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アプリのオンボーディングは短い方がいいのか

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以下は YouTube動画「I Studied 1,460 Onboarding Flows. Here's What I Found.」を分かりやすく整理した書き起こしです。

1,000以上のオンボーディングフローを調査し、「優れたオンボーディングとは何か」「そもそもオンボーディングは必要なのか」を検証しました。

1,460のオンボーディングフローを調査して分かったこと

世間では「短くすべき」と言われがちですが、データが示す事実は異なります。

  • 平均的なアプリには25画面のオンボーディングがある。
  • 最もオンボーディングが長いカテゴリは「金融」「ヘルス&フィットネス」「教育」。特に長いアプリのトップ10のうち7つは金融アプリ
  • 最も長いオンボーディングを持つアプリの一部は、最も成功しているアプリでもある。
  • 逆に、最も短いオンボーディングを持つアプリのうち3つはAIプロダクト。

つまり、「単純に短くすること」は本来の目的ではないのかもしれません。

成功のパターンと「アハ・モーメント」

優れたオンボーディングは、以下のパターンをたどる傾向があります。
「サインアップ」 → 「アカウント設定」 → 「アハ・モーメント(Aha Moment)」

アハ・モーメントとは、ユーザーが製品の価値を本当に実感する瞬間のことです。

  • Airbnb:最初の予約を行うこと
  • Netflix:見たい番組を見つけて視聴すること
  • Mobin:気に入った画面やアニメーションを見つけてコレクションに保存すること

優れたオンボーディングの共通点

1. 機能ではなく「結果(Outcome)」を売る

優れたアプリは機能を羅列するのではなく、得られる結果をアピールしています。

  • Timo:製品がモバイルとデスクトップの両方でどう動くかをシンプルに見せる。
  • Front Butts:言葉を一切読ませず、アニメーションだけでアプリの機能を直感的に伝える。
  • Alma:サインアップの前にコアとなる体験を試すことができる(AI機能を登録前に試せるアプリは珍しい)。
  • Superhuman:退屈なサインアップ画面を製品のピッチ(提案)に変え、社会的証明(Social Proof)として有名企業のロゴを配置する。

2. 人間味(Human Touch)を持たせる

  • One year:フローの中に創業者の手書きの署名と手描きの花が添えられたノートを含めており、可愛らしい印象を与える。
  • Tinder:ユーザーの誕生日が近づいていることを認識して通知する。
  • Airbnb:オンボーディング外だが、初めてのスペース掲載に成功したアハ・モーメントの瞬間に、CEOからの動画を表示する。
  • Basecamp:アカウント作成後にCEOからのパーソナルノートを表示し、製品が意図を持って作られたと感じさせる。

3. パーソナライゼーションと価値の提示

調査したアプリの**23%がオンボーディング中にパーソナライズを行っていますが、AIアプリではわずか7%**でした(AIツールは事前に質問せず、ユーザーに使わせながら学習する傾向があります)。

  • Tide:アプリをダウンロード後、2つの質問に答え、おすすめのカスタマイズ画面を見てサインアップするだけのシンプルで短いフロー。
  • Headspace:ユーザーが複数の悩みを抱えていることに気づき、目標を1つに絞らせず「複数選択」できるように変更しただけで、無料トライアルのコンバージョンが10%増加
  • Focus Flight:オンボーディング中にマップのスタイルを選ばせ、使い始める前から「自分のアプリ」だと感じさせる。
  • Dollar Shave Club:クイズの文章を「会話調」に少し変更しただけで、サブスクリプション登録が5%増加

【クイズの回答が「何をもたらすか」を可視化するアプリ】

  • Endel:6つの質問に答えた後、製品を使う前にもかかわらず「効果がありそう」と感じさせる結果画面を表示する。
  • Bite pal / Bipal:クイズ後にパーソナルプランを作成し、「いつ目標を達成できるか」の正確な日付を伝える。
  • Brilliant:回答に基づいてパーソナライズされたコースを表示。オンボーディング完了後のホームページには、ユーザーが見たいコンテンツだけが配置されている。
  • Speak(言語学習アプリ):学びたい言語と目標を尋ね、1つの画面で「2ヶ月後にはフランス旅行でコミュニケーションできるようになる」と提示。「読むより話す方が目標に早く到達できる」ことをグラフで示し、タイピングではなく実際に「話す」ステップを事前に用意している。

ペイウォール(課金の壁)の工夫

900以上のアプリやウェブサイトのうち、**22%**がオンボーディング中にペイウォールを表示しています。

  • Beside:クイズと「1回限りのオファー」を組み合わせて緊急性を高める。
  • Timo:ペイウォールの前に、全画面で社会的証明(Social Proof)を提示する。
  • Focus Flight:ペイウォール自体を楽しいものにする。1回限りのオファーが「航空券」の形をしており、印刷されるタイミングでスマートフォンが振動する体験を提供。
  • Grammarly:クイズの回答に基づいて、テーラーメイドの料金プランを推奨。これだけでプランのアップグレードが約20%増加

長くても「短く感じる」オンボーディング

素晴らしいオンボーディングは、フローが長くてもユーザーにそれを感じさせません。

  • Duolingo:986アプリの中で最も長い部類に入る。言語を選び、学習させ、最初のレッスンを終えて達成感を得た後にアカウントを作成する。サインアップまでに60画面を通過するが、全く長く感じない。
  • Bump:ロード画面にも工夫がされており、認証画面のような通常は特別な扱いをされない部分にも滑らかなアニメーションを取り入れ、退屈さを排除している。
  • Bite pal / Bipal61画面もあるが、アニメーションが素晴らしく楽しい体験。アライグマのバーチャルペットに名前をつけ、「パーソナルプランの準備完了」「特定の日付までに痩せられる」といった価値を強調してからペイウォールを提示する。

ユーザーの負担を減らす(教育の前倒しを避ける)

情報を最初から詰め込むのではなく、段階的に伝えるアプローチも重要です。

  • Cake Equity:会社の株式投資スケジュールといった退屈な概念を、安心させるコピーや各ステップの影響を説明するツールチップを使って親しみやすくし、誰かに導かれているように感じさせる。
  • パスワード入力:入力中にリアルタイムで要件をチェックして完了マークをつけるなど、派手ではない些細な工夫が「行き詰まる理由」を排除し、体験を楽にする。
  • To-doアプリ:空白の画面(Empty State)を見せるのではなく、ポップアップやガイドツアーなしで、適切な場所に小さなナッジ(促し)を表示する。
  • Mural:ポップアップやバナーを「6ステップの明確なチェックリスト」に置き換えたことで、1週目のリテンションが相対的に10%増加。チェックリストは初期フローを閉じても残り続ける。(Mobinで「onboarding checklist」とAI検索すると類似のアイデアが見つかります)。

通知許可と摩擦(フリクション)の意外な効果

  • 通知許可のカスタム画面:OS標準の通知ポップアップを出す前にカスタム画面を挟むと、承諾率が大幅に向上する。
    • Brilliant:「長期的な習慣にするためのリマインド」と理由を明示。
    • Center:許可した場合にどのような通知が届くかをあらかじめ見せる。
  • iOSのオンボーディングがウェブより21%長い理由は、モバイルにはこうした権限許可やペイウォールの画面が多く組み込まれているため。
  • House:サインアップフォームを複数画面に分割する(あえて摩擦を増やす)ことで、コンバージョンが15%増加。「ある場所の摩擦が、別の場所の摩擦を減らす」ことがある。
  • 文化の影響:東洋の市場のユーザーは情報量の多いインターフェースに慣れているため、ある層にとっての「散らかり」が別の層には「効率的」と感じられる。これが他社の成功例をそのままコピーできない理由の一つ。

結論:オンボーディングは本当に必要なのか?

最高のオンボーディング体験をデザインするための「唯一の正解」はありません。
最も印象に残ったアプリの共通点は、**「オンボーディングだと感じさせず、ユーザーを素早く価値(Value)に導いている」**ことでした。
それは、長いフローに楽しさを加えることだったり、ユーザー自身で体験をパーソナライズさせることだったり、あるいは単に「邪魔をしない」ことだったりします。

Mobinのようなデザインインスピレーションを見つけるツールや、AIチャットアプリでは、製品自体が価値を語り、最初のプロンプトでユーザーは価値を見出します。こうした製品では、オンボーディングで邪魔をせず、ユーザーを素早く製品内に入り込ませるのが最良の体験になり得ます。

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