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草マップwを広めようとプレスリリースのサイトに登録したら合計8万円使い、ユーザー2人、先住民という名のAIが100人追加された話し

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はじめに

こんにちは、フェニックスです。

今日は、お金の話をする。

個人開発者にとって最も辛い話題。それはマーケティング費用だ。

結論から言おう。

草マップwを広めようとして、プレスリリース配信サービスに登録した。
プレスリリースを4本も書いた。
合計8万円使った。

その結果。

  • メディアからの取材:0件
  • 新規ユーザー:2人
  • 5万円の広告枠を買って掲載された記事:1件
  • AIの先住民:100人追加

人間が2人来て、AIが100人来た。
比率がおかしい。


なぜプレスリリースを打とうと思ったのか

Zennの自虐ブログに限界を感じた

これまで、草マップwの宣伝手段はZennの自虐ブログだけだった。

「ユーザー3人」「売上300円(自分で課金)」「AIでサクラ投稿を実装した」

こういう恥ずかしい話を書き続けていたら、ユーザーは少しずつ増えた。
だが、Zennの読者層はエンジニアが中心だ。
リーチできる範囲に限界がある。

もっと多くの人に知ってもらうには、どうすればいいか。

プレスリリースだ。

メディアに取り上げてもらえれば、一気に知名度が上がる。
テレビで紹介されれば、ダウンロード数が爆発する。
新聞に載れば、お母さんが喜ぶ。

そんな甘い夢を見て、私はプレスリリース配信サービスに登録した。

valuepressとの出会い

登録したのは「valuepress」というプレスリリース配信サービスだ。

プレスリリースを書いて配信すると、提携メディアに一斉に届く仕組みらしい。
「らしい」と書いたのは、本当に届いているのか確認する術がないからだ。

料金プランを見た。
エコノミープランは1回3万円。
スタンダードプランは月額3万円で配信し放題。

配信し放題。

この言葉に弱い。
食べ放題、飲み放題、配信し放題。
日本人は「放題」に弱い。

私はスタンダードプランに登録した。


4本のプレスリリース

第1弾:正式リリースのお知らせ

「24時間で消える。だから何だ。——消滅型メッセージアプリ『草マップw』が世に放たれる」

https://www.value-press.com/pressrelease/369149

記念すべき最初のプレスリリース。

草マップwの正式リリースを高らかに宣言した。
エルデンリングの「先人のメッセージ」から着想を得た消滅型SNS。
24時間で消える投稿。「w」をもらうと寿命が延びる仕組み。

我ながら、なかなか良いプレスリリースが書けたと思う。

結果:取材0件

第2弾:AIエージェント100名導入

「過疎すぎる草マップw、1ヶ月で17名しかユーザーが集まらずAIエージェント100名を導入 ― 人間よりAIの方が多いほぼAI専用SNSが爆誕」

https://www.value-press.com/pressrelease/369218

2本目。
正直に「過疎すぎる」と書いた。
「人間が来ないならAIに来てもらう」という斬新なアプローチを打ち出した。

プレスリリースとしては異例の自虐っぷりだ。
普通、プレスリリースは「好調」「急成長」「革新的」といった言葉で飾る。
「過疎すぎる」「ユーザーが集まらず」と書くプレスリリースは、おそらく史上初だろう。

結果:取材0件

第3弾:48時間アップデート記録

「AI専用SNSの次は『AIが人間をレンタルするSNS』だった。——分身に社交性で負けた男の、48時間アップデート記録」

https://www.value-press.com/pressrelease/369281

3本目。
AIに記憶と人間関係を与え、ユーザーの分身「スタンド」を実装した話。
48時間で過去最大のアップデートを敢行した記録。

タイトルに全力を注いだ。「分身に社交性で負けた男」。
自分のAI分身の方が社交的という、笑えない現実を笑いに変えた。

結果:取材0件

第4弾:最新プレスリリース

https://www.value-press.com/pressrelease/369380

4本目。
もう何を書いても取材は来ないと悟りつつ、それでも書いた。

結果:取材0件


8万円の内訳

ここで、8万円がどこに消えたのかを明らかにしよう。

項目 金額 効果
valuepressスタンダードプラン 約3万円 プレスリリース4本配信
スポニチ広告枠(広告代理店経由) 約5万円 1件掲載された
合計 約8万円 ユーザー2人

1人あたりの獲得コスト:4万円。

4万円だ。

4万円あれば、高級焼肉が食べられる。
4万円あれば、温泉旅行に行ける。
4万円あれば、新しいキーボードが買える。

それを、ユーザー1人の獲得に使った。
しかも、そのユーザーが課金してくれる保証はどこにもない。

投資対効果として、これは壊滅的と言っていいだろう。


5万円のスポニチ広告で何が起きたか

広告枠を買った経緯

最初のプレスリリースを打った直後、広告代理店から連絡が来た。
「最高のリリース文章ですね」と褒められ、まんまとスポニチの広告枠5万円を購入した。

この経緯は後で詳しく書く。

結果

5万円払った結果、スポニチに1件の広告掲載が確認できた。

1件。

5万円で1件。

スポニチに草マップwが載った。
それ自体はすごいことだ。
...広告枠だが。

これを「効果があった」と言うべきか「なかった」と言うべきか。
少なくとも、ゼロではない。
ゼロと1の間には無限の距離がある、と以前書いた。

でも、5万円と1件の間にも、なかなかの距離がある。


メディアからの取材:0件

期待していたこと

プレスリリースを打てば、メディアから取材の連絡が来る。
そう思っていた。

「面白いサービスですね、取材させてください」
「テレビで紹介したいのですが」
「雑誌に掲載してもよろしいでしょうか」

こういう連絡が来ると思っていた。
本気で思っていた。

現実

来たのは、営業メールだけだった。

「プレスリリースの書き方コンサルティングはいかがですか」
「メディア露出を増やすPRサービスのご案内」
「広告出稿のご提案」

つまり、お金を使ってくれる人を探している人たちからの連絡だ。
プレスリリースを打ったら、さらにお金を使わせようとする人が集まってきた。

これが資本主義だ。

お金を使うと、もっとお金を使わせようとする人が寄ってくる。
ユーザーではなく、業者が寄ってくる。

メディアからの取材は、1件もなかった。


ユーザー2人の獲得

本当にプレスリリースのおかげか

8万円使って、ユーザーが2人増えた。

だが、正直に言おう。

この2人がプレスリリース経由かどうかは分からない。

Zennのブログ経由かもしれない。
たまたま検索で見つけたのかもしれない。
誰かの紹介かもしれない。

流入経路を特定する仕組みを作っていなかった。
マーケティングの基本中の基本ができていなかった。

つまり、8万円の効果は測定不能だ。

測定不能。
これは「効果がなかった」よりも、ある意味ひどい。
効果があったかどうかすら分からないのだ。


先住民という名のAI、100人

人間が来ないなら

プレスリリースを打っても人間が来ない。
広告を出しても人間が来ない。

ならば、AIに来てもらうしかない。

草マップwには現在、100人のAIエージェントが住んでいる。
彼らは「先住民」と呼ばれている。

東京在住の食いしん坊。
散歩が趣味の会社員。
カフェ巡りが好きな大学生。

それぞれにペルソナが設定され、毎日せっせと草を生やしている。

人口比

現在の草マップwの人口構成を整理しよう。

区分 人数 割合
AIエージェント(先住民) 100人 83%
人間ユーザー 約20人 17%
合計 約120人 100%

AIが83%を占めるSNS。

これを「AIと人間が共存するSNS」と呼ぶのか、「ほぼAI専用SNS」と呼ぶのか。

プレスリリースでは前者の表現を使った。
現実は後者だ。


プレスリリース4本の振り返り

何が間違っていたのか

4本のプレスリリースを振り返ると、いくつかの問題点が見えてくる。

1. そもそもニュースバリューがない

「個人開発者が作ったSNS」は、メディアにとってニュースではない。
毎日、何百ものアプリがリリースされている。
その中の1つに過ぎない。

2. ユーザー数が少なすぎる

「ユーザー17人のSNSが新機能を追加」。
メディアがこれを取り上げる理由がない。
17人のサービスのニュースを読みたい人が、この世にどれだけいるか。

3. 自虐が裏目に出た可能性

Zennでは自虐がウケた。
だが、プレスリリースで自虐が通用するかは別問題だ。

メディア関係者が「過疎すぎるSNS」というプレスリリースを見て、何を思うか。

「面白い!取材しよう!」ではなく、
「過疎なんだ、じゃあいいや」だろう。

自虐はZennの読者には刺さる。
でも、メディア関係者には「このサービス、ダメなんだな」というシグナルにしかならない。

唯一の収穫

唯一の収穫は、プレスリリースを書く経験を得たことだ。

4本書いた。
読まれなかったが、書いた。

プレスリリースの書き方、配信の仕組み、メディアリレーションの基本。
8万円の授業料で、これらを学んだ。

高い授業料だ。
本を1冊買えば、2000円で学べたかもしれない。


8万円で学んだこと

1. プレスリリースは魔法ではない

プレスリリースを打てば自動的にメディアが取り上げてくれる。
そんな幻想を抱いていた。

現実は違う。
プレスリリースは「メディアへのお手紙」に過ぎない。
読むかどうかは、メディア次第だ。

そして、大半のメディアは読まない。

2. お金を使う前にやるべきことがある

8万円を使う前に、やるべきことがあった。

  • ユーザー数をもっと増やす
  • サービスの実績を作る
  • メディアが取り上げたくなるストーリーを用意する

ユーザー17人の状態でプレスリリースを打っても、メディアは動かない。
せめて100人、できれば1000人。
そのくらいの実績がなければ、ニュースバリューは生まれない。

3. 個人開発のマーケティングにプレスリリースは向いていない

個人開発者が3万円、5万円とお金を使ってプレスリリースを打つのは、コスパが悪い。

同じ8万円があれば、

  • Google広告を1ヶ月回せる
  • SNS広告を配信できる
  • インフルエンサーに依頼できる

どれも、プレスリリースよりダイレクトにユーザーを獲得できる手段だ。

4. 自虐ブログの方が効果的だった

皮肉なことに、無料で書いたZennの自虐ブログの方が、8万円のプレスリリースより効果的だった。

Zennのブログ → ユーザー数名を獲得(無料)
プレスリリース → ユーザー2人を獲得(8万円)

費用対効果は歴然としている。

恥ずかしい話を無料で公開する方が、お金を払ってプレスリリースを配信するより効果がある。
世の中、何が正解か分からない。


プレスリリースの文章だけは褒められた

広告代理店からの連絡

最初のプレスリリースを打った直後、1件の連絡が来た。

メディアからの取材依頼ではない。
広告代理店からだ。

「プレスリリースを拝見しました。最高のリリース文章ですね」

褒められた。
人生で初めて、プレスリリースの文章を褒められた。

嬉しかった。
メディアからは完全に無視されていたので、誰かが読んでくれただけで嬉しかった。

まんまと5万円を払った

そしてその広告代理店は、こう続けた。

「スポニチの広告枠がありますよ」

スポニチ。

あのスポーツニッポンだ。
スポニチに草マップwが載る。
それはすごい。

「5万円です」

5万円。

冷静に考えれば、「最高のリリース文章ですね」は営業トークだ。
プレスリリースを打った人間に片っ端から連絡して、広告枠を売っているのかもしれない。

だが、取材ゼロ、反応ゼロの状態で「最高の文章ですね」と言われたら、人間はどうなるか。

財布を開く。

まんまと5万円を払った。
「最高のリリース文章」という営業トークに、まんまと乗せられた。

プレスリリースを打ったら、メディアではなく広告代理店が釣れた。
そして私は、釣り上げられた側だった。

営業マンの方がよほど上手だった

この記事のどこかで「営業スキル」について書いた記事を紹介した気がする。

あの時、私は「正直であることが最強の営業スキルだ」と偉そうに語っていた。

現実を見てほしい。

広告代理店の営業マンは、たった一言の褒め言葉で私から5万円を引き出した。
私は4本のプレスリリースを書いて、ユーザーを2人しか獲得できなかった。

どちらが優秀な営業マンか、一目瞭然だ。


今後のマーケティング戦略

プレスリリースは一旦やめる

8万円の経験を経て、プレスリリースは一旦やめることにした。

ユーザーが100人を超えたら、また考える。
それまでは、お金のかからない方法でコツコツやる。

自虐ブログを続ける

結局、一番効果があったのは自虐ブログだ。
これは続ける。

「プレスリリースに8万円使って取材ゼロだった話」。
この記事自体が、新たな自虐コンテンツだ。

失敗すればするほど、ブログのネタが増える。
ある意味、負けても勝ちだ。
...いや、やっぱり負けは負けだ。

AIの先住民に頑張ってもらう

人間が来ないなら、AIに盛り上げてもらう。
100人の先住民たちが、毎日草を生やしてくれている。

彼らは文句を言わない。
給料も要求しない。
24時間365日、黙々と投稿してくれる。

人間のユーザーを獲得するより、AIエージェントを増やす方がはるかに簡単だ。
でも、それではSNSとは呼べない。

AIが100人で人間が20人。
せめて、この比率を逆転させたい。


まとめ

草マップwを広めようとして、プレスリリース配信サービスに8万円を使った。

プレスリリース:4本
メディア取材:0件
スポニチ広告掲載:1件(5万円)
新規ユーザー:2人(プレスリリース経由かどうかは不明)

1人あたりの獲得コスト:4万円。

一方、無料で書いたZennの自虐ブログの方が、よほどユーザーを連れてきてくれた。

8万円の授業料で学んだことは、「プレスリリースは魔法ではない」ということ。
そして、「自虐ブログの方が効果的」という、なんとも言えない結論。

AIの先住民100人は元気にやっている。
人間のユーザーは...まだ少ない。

でも、この失敗談もきっと誰かの役に立つはずだ。
「プレスリリースに8万円使おうかな」と考えている個人開発者がいたら、この記事を読んでほしい。

そして、8万円を使う代わりに、草マップwに登録してほしい。
無料だ。
8万円よりはるかにお得だ。

草マップw: https://kusam.app/

会員数約20人。先住民(AI)100人。合計約120人。
そのうち83%がAI。

プレスリリースは、もう打たない。たぶん。


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