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「ハッカーと画家」の"良いデザイン"についての章が響いたのでまとめる
1. 良いデザインの重要性
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良いデザインは美しい
数学の公式などが「美しい」と呼ばれるように、何か本質的な普遍性や機能性、シンプルさを含んだデザインは美しいと感じられる。 -
絶対的な基準としての「美」
「美」や「醜」は主観的と思われがちだが、実はどの分野にも通じる一定の共通項がある。良いデザイン・悪いデザインは確かに存在する。
2. 良いデザインの特徴
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単純である
- 不要な装飾を捨て、少数の要素を厳選して組み立てる。
- 飾りではなくコアな機能を正面から見つめることで、本質的な問題解決ができる。
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永遠である
- 流行に左右されず、色褪せない最良の解を目指す。
- 「100年後、1000年後にも支持されるものを作る」という意識は、現在の一時的なトレンドを超えた本質的価値を生み出す。
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正しい問題を解決する
- 悪いデザインの多くは「余計な労力をかける方向を間違える」ことに起因する。
- 問題設定を誤らないことが最も大切。
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想像力を喚起する
- デザインには、ユーザーの発想を広げたり、インスピレーションを与えたりする力がある。
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ちょっと滑稽
- どこかユーモアや遊び心があるデザインは、人を惹きつける。
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作るのは難しいが、仕上がりは簡単そうに見える
- 作り手が苦心していても、完成品は「簡単そう」「自然」に見えることが多い。
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対称性を使う
- わかりやすい秩序や調和をもたらす。
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自然に似る
- 人が美しいと感じるパターンには、自然界にある法則(螺旋や反復など)がしばしば含まれる。
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再デザイン・模倣の連続
- はじめから完璧なものは作れない。試行錯誤と改良を重ねることでクオリティが上がる。
- 過去の優れたデザインを学び、模倣しながら自分なりに発展させる。
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しばしば奇妙・大胆である
- 従来の常識やパターンを超えて新しさを生み出す場合、最初は「奇妙」と見えることもある。
- しかし、そこに本質的な価値があれば徐々に理解され支持されるようになる。
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集団で起こる
- 大きなデザインや発明は、しばしば複数の人のアイデアの組み合わせによって生まれる。
3. 美しいものを作るために
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醜さに注目して直す
実際に「美しさ」を生み出しているのは、「醜い部分をどう取り除くか」という作業の積み重ね。 -
分野を理解し、嗅覚を磨く
悪い部分に気づくためには、そもそもその分野に通じた知識や経験が必要。勉強と実践が欠かせない。 -
声を無視しない
「もっと良い方法があるんじゃないか」という内なる声に従い、納得いくまで改善し続ける。
4. まとめ
本書が強調しているのは、美しい仕事=良いデザインを行うための姿勢です。「なぜそれが美しいのか」を深く考え、抽象的な理想論で終わらせず、「実際に美しくない部分をどこまで修正できるか」に取り組むことが大切だと説いています。
これらはプログラミングやアートはもちろん、あらゆる創造的な分野に通じるマインドセットだといえます。制作物をどんどん再デザインし、醜さを取り除き、より良い形を追求していく。そのプロセスこそが、ハッカー的であり画家的ともいえる「作り手の真髄」なのです。
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