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torinome(トライノーム)樹木アセットの作成

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1. 概要

ホロラボでは、地上型のレーザースキャナーから取得された樹木の点群データを基に、詳細な樹木モデルを作成する手法を独自に構築してきました。これまで作成していた樹木モデルは高精度な樹形再現性を実現する写実的なモデルでした。(資料リンク:レーザ測量に基づく詳細3D樹木モデルの作成と建設業界に向けた需要と展望

しかし、都市スケールでの利用を前提とした場合、多数の樹木モデルを配置するためには、容量や計算負荷の最適化が求められます。そこで、ホロラボが手掛けるWebベースの都市デジタルツイン基盤システム「torinome(トライノーム)」での活用を見据え、軽量化された樹木モデルの整備を行いました。

また本取り組みは、国土交通省が推進する都市のデジタルツイン「Project PLATEAU」における植生モデルの整備と活用が進む中で、都市モデル上での樹木データの重要性が高まっていることも背景にあります。

2. Project PLATEAUにおける植生モデル


Project PLATEAUでは、都市の3Dモデルの整備が進められ、その一環として植生モデルの標準化と利活用が推進されています。PLATEAUの植生モデルには、以下のようなLOD(詳細度)分類があります。

  • PLA_LOD1: 植生の形状をそれが占有している範囲(面)に一律の高さを与えた立体として表現する植生モデル
  • PLA_LOD2: 植生の形状を立体とし、その主要な部分の外形を面の集まり又は立体として表現する植生モデル
  • PLA_LOD3: 植生の形状を立体とし、その主要な部分の外形を面の集まり又は立体として詳細に表現する植生モデル

※ 文中でのPLATEAUとホロラボで定義した詳細度(LOD)の表記の混乱を避けるため、
  PLATEAU定義のLOD → PLA_LOD番号
  ホロラボ(Hololab)定義のLOD → Holo_LOD番号
と表記しております。

ホロラボにおける軽量版樹木モデルをPLATEAUにおける植生モデルを参考に設計することで、より広範な利活用が期待できます。

3. ホロラボにおける軽量版樹木モデル


ホロラボでは、従来の写実的なHolo_LOD5モデルよりも軽量なモデルを開発し、用途に応じたLODを定義しました。これらホロラボの軽量版樹木モデルにより、都市スケールでの大規模配置が可能となり、計算負荷を抑えつつ、視覚的なリアリティを維持できます。

  • Holo_LOD3: PLATEAUのPLA_LOD3から逸脱しないよう設計した標準的となる都市スケール樹木モデル
  • Holo_LOD4: PLATEAUに該当する定義はないが、簡略化されながらも独立した葉のモデルを持ち、都市デザインの植栽イメージに明確な解像度を付与するモデル

ホロラボの軽量版樹木モデルは、PLATEAUの植生モデルとの整合性を意識して設計されています。特に、Holo_LOD3モデルはPLA_LOD3の定義から逸脱しないよう設計し、都市スケールでの標準的な樹木データとして活用できるようになっています。

一方で、Holo_LOD4モデルはPLATEAUには定義がないため、軽量かつある程度の写実性も担保する独自の仕様として開発されました。これにより、都市デザインの視点で植栽の計画を視覚的に可視化しやすくなります。

4. ホロラボ軽量版樹木モデルの特徴



ホロラボの樹木モデルは、地上型のレーザースキャナーによって取得された実測データを基に作成されており、以下の特徴を持ちます。

  • LODに関わらず樹形の再現性を重視
  • 地上バイオマス量(AGB)推定ツールを活用し、属性情報としてモデルに付与可能
  • 都市スケールでの広域配置に適した軽量化
  • Project PLATEAUにおける植生モデル標準を意識した設計

5. 今後の展望


今後、ホロラボでは以下のような展開を予定しています。

  • 都市の景観・緑地計画への活用: Holo_LOD3、Holo_LOD4モデルを活用し、都市の植栽計画やランドスケープデザインを支援。
  • グリーンインフラ整備: バイオマス量データを活用し、環境負荷低減や都市機能向上を図る。
  • 更なる最適化: 計算負荷を抑えつつ、視覚的な品質を向上させるモデルの開発。

都市の3Dモデルが広がる中で、樹木モデルの重要性はますます高まっています。ホロラボは今後も、標準化や実用性を考慮した樹木モデルの開発を進めていきます。

6. 謝辞

本プロジェクトの樹木モデル作成にあたり、東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科 ランドスケープデザイン・情報学研究室の國井洋一先生より、東京農業大学世田谷キャンパス内の地上型のレーザースキャナーによる計測データをご提供いただきました。厚く御礼申し上げます。

また、本取り組みに関心をお持ちの方は、ぜひホロラボまでお問い合わせください。

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