Webアプリを初めて作った日、私はもう迷わなかった
前回、ChatGPTとの出会いでコードが書けるようになった話をしました。今回はその先——初めてWebアプリを作った日の話です。
翻訳ツールを、10分で作った
最初に作ったWebアプリは、翻訳ツールでした。
海外の取引先とやり取りするとき、毎回使う。テキストを貼り付けてワンクリックで翻訳、そのままコピーできる。業務に直結する、一番シンプルなツールです。
VBAで同じものを作るとき、2〜3時間かかっていました。
Gemini Canvasで作ったら、10分でした。
VBAで作ったツールのスクショをそのまま貼り付けて、「これをWebアプリにして」と伝えただけです。
Canvasが生成している間、ほぼやることがなかった。完成したものをプレビューで確認したら、動いていた。

「だよね」と思った
正直、驚きませんでした。
第2回で話したように、同僚から「GeminiのCanvasでHTMLが動いた」と聞いてから試した。動くのはわかっていた。
だから最初に動いたとき、「だよね」という感覚でした。
これは第2回の「衝撃」とは違う感触でした。あのときは想像もしていなかったことが起きた。でも今回は——もう心配すらしていなかった。
VBAとAIを2年間組み合わせてきた自分が、ここにいた。
「これ、ランチャーが要るな」
翻訳ツールが動いた直後に、気づいたことがあります。
業務でよく使うツールは、翻訳だけではない。他のVBAツールも移植すれば、業務が変わる。そうなると、複数のツールを一つの場所から切り替えられる仕組みが必要だ、と。
イメージしていたのは、スマホのホーム画面みたいなもの。「翻訳」「検品」「マニュアル作成」のアイコンが並んでいて、タップすると各ツールが開く——そういう「ランチャー」です。
Canvasは一つのものを作るには最適でした。でも、複数のツールをまとめてブラウザから使えるようにするには、別の方法が必要だと——ソフトのことを何も知らないながらに、なんとなくわかりました。
そこで、ChatGPTに相談しました。
ChatGPTに「全部教えて」と言った
「複数のWebアプリをまとめて管理して、URLで公開するにはどうすればいい?」
そう聞いたら、ChatGPTはGitHub + Vercelを勧めました。
GitHubもVercelも、名前すら知りませんでした。リポジトリって何?デプロイって何?という状態でした。
仕組みも、言葉も、何もわからなかった。全部が英語だらけ。ほぼすべての手順で詰まった。それでも——全部聞けばいい。
画面のスクリーンショットを撮って、「この画面では何をすればいい?」と一つひとつChatGPTに確認しながら進めた。完全に専門外の領域でも、それで突破できた。
APIキーの扱いだけは慎重になりました。「キーが外部に漏れたら、知らない間に使われてしまう」——ハードウェア系の仕事で情報管理の厳しさは身に染みていたので、ここだけは念入りに確認しました。Vercelの環境変数として安全に設定する方法も、何が正しいのか全部ChatGPTに質問しながら進めました。
難しくはなかった。ただ、知らないことが多いから時間がかかった。それだけでした。
URLにツールが現れた瞬間
設定が終わって、Vercelにデプロイした。
URLを開いたとき——「よっしゃ」 と思いました。
驚きはない。でも、確かな手応えがありました。
Canvasで動いていたから、動かないとは思っていなかった。問題は「できるかどうか」ではなく「どうやるか」だけでした。それが解決した瞬間。
翌日、URLを同僚に送った。「すごい!早い!」と驚いた様子で返ってきた。
前日に「今HTMLで試している」と話したばかりだった。その翌日に、もうブラウザから使えるものが届いた。それが驚きにつながったのだと思う。
VBAのとき、「他のPCで動かない」と言われ続けてきた。そのストレスも、あの反応でまるごと消えた気がした。
「もうなんでもできる。」
残りのVBAツールも全部移植できる。新しい機能も足せる。今まで諦めていた「あれがあったらいいのに」が、全部現実になる——そういう確信でした。
そこから2ヶ月で、すべてが変わった
Vercelにデプロイできるとわかってから、考えることは一つでした。
早く全部のツールを移植して、どんどん改善したい。
それだけ。
第1回でも書きましたが、Webに切り替えてからわずか2ヶ月で、13個のツールが業務で稼働するようになりました。

「知らない」はもう怖くなかった
この体験を通じて、一つのことが確信になりました。
わからなくても、聞けば進める。
コードを書けない。仕組みを知らない。言葉すらわからない。それでも、ChatGPTに全部聞けば詰まらない。詰まらなければ、前に進める。
詰まることはある。でも「詰まったまま終わる」ことは、なくなった。聞き方を変えれば、また動き出せる。
次回は、この2ヶ月の裏側でAIコーディングツールがどう進化したかをお話しします。
シリーズ予告
| 回 | テーマ |
|---|---|
| 第1回 | 元ソニーの半導体エンジニアが〜 |
| 第2回 | ChatGPTに出会った日、私は一人でなくなった |
| 第3回 | ← 今回の記事 |
| 第4回 | AIコーディングツールの進化 |
| 第5回 | ソフト未経験でもAIで戦える――私が気づいた「強み」の使い方 |
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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