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Emacs ユーザが3ヶ月くらい Zed 使って Emacs に戻った

に公開

前回の記事:
https://zenn.dev/hyakt/articles/02f3a76187ca2a
で Zed を使い始めましたが、結論から言うと、いまは Emacs に戻っています。
Zed は速いし、開発も活発で、良いエディタだと思います。
ただ、自分のユースケースには最終的に Emacs の方が合っていました。

この記事は Zed を下げる話ではなく、
「3ヶ月使ってみて、自分に必要な条件が見えた」という記録です。

背景

10年以上 Emacs を使っていて、
ここ最近は AI Agent 連携も含めて「今の開発体験」を見直したくなり、Zed を3ヶ月ほどメインで使っていました。

最初の印象はかなり良かったです。

  • 起動・操作が速い
  • AI 連携が最初から強い
  • 全体としてモダンで、導入直後から使える

一方で、使い込むと「ここが合わないな」が少しずつ積み上がってきました。

合わなかった点

先に断っておくと、これは完全に自分の好み・運用の問題で、Zed 自体が悪いという話ではありません。

1. 既定の開発スタイルが強い

Zed には「これがスムーズな開発体験」という前提が最初からしっかりあります。
ワークスペースで言うと、左パネルにファイルツリーやGitなど、中央にタブのエディタ、下にTerminalやDebugger、右にAI Agent。
安定したLSP、Diagnosticsはプリセットで用意してくれていてます。
モダンな感じでいわゆる現代のエンジニアが「思考の速度でコードを書く」方向の思想が強く入っている感じです。
それ自体はすごく良い設計だと思います。

ただ、自分は「開発におけるユースケースは人の数だけあるでしょ」というタイプなので、
最初から定義された快適さに自分を合わせる感覚が、徐々にしんどくなってきました。

例えばプロジェクト外のファイルを開きたいとき、
「ファイルを…簡単にファイルを開かせてくれ…」という気持ちになる瞬間が何度かありました。

プロジェクト単位でウィンドウを開いて開発するのがモダンなエディタだと理解しているし、大体はそれで問題ないのですが、それでも普通にファイルを開きたいときがあります。
もちろん機能としてできないわけではなく、ファイラーからマウスでぽちぽち開けば解決できますが、キーボード中心で完結したい自分には、引っ掛かりポイントでした。

こんな感じの Emacs での開発体験とのズレが積み重なると効いてくる感じでした。

2. 情報量が多く感じる

機能が多い分、画面上の情報量が多くなりやすく、
「いまはコードだけ見たい」時間にノイズを感じることがありました。

これは慣れや設定で改善できる部分もあると思いますが、
自分は最小表示に寄せる運用が好きなので、相性が出ました。

3. 拡張の自由度

Emacs に慣れていると、どうしても比較してしまいます。
「ないなら自分で足す」がどこまでできるか、が自分にとっては重要みたいでした。

Zedでも拡張はできますが、ユーザ単位で呼び出せるのが実質 Task のシェルスクリプト程度に限られるなど、Emacs のように好きに機能を足す自由度とは別物だと感じました。

4. アップデート時の安定性

開発が活発なのは本当に魅力です。
ただ、その分アップデートで軽いエンバグに当たることが何度かありました。

修正は比較的早いのですが、
日々使う道具としては「速さ」だけでなく「安定」も同じくらい重要だなと再認識しました。

5. Agent時代の学習コスト

最近は AI Agent が強いので、
「エディタの使いこなしを深掘る」動機自体が以前より弱くなりがちです。

だからこそ新しいエディタ習熟に時間をかけるより、
すでに手に馴染んでいる Emacs に戻した方が、自分は速く開発できました。

それでもZedは良いエディタ

ここまで書いておいてですが、Zed は普通に良いエディタです。
特に次のような人にはかなり合うと思います。

  • モダンな体験をすぐ使いたい
  • 高速な編集体験を重視したい
  • 活発な開発サイクルに乗りたい

実際、3ヶ月ちゃんと使えたのは、土台が良いからだと思っています。

なぜEmacsに戻ったか

理由はシンプルで、
開発のユースケースを自分で定義し続けられるから です。

Emacs は手間もかかるし、設定は沼です。
でも、その沼ごと含めて自分には必要でした。
そして使えば使うほど、Emacs は人類の叡智の結晶だな、という感覚に戻ってきます。
emacs-mac を長く使っていましたが、emacs-plus に変えてからクラッシュ頻度がだいぶ減った体感があり、この安定感も戻る決め手になりました。

おわりに

今回は「Zed がダメだった」ではなく、
「自分がエディタに求める条件を再確認した」という話でした。

今後また思い立って別のエディタを試す可能性もあります。
ただ現時点では、Emacs に戻ってかなり落ち着いています。

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