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ゲイ専用通話アプリを2ヶ月のバイブコーディングで作って、畳もうとしている話

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この記事について

  • バイブコーディングで個人開発した本格的なアプリの記事が意外とないんだな〜と思ったので、2ヶ月かけて開発したアプリ(プロダクト開発)の記録を残そうとおもう
    • メイン部分の開発に1週間、AppStoreでの公開時点で1ヶ月、正式サービス開始と集客時点で2ヶ月
      • 2025/06に開発開始、7月にAppStore公開、8月に正式サービス開始
    • 個人開発でWebサービスはいくつか公開しているが、iOSアプリ開発は未経験。Swiftも未履修
    • 通話アプリだけど通話部分はSaaSまかせ
  • 開発、βテスト、本格リリースと集客の話
    • 記事執筆時点で大体、ユーザ登録が1700アカウント、そのうち通話参加したのは1000アカウント
  • 畳もうとしている理由: なんかアプリの体験が微妙だったし飽きたから

どんなアプリ?

  • 基本無料のゲイ専用の通話アプリ(ビデオ機能なし)
  • 通話相手はランダム
  • 通話時間は5分間(微妙な相手とも5分で自動的に通話終了)
  • いろんな人と話して友達をつくろう!(健全な雰囲気のコミュニティ)

…というコンセプトのアプリ
通話時間が制限付きの ゲイ専用の「斎藤さん」的な

課金要素

・通話延長機能
・チャットや通話記録の制限なし
あたりをサブスク課金で解放…としているが、あまり関係ない話かも

開発〜リリースと運営

開発のきっかけ

2025年の6月、ClaudeCodeも話題になってるし、何かゲイ向けのアプリを作ってみたくて、
でもSNSやマチアプは沢山ユーザー獲得しないと成立しなくて個人開発じゃ大体厳しいので、
最低限2人のユーザーがいれば成立する1対1の通話アプリにしよう、というところから、似たアプリを調べたりしてコンセプトを固めていった

趣味でWebサービスを個人開発でいくつか公開しているが、Webサービスは集金が難しいので、iOSで課金できるサービスを作りたいと思った
最終的にはWeb版も用意したが、Web版は最初作る想定をしてなくてSwiftで開発した(Web系人間なのでReactNativeが良かったかもしれない)

平日はWeb系の会社でWebサービスの開発をしながら、隙間時間や終業後や土日に開発をしていた

開発はじめる前と構成

まず最初に画面遷移図を書いて、どのサービスを使うのかを決めていった

この時点で洗い出せた主な機能は

  • アカウント登録 / 認証
  • プロフィール更新
  • 通話機能
  • 通話履歴機能
  • チャット機能

Firebaseとその周辺で組んだ。自分はSQLしか分からないけど複雑にDBを扱いたいわけでもないし。
勤めてる会社はAWSを使ってるのでAWSで組みたい気持ちもあったけど、維持するだけでもお金がかかるので個人開発だと選択しづらい

通話部分は開発せずにSaaSを利用(サービス名かかないのは検索避けのため。画像内には汚い字で書いてある)
人に使ってもらってどうなるかをまず見たかったのでSaaSでいいやとなった

開発はじめ (6月)

上の画面遷移図をClaudeに読み込ませると、こんな汚い字でもかなり正確に読み取って情報を整理してくれた。
ClaudeCodeの月$100のプランを契約して、AppleDeveloperを契約して… 開発開始

TwitterではClaudeCode使いこなしTipsみたいなのが沢山でてたけど別にあんまり関係なかった
CaludeCodeとのやりとりごとにgit commitしてね、とかセッションが終わったら効果音を鳴らしてねとか命令したけど、時間が経ったら忘れられてた。途中でそれをちゃんと実現できるっぽい Hooks なるものがでてきたけどよくわからないから使ってない

2日で主な機能をClaudeCodeに書いてもらって一応動くものができたが
Firestoreを使うのかRealtime Databaseを使うのか決めずに実装をしてしまった部分で頻繁に同じ壊れ方をしたり、
スキーマを決めていなかったので継ぎ足し継ぎ足しで作った部分でコードが明らかに低品質になったり
このまま作り続けても辛いなとおもって、新しいプロジェクトとして作り直すことにした

ClaudeCodeで「新しいプロジェクトで作り直します」と相談し、
技術スタック、画面構成、データスキーマ、その他機能 をまとめた 要件定義書.md を作成して、適宜それを参照するようにして新しいプロジェクトで再開した
めちゃくちゃすんなりと、ちゃんと動くものができた

この部分はClaudeCodeを利用すると1週間で開発できたが、手で開発してたら1ヶ月かかってそうだな、と思った

ストア登録

リリースはめちゃくちゃ苦労した
というのも、AppleStoreConnectでアプリ公開申請を出したところ、
「このアプリはユニークでもなくユーザ体験も優れていない品質の悪い出会い系アプリだ」とApp Reviewされてしまい、公開申請が通らなかった。

App Review Guideline というものに従う必要があるので、必要な機能を実装したり(ユーザーのブロック機能はこの時すでに用意していたものの、それとは別にユーザ報告機能も必要だったり、など)
マッチングシステム自体も刷新したりした。

最終的には不足機能の実装ではなく、アプリコンセプトの説明をする必要もあった

他のアプリを公開した経験がないのでわからないが、「出会い系アプリっぽい」から苦労した気がするが、全然別のアプリであればそんなことないのかもしれない

レビュー以外の、iOSアプリのビルドやアップロードあたりの知識も全くなかったが、これらはClaudeやChatGPTにスクショを送ればすぐに解決方法を教えてくれたので困ることはなかった。ありがとう

ストア登録後〜βテスト (7月)

βテストみたいなものは本当はTestFlightでやらないといけないんだろうけど、
協力してくれる人(しかもゲイ)を声かけて集められる気がしなかったので、
審査が通り、AppStoreからインストールができるようになった状態で 協力者をTwitterで募集した
幸いボカロP活動である程度フォロワーがいて、10人ほど協力してくれる方が集まった
https://x.com/kaguo_v/status/1943303524760326398

TestFlightは専用アプリのダウンロードや、個人情報を先に収集しないといけないが、難易度が高すぎて無理だとおもった

専用のDiscordサーバーを立ち上げて、日時を決めてアプリでのマッチング・通話を試したり、バグ報告をもらったりした
この間にWeb版も開発した

大体サービスのUIや機能がブラッシュアップできたところで、本格的に集客するために宣伝のためのイラストを依頼した
(ボカロP活動的に、生成AIを使うことで変な印象を持たれたくなかったので画像生成AIは避けた。それがなければ使ってたかもしれない。わからん)

正式サービス開始 (8月)

リリースツイートと、 Twitterの広告機能 で本格的に広くユーザを集めた
https://x.com/kaguo_v/status/1951206296801185883

リリース24時間でアカウント数が300を突破した
(広告はこれとは別にサービス公式アカウントを作成してそちらで行った)

広告の詳細はこんな感じ

launch は最初に2週間くらい打ったもの、
launch2 は8月終わりに、21~24時くらいの時間帯だけ出す形にしたもの
途中のお盆期間は広告をしなかった

個人開発のプロダクトの広告にどのくらいのお金をかけるかは場合によると思うが、
僕は引きこもりのゲイで特にお金の使い道がないのでこんな感じ
もうちょっと予算は用意していたが、途中で広告の集客とこのアプリの相性が微妙だな、と思い始めた

運営

違法行為がないか、またユーザ報告なども見ておく必要があったので、専用のSlackワークスペースを作り通知するようにした

(通知チャンネルの一部)

また、簡易的なBAN操作などもSlackから操作できるようにした

なぜサービスを畳もうとしているのか

ポエム

このアプリの行き着く先が、自分の作りたい世界ではなかった

ゲイの世界はマジでルッキズムがすごい
顔、体型、年齢、、そのあたりの判断割合がかなり大きい
「ゲイ同士の友達」という関係すらゲイ専用アプリがないと作るのが難しいし、プロフィール写真からアクセスする仕組みになっていることが多い

見た目や年齢に関係なく、気軽にファーストコンタクトがとれて、それをきっかけに人と人がつながっていくアプリを作りたかった
僕が通う地元のゲイバーのような、ゆったりとしたコミュニティを作りたかった

しかし、広告で一気にユーザを獲得すると、
「この人とマッチングしました、これから通話を開始します」という画面で、マッチング拒否をする人が増えた
他にマッチングする相手は沢山いるのだから
その結果、サービス全体は通話の成立がしづらくなった

なので、
一気にユーザは増やさず、1日に数人が増えるようなプロモーションに切り替えた
しかし、多くの新規ユーザは、同じように何件かマッチング拒否していた
しかも、他にマッチングする相手はもう多くはなかった

そんな中でも毎日アプリを利用してくれる人はありがたいことに沢山いた
しかし、話すことが好きでコミュニケーションが上手い人と、話すのが苦手で受け身な人との間にもギャップがあった

なかなかコミュニティの雰囲気は理想に近くならなかった

これは「1対1の通話アプリ」という構造では実現できないものだと確信した
これでマネタイズしても面白くないと思った
いまは少しずつ人が離れるのを、月額課金者が0になるのを待っている

(ただ、音声通話だからこそ初めてゲイの人とコミュニケーションをとることができた、というユーザもいて、意義がないわけではないなとも思っている)

運用コスト

GCPからの請求は大したことないが、通話のSaaSに結構金がかかっている(加えて、なんか毎月請求がメールできて個別に対応しないといけないので面倒くさい)
サービスに人が定着するかを見極めてからマネタイズにも力をいれるつもりだったが、上記の通り萎えてしまった

自分が開発した他のWebサービスは作り置きしているが、このサービスはSaaSの契約の対応がめんどくさいし、畳んでしまおうと思っている

満足した

バイブコーディングで、全く未知のiOSアプリ開発をし、短期間でリリースできたことに満足した

その他

マジで一人でやっているので、この記事も含めて全部、的外れなことををしてるんじゃないか、みたいな不安がある(記事も変なこと書いてるのかもしれない、と思いながら公開する)

勤めてる会社は、上の人がLLMやその利用者を信用しておらず、ClaudeCodeなどを使えないので、
本当にモチベーションが湧かないが、不得意なバックエンドのコードを手で書いている

記事中でも書いたが、1ヶ月かかりそうな開発をバイブコーディングによって1週間で済ませられたので、モチベーションが尽きる前に完成させられる可能性が高くなり嬉しい

個人開発は気ままにやっていて気が乗らないとやらないが、あると良いなと思う案がいまは二つある。別に自分がやらなくてもいい気がするので、賛同者がいたらやっちゃってください

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