AIをサボらせたら、3Dモデリングができるようになった話
注意
この記事はAIに書かせています。
マイクラではできるのに、CADではなぜ箱なのか
以前、AIにマインクラフトで建築をさせている動画を見た。家の壁を積み、窓を開け、屋根を載せる。それなりに「建物」と呼べるものが出来上がっていた。
これを見て思った。CADでも同じことができるのでは?
試しに、AIにFusion 360で3Dモデルを作らせてみた。
結果は、ほぼ箱だった。

パラメータを変えても、プロンプトを工夫しても、出てくるのは箱か、せいぜい箱に耳が付いているか、穴が開いている程度のもの。図面のPDFを読ませて、寸法は拾えているのに、形にならない。
なぜマイクラなら建築できるのに、CADでは箱しか作れないのか。しばらく考えて、ふと気づく。
座標か、パターンか
マイクラの建築を観察すると、AIがやっていることは意外とシンプルだ。
- 「壁を積む」
- 「窓を開ける」
- 「屋根を載せる」
ブロックを1個ずつ座標指定しているように見えて、実際にはパターンの組み合わせで建築している。「壁」というパターン、「窓」というパターン。それを組み合わせれば家になる。
一方、CADでAIにモデリングさせようとすると、こうなる。
- XY平面にスケッチを作成
- (12.5, 0)から(12.5, 8.3)に線を引く
- (12.5, 8.3)から(0, 8.3)に線を引く
- プロファイルを選択して押し出し
- 新しい面のエッジを選択してフィレット
- ...
座標と手順の海だ。AIは寸法の計算、面の特定、操作の順序、エラーハンドリング——すべてを同時に考えなければならない。これでは、モデルの「形」を考える余裕がない。
人間のCADオペレータは、こんなふうには考えていない。図面を見て「ここにフランジがあって、四隅にボルト穴があって、中央にシャフト穴がある」と認識してから、手を動かす。座標は頭の中ではなく、図面に書いてある。
AIが溺れているのは、考えることの量だった。以前、AIと回路作成ができなかった記事を書いたときと同じ。思考負荷の問題。
ようするに、AIにサボらせればいい。考え過ぎは良くない。
仮説:CADもパターン化すればいけるのでは
マイクラとCADの違いが「パターン vs 座標」なら、話は単純だ。CAD操作もパターン化してしまえばいい。
具体的には、AIが指示を出すときの抽象度を、人間が図面を読むレベルまで引き上げた。
Before:座標ベースの指示
面のエッジリストからインデックス3のエッジを選択し、
始点(12.5, 0, 8.3)から終点(12.5, 20, 8.3)のエッジにフィレットR2を適用
After:パターンベースの指示
verticalな辺にフィレットR2
同じ結果になる。だが、AIが「考えること」は劇的に減る。
他にも:
| Before(座標) | After(パターン) |
|---|---|
| 法線ベクトルが(0,0,1)の面を選択 | 「topの面」 |
| 四隅の座標を計算して4つの穴を配置 | 「corners(30)に穴」 |
| 減算ブール演算用の中間ボディを作成→演算→削除 | 「subtract付きでシリンダーを作成」 |
「topの面に、corners(30)のパターンで穴を開けて、verticalな辺にフィレット」——これなら、図面のPDFを読んだAIが、そのまま指示に変換できる。
ポイントは、AIを賢くしたのではないということだ。AIが考える必要のあることを、減らしただけだ。
結果:PDF図面からモデルが出てくるようになった
このアプローチをFusion 360のMCPサーバーとして実装し、Claude(AI)に繋いで、実際のPDF図面を読ませてみた。
SG90マイクロサーボ
あの定番のサーボモータ。PDF図面を読ませたら、一発で形になった。

耳の部分、出力軸のボス、ケーブルの引き出し部分まで再現されている。もちろん完全ではないが、治具や取り付けブラケットの設計に使えるレベルだ。
オリエンタルモータ PKシリーズ(ステッピングモータ)
産業用のステッピングモータ。フランジ、シャフト、ボルト穴のパターンなど、機械設計でよく使う要素が詰まっている。

これもほぼ再現できた。 フランジの形状、シャフト径、取り付け穴の位置関係——図面から読み取った寸法がそのまま形になっている。あとはボディー側のフィレットなど、図面にない情報があればもっと完成度が上がりそう。
体感の精度
あらゆる図面で試したわけではないが、モーターのようなシンプルな形状なら、体感として8割くらいはまともな形になる。 「まともな形」というのは、周辺部品の設計を始められるレベルという意味だ。残りの2割は、複雑な曲面やR形状の連続など、パターン化しきれていない部分で崩れる。あと読みにくい図面はアウト。
Beforeがただの箱だったことを思えば、劇的な変化だ。
まとめ
AIに3Dモデリングをさせたければ、AIを賢くするのではなく、AIが考えることを減らすのが効く。
マイクラの建築から得たヒントは単純だった。座標ではなくパターンで考えさせる。「topの面」「verticalな辺」「cornersのパターン」——人間がCADを使うときの思考の粒度に合わせてやれば、AIもCADを使える。
これはCADに限った話ではないと思う。AIに複雑なタスクをやらせたいとき、「もっと賢いモデルを待つ」のではなく、タスク側の認知負荷を下げるというアプローチは、いろいろな場面で使えるはずだ。
今回作ったMCPサーバーはGitHubで公開している。
Discussion