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架空OL日記に学ぶリーダーシップ

2025/02/16に公開

どうも。某Saas企業でプロダクトエンジニアをしている伊藤です。
先日、地面師たちに学ぶリーダーシップというブログを書きました。あまり関係ないコンテンツを無理やりリーダーシップに結びつけて考えるというのが結構面白いなと思って、シリーズものにしたら面白いんじゃないかと友人と話をしていました。
ということで今回は、「架空OL日記」という映画からリーダーシップを抽出して学びを得ていきたいと思います。
流石に関係なさすぎて社内ブログには書けないのでzennに書いてみます。

架空OL日記とは

架空OL日記とは、芸人のバカリズムが脚本・主演を勤める日常系の映像作品です。映画とドラマがあり、今回は映画をみました。
以下、公式ブログの引用です。

お笑いはもとより、脚本、小説、イラストとマルチな才能を発揮し続ける唯一無二の芸人=バカリズム。彼が2006年から実に3年もの間、銀行に勤めるOLになりきり、日々のあれこれをこっそり綴っていたブログ。
鋭い観察眼によるリアル過ぎる日常は、多くの読者を「本物のOLだ」と信じ込ませ、著者の正体がバカリズムだと分かった時は「嘘だろ」「女心が分かり過ぎている!」「いや、頭おかしいだろ」など一躍話題騒然となった。

基本的に、上司の愚痴、憂鬱な仕事への嘆き、同僚との世間話などが主です。
ストーリーなどは平坦で展開なども特にないのですが、バカリズムの脚本なので普通のやりとりのお笑いセンスが高く、日常会話がとても面白いです。バカリズムのネタの延長みたいな感じの印象でした。

リーダーシップ

架空OL日記から感じたリーダーシップのエッセンスは主に二つです。
個々の事象は本質的には現実逃避なので建設的な会話は少ないですが、総合的にいうと、組織の文化形成の観点での学びを強く感じました。

文化の醸成

エピソード

同じ銀行員の男性上司で通称「一基」と呼ばれている人物がいます。OLの仲間内では嫌われています。
主人公と同僚の真紀が朝の朝礼での一基の行動について愚痴を言っていると、そこに後輩の紗英が現れ、一基の行動は私の行動が原因ですと言ってきたというシーンがありました。
愚痴の内容としては、「朝礼で一基がいつもと違う場所にいてムカついた」という内容でしたが、本当は紗英が一基の場所に先に行ったから一基が別の移動した、という経緯だったようでした。
ですが、主人公らは、「一基が悪いということにしてもらえないかな」と紗英に言いました。
本来一基は悪くないことがわかってしまいましたが、もう既に愚痴を言い始めてしまっているので、もう一基が悪いことにして愚痴で盛り上がろうよ、という意味で「今うちらに必要なのは真実じゃなくて矛先だからさ」と言いました。

学び

今回の主人公たちの言動はファシリテーション技術と見ることもできると感じました。
特に発散する内容の議論をしている場合、話題がいろんなところに外れがちです。議論をしっかりと着地させるためには、本来の目的を見失わずにちゃんと方向性を正してくれる存在が必要です。
今回の主人公たちのエピソードでの目的は「盛り上がること」なので、盛り上がるための話の流れを遮る本質的でない意見は流して議論を前に進めることが重要だと判断し、そういった言動をとったということです。

さらに、「一緒に盛り上がろう」という一体感を重視しています。今回の会話だけでなく、物語全体を通して主人公たちの組織は「チームワーク」を最重要視しています。
全員の一体感を作るために日々の会話で価値観のすり合わせを行っており、それに外れる言動があった時は話を中断してでもそれを理想の流れに持っていく動きをしています。小峰の結婚の話の時もそうです。
組織としての価値観を大切にし、それを全員で作り上げていく姿勢は、エンジニアリング組織においても重要だと考えます。
全員が同じ目標を持って価値観を共有すること、素直な意見を言うこと、ぶつかったら議論することを通して、心理的安全な組織を目指してチームビルディングを行っていくことが重要だと学ぶことができました。

常識を疑う

エピソード

主人公が「月曜の朝はみんないつもより性格が悪いから、月曜は休みにすべきだ」と言って真紀と盛り上がるシーンがありました。
月曜日は休み明けでみんなが憂鬱な気分だから、いっそ休みにしてしまおう。でもそうすると火曜が憂鬱になるから、火曜も休みにしてしまおう...と言う話をしていました。

学び

今までの当たり前に囚われず、変えられるものは全て変えたいと言う気持ちの表れと捉えることができるなと感じました。
「月曜は憂鬱だ」と言う感情だけで終わることなく、「みんなも同じで、その結果みんなの性格が悪くなっている」と言う考察に繋げ、「月曜を休みにする」と言う施策に落としています。

組織活動において、様々な会議帯やルールなどを作ることはどこもあると思います。朝は必ずみんなで話す時間を作ろうとか、問題が起きたから次からは毎回この観点をチェックできるように項目を増やそう、とかです。
そういった取り組みは最初こそ目的を意識して効果に繋げることができますが、時間が経って新規メンバーも入ったりすると本来の目的が忘れ去られてしまい、形骸化して無駄が多くなったりしがちです。
ずっと同じメンバーで同じことをしていると、どうしてもそういった部分に気付けなくなってしまうため、新しく入ったメンバーなどが組織に気づきを与えることも重要です。
「しょうがないこと」と見逃さず、より柔軟な視点で物事を変えていく姿勢が重要であると学ぶことができました。

まとめ

架空OL日記は日常を描いた作品ですが、リーダーシップの面で重要なことに改めて気づくことができました。
ユニークな人物像の裏には必ずリーダーシップが存在しています。これからも、コンテンツからより多くのことを学び取っていきたいと思います。

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