイラビリティゾーン単位の障害の影響を受けやすくなります。より低レイテンシが要求されるアプリケーション向けてエンドポイントは当然一つになります。

Regional

Regionalは現在ベータ版ですが東京リージョン等限定されたリージョンでのみ利用可能です。複数のアベイラビリティ ゾーンにノードを分散することで高い可用性を提供されます。エンドポイントはアベイラビリティゾーン毎に存在するため、アプリケーションも分散させる必要があります。この場合AWSでAmazon RDSを利用するときと同様にAZをまたぐ通信のレイテンシや通信料金が追加の考慮点となります。利用に際してはRegionalでパフォーマンステスト等を十分行った後、Zoneを利用するかRegionalを利用するかを決定する必要があります。

さっそくやってみる

このRegional高可用性モードはClusterの作成時にのみ指定可能です。あとから変更はできないことに注意してください。
まずCluster起動画面でScalableを選択し上限コストを設定します。

次にAdvanced SettingsHigh AvailabilityからRegionalを選択します。

起動が完了するとscalableと記載されています。

ConnectボタンからPrivateを選択します。

接続ホスト名が以下のとおりprivatelink-zrになっていることがわかります。

通常のZone高可用性モードだと接続先はgateway01-privatelink.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.comになっておりprivatelinkを指してはいるものの単一アベイラビリティゾーンとなっています。

Zone
gateway01-privatelink.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com
Regional
gateway01-privatelink-zr.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com

PrivateLink接続にはこちらの手順を利用してみて下さい。
https://zenn.dev/kameping/articles/62415761843938

またZoneRegionalもPublic経由エンドポイントは同じになります。

gateway01.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com

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