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なぜ、私たちは内製化を選んだのか──7年積み重なったプロダクトと向き合って

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日本一への挑戦状。最大30名・7年の積み重ねを背負い、私たちが内製化にすべてを賭けた理由

はじめまして!
jinjer株式会社 プロダクト開発部の藤崎です。

私たちは今、「日本一の開発組織」という大きな目標を掲げています。
しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。
特に、組織のあり方を根本から変えた「内製化」への舵切りは、私たちのチームにとって、魂を取り戻すための激動のプロセスでした。

ジンジャーの各プロダクトが成長を続ける中で、私たちが担当するプロダクトは最大30名以上の体制で7年間積み上げられてきた巨大なものでした。それをどのようにして自分たちの手に取り戻そうとしているのか。現在進行形の葛藤と、変化の瞬間をお話しします。

1. ソースコードが「他人の言葉」だったあの日

かつて、私たちの開発組織には決定的な課題がありました。
エンジニアのほぼすべてが外部パートナーであり、自社の内製エンジニアは実質ゼロに近い状態だったのです。

もちろん、パートナーの皆さんは優秀でした。
しかし、詳細を確認するたびに情報の受け渡しが発生し、どうしてもスピードが鈍ってしまう局面がありました。 ソースコードの背後にある「意図」や「歴史」が社内に蓄積されにくく、自分たちでプロダクトを掌握しきれていないという感覚が、常に心のどこかにありました。

日本一を目指すと口では言いながらも、不具合が起きても自ら即座に直すことができない。
そのもどかしさが、私たちの最初の「痛み」でした。

さらに、不具合の原因報告や再発防止策にも、拭えない違和感がありました。
そこに並ぶのは「確認を徹底する」「今後は気を付ける」といった、精神論に近い言葉ばかり。
本来必要なはずの「なぜその構造的なミスが起きたのか」「どう仕組みで防ぐのか」という、本質的な改善に繋がる議論がそこにはありませんでした。

「このままでは、プロダクトの未来を自分たちでコントロールできない」。その危機感が、私たちを内製化へと突き動かしたのです。

2. 最大30名以上の体制×7年分の歴史という「巨大な壁」

内製化を決意した私たちを待ち受けていたのは、想像を絶するほど高く、分厚い壁でした。
相手は、延べ7年にわたって開発が続けられ、時期によっては30名を超える体制で積み上げられてきた巨大なプロダクトです。

  • ドキュメントはほとんど存在せず、あっても古いまま更新が止まっている
  • 長年の開発で複雑に絡み合ったロジックの全容を誰も把握していない
  • 「なぜこうなっているのか」の経緯を知るものが社内にいない

まさにブラックボックス。しかし、私たちは「自分たちが書いたコードではないから」という言いわけを、あの日、ゴミ箱に捨てました。一つひとつの関数、一行一行の処理を、地道に、泥臭く紐解いていく。それは、失われた記憶を修復していくような、果てしない作業の連続でした。

3. 「2名から5名へ」。このチームなら実現できると確信した瞬間

内製化への道のりにおいて、組織の空気が劇的に変わった瞬間があります。それは、内製メンバーが2名から5名体制になったタイミングでした。

たった3名の増加。しかし、この「5名」という布陣が揃い、内製メンバーだけの定例MTGをはじめて実施したとき、これまで感じていた「点」の活動が、明確に「面」の動きへと変わったのです。

その場では、だれに指示されるでもなく、現場のリアルな課題が次々とテーブルに上がりました。
「今のローカル環境構築手順はメンバーによって失敗しやすく、時間もかかりすぎている。だれでも一発で構築できるように手順書を整備しましょう」 「特定のクラスが肥大化していて、メンテナンス性が限界に近い。今後の新規開発に向けて、今のうちにクラス設計の明確な方針を決めたい」

自ら課題を見つけ、自らルールを書き換えていく。その光景を目の当たりにしたとき、胸の奥から熱いものが込み上げてきました。「このチームなら、どんなに巨大な壁でも越えていける。内製化を必ず実現できる」そう強く確信した、忘れられない瞬間でした。

ここで痛感したのは、「外部ベンダー」と「内製エンジニア」のマインドセットの決定的な違いです。
外部パートナーにとっての最優先事項は、どうしても「契約の継続」や「スコープの完遂」に構造上なりやすいです。しかし、内製エンジニアの視線の先にあるのは契約書ではなく、ジンジャープロダクトがいかに成長し、売り上げに貢献し、ユーザーに価値を届けられるかという一点です。

自分たちがルールを作る側なんだという当事者意識が芽生えたとき、組織は本当の意味で「日本一」への自走を始めたのだと感じます。

4. 挑戦は続く。内製化の「その先」へ

もちろん、これで完成ではありません。私たちの内製化は、現在進行形の大きなプロジェクトです。

30名規模で7年間積み重なったレガシーとの格闘は今も続いていますし、理想とする「日本一の開発組織」には、まだ何合目という段階かもしれません。
しかし、あの日「他人の言葉」だったソースコードは、今では私たちが毎日向き合い、磨き続ける「自分たちの武器」へと変わりつつあります。

昨日よりも今日、今日よりも明日。少しずつでも確実に、自分たちの手でジンジャープロダクトを良くしていく。この歩みを止めないことこそが、私たちが選んだ道です。

結論:日本一の開発組織へ。内製化は「手段」ではなく「魂」の宿し方

内製化を進めることは、単にコストを抑えたりスピードを上げたりするための「手段」ではありません。自分たちが作るものに責任を持ち、心からプロダクトを愛するためのプロセスだと感じています。

私たちはこれからも、この熱量をもとに、泥臭く挑戦を続けていきます。日本一への道のりはまだ半ば。だからこそ、最高に面白いのです。

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