📌
企業の暗号資産を監査可能にする監査ログ基盤の作り方

TL;DR
- 前提を記録し、再現可能にし、証跡を束ねる。
- 監査は“あとから説明できるか”で決まる。イベントソーシング+改ざん検知が効く。
- 本稿は、基盤設計/スキーマ/ハッシュ証跡/仕訳生成までを具体化する。
この記事の射程
- 対象読者:会計・監査要件に直面するエンジニア/データ担当
- 対象資産:BTC/ETH/USDCなど主要チェーンおよび取引所口座
- ゴール:“説明可能性”を担保する監査ログ基盤を、小さく作って大きく育てる手掛かり
まず要件定義:会計・監査・リスクの共通言語化
現場でぶれるのは「要件語彙」です。下記の共通語彙を置きます。
- 完全性:対象期間・対象口座・対象チェーンの取りこぼしがない
- 正確性:数値(数量・通貨・時価・手数料・為替)の計算根拠が再現できる
- 改ざん耐性:検知可能かつ否認防止(誰がいつ何を変更したか)
- 追跡可能性:イベント → 正規化 → 会計仕訳 → 集計の双方向トレース
- 監査容易性:標本抽出→根拠提示を自動束ねで30%時短を狙う
Discussion