🐙

なぜ私は2020年以降、ハッカソンに参加しなくなったのか

に公開1

なぜ私は2020年以降、ハッカソンに参加しなくなったのか
はじめに
かつて私は、ハッカソンが大好きでした。
週末ごとに仲間と集まり、短期間でプロダクトを作り上げ、ピッチして、賞を目指す。あの熱量、スピード感、非日常の空気──全部が魅力的だった。

でも、気づけば2020年を最後に、一度もハッカソンに出ていない。
誘われても断るようになり、興味も自然と薄れていった。

この記事では、なぜ私がハッカソンから距離を置くようになったのかを、素直に振り返ってみます。

  1. 「作って終わり」の虚無感が残った
    ハッカソンで作ったプロダクトの多くは、その日限りの“デモ用”。
    スライドやプレゼンは盛り上がるけど、イベント後にそのプロジェクトが育つことはほとんどありませんでした。

「動くけど使われない」
「面白いけど継続しない」
そんなプロダクトを何度も作っていくうちに、達成感より“空しさ”のほうが大きくなっていきました。

  1. “急ぐ開発”に疲れてしまった
    短期間で結果を出す、というハッカソン特有のスピード感。
    昔はそれが刺激的でした。でも、経験を重ねるほどに、**「設計しないツケ」「テストを省くリスク」**の重要性を知るようになりました。

ハッカソンの開発では、

とりあえず動くものを最優先

技術的負債は無視

UIも中身も「見せる用」にチューニング

これが徐々に自分の開発スタイルとズレ始めていたのだと思います。

  1. 本当に作りたいものは、そんなに急いで生まれない
    最近の私は、「使われるもの」「長く続くもの」を意識してプロダクトを作っています。
    そうなると、2日間で作って終わるスタイルではなく、じっくり悩んで改善していくプロセスが必要になります。

アイデアを寝かせてみる

実際のユーザーに話を聞く

小さく出して、少しずつ磨く

これはハッカソンとは真逆のペース。でも今の自分には、そのほうがしっくりきています。

  1. 「勝ち負け」より「積み重ね」の方が大事になった
    ハッカソンには競争要素があります。
    「賞を取るか」「目立つか」みたいな視点になりやすく、評価軸が“外向き”になりがちです。

今の私は、そういった競争よりも、

毎日少しずつでも進めること

昨日の自分より1ミリでも良くなること

技術よりも習慣を大切にすること

そんな“地味な積み重ね”に価値を感じるようになりました。

おわりに
ハッカソンを否定するつもりはありません。
むしろ、かつての自分にとっては最高の学びの場だったし、多くの出会いや成長がありました。

でも、ライフステージが変わり、価値観が変わり、目指す方向が変わった今、私は**「一瞬の輝き」より「長く続くもの」**を選びたいと思うようになりました。

もしかしたらまたいつか、違う形でハッカソンに関わる日が来るかもしれない。
でも今は、自分のペースで、静かに、深くものを作る日々を楽しんでいます。

Discussion

Kento MaruyamaKento Maruyama

めちゃめちゃわかります。
ハッカソンやアイデアソンのようなイベントで、それっきりで終わる人と、本気で取り組み始める人で別れる気がします。

もしかすると、この種のイベントはそういった"本気で取り組み始める人"を創出するイベントかもしれませんね。