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エンジニアの私が誰かに何かを伝える際に心がけていること

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はじめに

エンジニアという職業は、コードを書くことだけが仕事ではありません。
「チームで開発を進める。」「要件を確認する。」「成果を報告する。」などあらゆる場面で「伝える力」が求められます。
いくら技術力が高くても、伝え方がイマイチだとそれ以上の評価を得られないこともあるのです。

本記事では、エンジニア(社会人)としての信頼と成果を高めるために意識したい「伝え方のポイント7つ」 を、個人的な考えも踏まえてお伝えします。
今すぐ実践できる内容ばかりなので、ぜひ明日からのコミュニケーションに活かしてみてください。

ポイント1:結論から伝える

重要度:⭐⭐⭐

このポイントは社会人誰もが一度は耳にしたことがあるポイントかと思います。
結論が後回しになると、聞き手は話の意図を読み取るのにエネルギーを使ってしまい、本当に伝えたい部分が伝わらなくなってしまいます。
最初に結論を示すことで、全体の構造が明確になり、話がグッと伝わりやすくなります。

活用例(PREP法):

  • P(Point):このバグはロジック修正で解決できます。 (結論)
  • R(Reason):分岐条件が誤っていたため、処理が漏れていました。
  • E(Example):ログを確認すると、条件に一致しないケースでnullが返っています。
  • P(再Point):よって、ロジック修正で問題ありません。(再喝)

ポイント2:誰に向けて伝えるか考える

重要度:⭐⭐⭐
(個人的には一番意識している)

伝え方は、相手によって変える必要があります。
伝えたい相手が上司・同僚・クライアントでそれぞれ求める情報の粒度も理解度も異なります。

例えば、バグ報告を伝えるケースでは…

  • 同じプロジェクトメンバー(エンジニア)に伝える場合:

「UserServiceクラスのgetUserInfo関数内で、未ログイン時の分岐処理が漏れていて、null参照でエラーになってましたので、チェック処理追加してます。」

  • 上司に伝える場合:

「一部未ログインユーザーでアプリがクラッシュする不具合がありましたが、原因を特定し修正済みです。再発防止のため、今後はログイン状態の分岐をテストケースに追加します。」

  • 非エンジニアのクライアントに伝える場合:

「ごく一部の利用者がログインしていない状態でアプリを操作した際に、強制終了する問題がありました。現在は修正済みで、再発しないよう仕組みも見直しています。」

話す前に今一度誰に対して伝えたいのか認識しておきましょう。

ポイント3:略語や専門用語は相手に応じて使い分ける

重要度:⭐⭐⭐

このポイントはエンジニアあるあるですが、エンジニア同士なら通じる略語(CI、PR、LGTM、ORMなど)も、他部署やクライアントには伝わらないことが多いです。
特に専門的な技術を学んでいると無意識的に略語や専門用語を使ってしまい、その単語のせいで他の内容が入りづらくなることはよくあります。

例:

  • NG🙅:「適切なLLMを選定すれば、プロンプト設計次第で精度高く情報抽出できると思います」
  • OK🙆:「ChatGPTのような大規模なAI言語モデル、いわるゆLLMを使えば、使い方次第で情報を正確に引き出すことができます。」

NGでは「LLM」という単語を当たり前のように使っていますが、「LLM」を知らない人からするとその部分は謎に包まれてしまい、最後まで聞いてようやく 「LLM」という単語は生成AIの何かなんだ。 という理解に至るわけです。

伝える前に自身の当たり前を疑い、「相手は理解できるか(相手に疑問を与えないか)?」を考えて略語や専門用語を翻訳することが他部門やクライアントとの連携において重要です。

ポイント4:論理的かつ簡潔に話す

重要度:⭐⭐⭐

ポイント1にも関連しますが、話が長くなったり、論理が飛んでしまうと、聞き手は混乱します。
「何が言いたいのか」が明確であればあるほど、理解してもらいやすくなります。

5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を意識すると、自然と整理された伝え方になりますので、ぜひ意識してみて下さい。

ポイント5:数字や事実を交える

重要度:⭐⭐

このポイントは誰に向けて伝えるかで重要度が異なってきますが、「なんとなく」「多分」「良さそう」といったあやふやな言葉では説明の説得力に欠けます。
データや具体的な事例を使うことで、納得感が生まれますので、ぜひ意識してみて下さい。

例:

  • 「前回よりパフォーマンスが良くなった」
    → 「平均レスポンスタイムが300msから180msに改善した」

また、この内容とは少しずれますが、クライアントへの説明の際はそのクライアントが実際に行なっている業務に当てはめて説明を行うと理解も進みますのでぜひトライしてみて下さい。

ポイント6:感情を込めすぎない(冷静さを保つ)

重要度:⭐

このポイントはケースバイケースですが、例えば議論やトラブル対応時など、感情が出やすい場面では注意が必要です。
冷静さを保ち、論理的に伝えることが、信頼感や落ち着いたチームづくりにつながります。

注意なのが、どんな時でもロボットのように理路整然と話し続ければいいのかというと、そうでもなく、人間らしさ(感情表現)を見せることで距離感が縮まり、場の雰囲気が良くなるケースも普通にあるので、使い分けが重要です。

ポイント7:話す前に一度整理する(メモでもOK)

重要度:⭐

伝える前に一呼吸おいて、構成を考えたりメモを書いたりするだけで、内容の精度が一気に高まります。
慣れてくると自然とできるようになりますが、最初のうちは意識してメモ帳などに準備するのがおすすめです。

まとめ

「伝える力」は、技術力と同じくらい、エンジニア(社会人)としての価値を左右するスキルです。
仕事は一人ですることはほとんどなく、基本的に誰かとコミュニケーションを取りながら行なっていきます。そのような環境で 「伝えるスキル」 は重要なスキルになります。
(どんなに素晴らしい成果を出してもそれを伝えられなかったら意味がないので…)

今回紹介した7つのポイントは、どれも今この瞬間から意識できるものばかりです。
難しく考えず、「少しだけ伝え方を工夫してみる」ことから始めてみてください。

本記事が誰かのお役に立てれば幸いです!

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