IT系個人事業主の確定申告のポイントとまとめ
概要
本記事では、サラリーマン兼IT系(スマホアプリ系)の個人事業主の確定申告についてまとめています。
私自身が去年からサラリーマン兼個人事業主になったので、今年初めて青色申告の確定申告をしました。調べないと分からない部分があったり、通常の確定申告と比較すると作業量が増えますが、クラウド系会計(確定申告)ソフトを使えば青色申告もそれほど難しくない感じでした。
まずやるべきこと
開業届を出してして個人事業主になったら(なるその年から)、すぐにやるべきことは以下です。
- プライベートとは別の事業専用の銀行口座を作り、そこでお金の出し入れを管理する
- 経費の支払い用途など、クレジットカードもプライベートのものとは別のものにする
というのも、その年の開始(1/1)と終了(12/31)時の銀行口座残高を管理し、その残高と一致するように全てのお金の出し入れの履歴を1件1件ごとに記録して最終的に確定申告に必要な書類(青色申告決算書)の作成に必要になるため、プライベートと事業を混在させていると確定申告の時期に手間がかかって辛くなります。マジで分けることをお勧めします。
事業専用の口座とクレジットカードでお金の出し入れを管理し、それをクライド会計ソフトで自動連携させてておくと確定申告の時期に楽になります。
どのクラウド会計ソフトがいいか?
結論から言うと、マネーフォワードクラウド確定申告を使っています。選んだプランは、パーソナルです。パーソナルミニでも機能的には大体大丈夫なのですが、ミニだと電子ファイルのアップロードが5件/月が上限で、確定申告の時期にまとめて経費の電子ファイルをアップロードする必要があり(日頃から毎月対応していれば私の場合はミニで十分)、渋々パーソナルにしました。
今まで確定申告はe-Taxで対応していたのですが、e-Taxでは青色申告決算書は作れないし、日々の会計の情報管理が出来ません。また、私は青色申告決算書を会計ソフトなしで作れる気が全くしなかったため、最初からどこかのクラウドサービスを使うことを考えていました。
マネーフォワードを選択
なぜマネーフォワードにしたのか?
以下の2つが理由です。
- プライベートでもマネーフォワードMEを使っていた
- 他のクラウドサービスよりも価格が安かった
とにかく確定申告するのに十分な(電子帳簿保存法含め)機能さえあれば、あとは安ければ安いほど良いと言う感じでした。
マネーフォワードを使った感想
大きな問題はなかったものの(1件、不具合と思われるものがあり、意図的にワークアラウンドで対応)、正直、初心者向けではなく分かりづらい部分があるなどまだ改善が必要だと思いました。今時点では素直に他人に勧められるほどいい!っていう点はないかもです。
と言うのも、青色申告を除く通常の確定申告の入力部分でも初心者の人はどれを入力すればいいのか迷うような感じになっていました。長年e-Taxを渋々使ってきた私から見ても、もしかしたらe-Taxの方が使いやすいかも?と思う感じです。
一方、青色申告の方に関しては、初めて使ったかつ他のサービスを知らないので何とも言えませんが、自分で色々調べて知識を付けないと、ガイダンスに従って入力していけば、はい!完成みたいな感じではなかったです。そもそも専門用語が沢山ある(仕訳とか)ので、どのクラウド会計ソフトも初心者には優しくないのかもしれません。それはそれとして、改善してほしいなと思ったのは、通常の会計仕訳を入力していくマネーフォワードクラウド確定申告のサービスと、確定申告のサービスが別ページになっており(別ページ自体なのはいいとして)、事業の方で入力していった仕訳の会計情報が一部は自動で確定申告に反映されるが、一部は自動では反映されず、手動で数値を入力しないとダメな部分があったりして、理解するまでに時間がかかりました。正直初心者向けではなかったです。
アプリ開発の個人事業主が理解すべきポイント
基本的に、売上(計上と入金)に関わる仕訳と、経費に関わる仕訳を正しく理解して入力していけば、青色申告決算書が作れます(クラウド会計ソフトが自動生成してくれる)。
以降、私が調べないと分からなかった(迷った)内容です。
メモ用に使っていたスクラップ:
開業費
個人アプリ開発者の場合、開業費用に大きな費用がかかる気があまりしませんが、開業費は別枠で開業費として繰延資産として扱えます。しかし、10万円以下の場合は開業日の通常の経費として計上します。
サブスク系の勘定科目
会計やChatGPTなどのクラウド系のサービスのサブスクの勘定科目は通信費での扱いが多そうですが、消耗品費とかでも別に問題はなさそうです。私は全て通信費で対応しました。
サービス利用料金のキャッシュバック受け取りの扱い
何かクラウドサービスを利用し、それの現金キャッシュバックなどのキャンペーンで後から時間差で現金が入金された場合、その金額は入金(キャッシュバックされたタイミングで)の仕分けは雑収入として扱います。
経費で何か購入した場合のポイント
ポイントが付与される場合、上記同様にポイント付与のタイミング(多くは購入時だと思います)で雑収入の仕訳で対応します。
経費をクレジットカードで支払う
経費として代金を支払った日時と、クレジットカードから毎月の利用額の引き落としが発生する日付の2つの処理が必要になるので注意が必要です。
個人プライベートのカード・口座を利用した場合
カード決済日付の情報のみ入力し、口座から引き落としされた時の情報は不要です。貸方勘定科目は事業主借
を選びます。また、プライベートのカードを使った場合と事業用のカードを使った場合でも対応が異なるため注意が必要です。面倒くさいので冒頭言ったように事業専用のクレジットカードを使いましょう。
参考文献: https://biz.moneyforward.com/support/tax-return/journal-knowledge/dj09.html
事業用のカード・口座を利用した場合
参考文献: https://biz.moneyforward.com/support/tax-return/journal-knowledge/dj08.html
プライベート(生活費)用にお金を引き出す
これも記録と処理がちゃんと必要です。借方勘定科目が事業主貸
、貸方勘定科目が普通預金
として処理します。
銀行口座の預金利息
参考文献: https://biz.moneyforward.com/support/tax-return/journal-knowledge/dj34.html
Google AdMobの広告収益
運営会社はGoogle Asia Pacific Pte. Ltd.
となり、取引先こちらが正しいです。AdMobからログインしてページの下の方に小さくある利用規約を見えればそう記載されいます。
AdMobを利用した広告収益に関しては国外取引に該当します。
Google Play Console アプリ内課金での収益
Google AdMobと同じ会社が取引先です。
銀行振り込み時の手数料
借方勘定科目は支払手数料
となります。
売上・入金の基本的な扱い
Google系のサービスを利用して売上を立てている場合にはまさにこれですが、毎月の売上確定とその確定金額の入金タイミングが異なる場合にはそれぞれのタイミングで処理が必要です。
売上確定時
借方: 勘定科目「売掛金」
貸方: 勘定科目「売上高」
入金時
借方: 勘定科目「普通預金」
貸方: 勘定科目「売掛金」
バーチャルオフィス代の経費の仕訳
ちょっと不思議な気がしますが、支払手数料
とするのが正しいみたいです。バーチャルオフィスの住所に届いた郵便を自宅などに転送してもらう時にかかる費用の仕分けは通信費
です。
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