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最近のXRデバイスでCGと実寸の表示サイズ比較をしてみた

2025/02/13に公開

こんにちは。2025年最初のブログ投稿です。前回が2021年だったので4年ぶりの投稿でもあります。お元気でしたか?私は絶好調です。

3DCGの30cm定規と実物の30cm定規を比較してみた

今回はXRデバイス上に表示される 3DCGの30cm定規と実物の30cm定規を比較して大きさの違いがあるか比較してみました。

利用したのは、

  • Apple Vision Pro
  • Meta Quest 3
  • MiRZA (XRD-T01)

という3種類のデバイスです。

手法

  1. 30cm定規の3DCG を表示するXRアプリを作成し、実機で表示。
  2. 手元にある、物理的な30cm定規と横に並べて目視で目盛りを比較。期待としては目盛りがぴったり合って同じサイズになってほしい。
  3. 対象デバイスはApple Vision Pro、Meta Quest 3,MiRZAの3種類を利用
    • Apple Vision Pro は usdz形式で、Reality Composer Pro のPreview 機能を利用することで表示
    • Meta Quest3は Unityを利用してアプリを作成。パススルー機能を有効に。
    • MiRZAも Quest同様にUnityを利用してアプリを作成。
  • 3DCGの30cm定規
    • 3DCGの30cm定規
  • 実物の30cm定規
    • 実物の30cm定規

尚、Unity空間では 30cm定規の3DCG が 0.3 Unit のCubeのMeshと同じサイズになる事は確認しています。Unity空間上の1Unit が実空間上での1メートルに該当することが期待値です。

Unity Editor上での0.3 unitのCubeと30cm定規のCGの比較

実施結果

試した結果をまとめると以下のようになりました。

デバイス 結果
Apple Vsion Pro CGの方が少し小さい。 3-4%くらい。
Meta Quest 3 ほぼ同じサイズ。ただし、 30cm程度など、近距離だとCGの方が3%くらい大きい。
MiRZA CGの方が大きい。5-8%くらい

Meta Questでは、30cm定規が、パススルーの映像とほぼ同じサイズで表示されました。他のデバイスではサイズが異なって見えました。
詳細を後述します。

Apple Vision Proでの比較

  • Apple Vision Pro では先にも書いたように、Unityを使わずにReality Composer Pro のデバイスPreview機能を利用して比較を行っています。

  • USDZ形式の3DCGと物理定規を比較してみたのですが、写真のようにCGの定規の方が少し小さく表示されました。ただ、何度か試していると同じサイズに見えた時もあるのですが、全体的にはすこし小さく表示された印象です。

  • 物理定規を手に持って3DCCに近づけると、ハンドトラッキングが反応して、3DCGが回転してしまうので、写真のように、手を布で隠しながら近づけています。

  • なお正規の近視用インサートレンズをつけた状態で目視確認をしています。(ただ、録画データでも違いがわかるので、インサートレンズの有無は関係ないと思います)

  • Apple Vision Proでの比較1

    • Apple Vision Proでの比較1
  • Apple Vision Proでの比較2

    • Apple Vision Proでの比較2

Meta Quest 3 での比較

  • Meta Quest 3では,腕を伸ばし切った状態(60-70cm程度でしょうか)では、画像のようにほぼ同じぴったりサイズで表示されました。

  • いっぽう近くでしっかり見ようと、30cm程度の距離で比較すると、CGの方が大きく見える気がしました(画像はありません)

  • パススルーカメラのレンズのゆがみなのか、近距離だと誤差が出るようでした。

  • Meta Quest 3での比較1

    • Meta Quest 3での比較1
  • Meta Quest 3での比較1

    • Meta Quest 3での比較2

MiRZAでの比較

  • MiRZAは透過型のシースルーXRグラスのため、現実の世界はカメラ越しではなく、直接見ることができます。

  • 試した結果としては、3DCGが実物の3DCGよりも大きく表示されました。Questとは異なり、、30-70cmくらいの距離の間では距離は関係なく全体的に大きく表示されました。

  • SnapdragonSpacesSDKを用いたUnityアプリの開発サンプルシーンにおいてカメラのNear Clip は 0.3に設定されています。(この0.3ってUnityのCameraの標準でしたっけ?)この状態ではCGに近づくと、ClipされてCGが消えてしまうためNearClipを 0.05などに変更して、動作確認を行っています。

  • MiRZAは画面録画を簡単に実施する方法が無かったので、画像がありません。

  • 近視なので、コンタクトレンズを装着した状態で検証しています。(メガネ on メガネではありません)

まとめ、免責

  • 試した結果腕を伸ばした程度の距離ではMeta Questが一番実寸大のサイズに近かったです。
  • あくまで目視中心に行った、雑な検証結果なので結果の保証は無いので参考までに考えてください。
  • より遠方などではまた結果は変わるかもしれません。
  • XR空間で物理空間の距離を測ったり比較をするとき、このあたりの精度の担保はなかなか難しいなと、あらためて思いました。

この記事は、別ブログ に2025年1月に投稿した内容の転載です。

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