MacにzLogを入れてリグコントロールする
この記事は学生ハム Advent Calendar 2025の15日目の記事です。
アマチュア無線のコンテストのための有名なログソフトウェアとしてzLogがあります。
しかし、zLogはWindows専用アプリであり、macOSではそのままでは動作しません。私が所属している社団局(東京科学大学無線研究部(JA1YAD))では、zLogを使用するためだけに古いWindows パソコンを複数維持しており、大きな負担が生じていました。
そこで、WindowsではなくmacOSでもzLogを動作させようと試行錯誤したところ、ログ管理とリグコントロールの環境を実現できたので、その方法を紹介します。
Sikarugirセットアップ
MacでWindowsアプリを動作させたい場合、WineというUnix系OS向けWindows互換レイヤーがよく使われます。
今回はSikarugirというアプリ経由でWineを使用し、その上でzLogを動作させます。
インストール
ここではHomebrewを使用します。
brew upgrade
brew install --cask Sikarugir-App/sikarugir/sikarugir
完了すると、Sikarugir Creatorというアプリがインストールされます。
これを利用してzLog用のWindows環境を作成します。
Engineのインストール
Sikarugir Creatorを開くと、このような画面になります。

+をクリックし、エンジンをインストールします。

基本的には最新版のEngineを選択すれば問題ありません。今回はWS12WineCX24.0.7_7を選択しました。
Download and Installをクリックしてインストールします。
インストールが完了するとCreatorの画面にEngineが追加されます。
zLogインストール
SikarugirでzLog環境を作成
先程インストールしたEngineを選択し、Create New Blank Wrapperをクリックします。

任意の名前をつけてOKをクリックします。ここではzLog.appとしました。
アプリがフリーズしたように見える場合がありますが、しばらく待つと新しいWrapperが作成されます。
終わったらダイアログが出てくるので、View Wrapper in Finderをクリックして作成されたWrapperのフォルダを開きます。
作成されたzLog.appをダブルクリックすると、Wrapperの設定画面が開きます。

Wrapperの日本語環境を設定
zLogをインストールする前に、Wrapperに不足している日本語フォント等をインストールしておきます。
下に3つ並んだボタンのうち、中央のWinetricksをクリックします。

上の検索バーに"corefonts"と"cjkfonts"をそれぞれ入力し、チェックを入れてRunをクリックします。
しばらく待つとインストールが完了します。
WrapperにzLogをインストール
zLog portalのDownloadページから、最新版のインストーラーをダウンロードします。
できたら、3つ並んだボタンのInstall Software→Choose Setup Executableから、ダウンロードしたインストーラーを選択します。
インストールはウィザードに従って進めばOKです。ただし、インストール先がデフォルトではD:\zlogwinとなっていますが、Cドライブ以下でないとSikarugirが認識しないので、C:\zlogwin等に変更してください。
インストールが完了するとSikarugirの実行ファイル選択画面が表示されるので、間違っていなければそのままOKをクリックします。もし間違っていたらBrowseをクリックしてzlog.exeを選択してください。

テスト実行
3つ並んだボタンの一番右のTest Runボタンをクリックして、zLogが起動するか確認します。
正しく起動して動作したら、一度zLogとSikarugirの設定画面を閉じます。
次回起動以降はzLog.appを起動するとそのままzLogが立ち上がります。
この時点で、ログ記録やZ-Linkは問題なく動作します。お疲れ様でした🎉。
リグコントロール設定
さらに、zLogからリグコントロールを行うための設定をします。
リグはIcom IC-9700とIcom IC-7300を使用しましたが、他のリグでも同様の手順で設定できます。
リグの設定
IC-9700とIC-7300はzLogのマニュアルに設定方法があるので、それに従って設定します。
他のリグでもこのマニュアルとリグの説明書を参考に設定してください。DATA OFFの変調入力を"MIC, USB"にするのと、zLogとリグで通信速度を合わせるのが重要です。
zLogのリグサポート状況が下記マニュアルに書かれているので確認してください。
Wineのシリアルポート設定
リグをzLogに認識させるには、zLogを動かしているWineにリグのシリアルポートを認識させる必要があります。
設定が終わったら、リグの電源を入れてパソコンに接続し、リグのシリアルポート名を確認します。Macのターミナルで以下のコマンドを実行します。
ls /dev/cu.*
私の環境では/dev/cu.usbserial-1410が出てきました。他にも複数出て来る場合が多いですが、リグを接続する前と後で変化したものがリグのシリアルポートです。
IC-9700の場合はポートが2つ表示されますが、どちらかが正解です。どちらも追加しておいて、zLogのハードウェア設定画面で試してみてください。
次に、zLogを開いている場合は一度閉じて、先程のWrapperの設定画面を開きます。
通常の方法でアプリを起動するとzLog自体が立ち上がってしまうため、Sikarugirの設定画面を開くにはFinderから操作する必要があります。
FinderからzLog.appを右クリック→パッケージの内容を表示で開き、Contents/Configure.appをダブルクリックして開きます。
私の環境ではzLog.appは/Users/<ユーザー名>/Applications/Sikarugir/にありました。
設定画面が開いたら、"Tools"タブから"Registry Editor"をクリックしてWineのレジストリエディタを開き、レジストリを追加します。
追加するキーは以下の通りです。キーのパスを開き、右クリック→新規→文字列値で追加してください。
- キー:
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Wine\Ports - 名前:
COM1 - データ:
/dev/cu.usbserial-1410(先程確認したリグのシリアルポート名)
複数のリグを接続する場合や、IC-9700のように複数ポートを持つリグの場合はCOMを適切に変更して追加してください。

そうするとzLogのハードウェア設定画面でCOM1が選択できるようになります。

リグ制御・キーイングのポート設定はこのようにします。
- RTS: PTT
- DTR: KEY

これでリグコントロールができるようになります🎉。
また、CQマシーン(自動でCQを出す機能)を使用する場合、PTT制御にチェックを入れ、電話の場合は音声再生デバイスに"USB Audio CODEC"を選択します。("USB Audio CODEC"は、リグを接続すると追加される、リグと音声をやり取りするためのデバイスです。)

CQマシーンの使い方の詳細はマニュアルを確認してください。
リグの設定のUSB変調入力の値は適切な値が環境によって異なるため、波形を見つつ調整してください。
おわりに
JA1YADでは今年のACAGからZ-Link、電信電話記念日コンテストからリグコントロールを導入し、コンテストにおける運用効率が大幅に向上しました。
この記事が、パソコンがmacOSであるために導入できていなかった方々の参考になれば幸いです。
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