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ユニコーン企業のひみつを読んだ雑感

良かった。ところどころ気になるのを最初にまとめると。

・アジャイルは普通になった、という前おきとともに、エンタープライズではプロジェクト型のアプローチが普通であるという論調なのだけれど、アジャイルかつプロジェクトというのが著者のなかでのエンタープライズのベースなのだろうか? ぼくのイメージでは、ウォーターフォール型プロジェクトか、スクラムか、という感じだった。
・ユニコーン企業と言っているが、あくまで Spotify の話。
・Google のプラクティスよろしく、スケールが破格なのでできることでしょう、といううがった見方はできてしまう。とはいえ学ぶことは多い
・Spodity のカルチャーとスウェーデン人のカルチャーを結びつけて汎化する場面が多いのだけれどあまりピント来なかった。そもそもスウェーデン人がどのくらいいるのだろうか? 国籍でどうこういう時代でもないし。

過去の実績からわかったのは、トライブの理想的な人数は、下限を40 人、上限を150 人程度(ダンバー数†2)とした区間のどこかにあるということだ。
60ページ

というくだりがあるように、下限40人とかいう世界の話なので、3−4人のチームとはまったく世界が違う。とはいえ、スクラムだとおそらくエンタープライズアジャイルとか、スクラムチームをどう細分化するか見たいな話になってしまうのが、スクワッド、トライブ、チャプター、ギルド という独自の概念でやっているのがユニーク。

書籍中で、ただのマトリクス組織では? という問いがあって、

Spotifyの組織構造が実質的にはマトリクス組織のように見えたとしても、そんなやり方にはなっていない。Spotifyではもっとデリバリーを重視している。
70ページ

という回答があるのだが、これを読んでもつまりマトリクス組織では...? と思った。

ぼくにとってこの本がよかったのは、「計画よりもインパクト」という意識付けの重要性を与えてくれたこと。インパクトというのは要するに 事業上の KPI のことなんだけれど

スクラムのメトリクスとしてはベロシティが安定しているか、みたいなことを結構大事にしているが、本来、未来のことは予測できないのでイテレーションを高速に回そう、というモチベーションが agile にはあったはずで、スクラムのやっていることは、遠い未来のことは予知できないので近い未来のことを予知しよう、ということに過ぎない。実際、未来は遠かろうが近かろうが予知できない。そのうえ、ベロシティが安定していようがいなかろうが、事業が成長していればプロダクトは続くしそうでなければ続かない。開発チームも、中間指標よりも KPI、KGI に目を向けたほうがよい。

上述のとおり「インパクト」を重視せよとあるのだけれど、開発基盤がちゃんとしているか、自動化されているか、テストされているか、品質が高いか、ということは当たり前の前提になっているので、スピードと品質のトレードオフはない。(ゆえにテックカンパニーとされる)

余談だけどとにかく合議が大事なんだというのはへ〜と思った。全会一致圧力(結論を出すために自分の意志を曲げる)みたいなのが働かないのかなとか、問題が起きたときに説明責任はだれが持つんだろう、みたいなのはちょっと気になった。

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