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新登場のMicrosoft Copilot・AI認定資格ABシリーズ概要(AB-900/730/731)

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なぜ今この資格が生まれたのか

2023年11月にMicrosoft 365 Copilotが一般提供を開始して以来、Copilotは急速に拡大してきました。

CopilotはMicrosoftが提供するAIサービスの代表格であり、普段使い慣れたOfficeアプリの中でシームレスに動作したり、社内データ保護の観点を担保してくれる点から業務効率化・標準化に大きく貢献してくれています。

とはいえ、まだこんなお声もよく聞きます。

  • 「うちの組織でCopilotって使えるの?」
  • 「導入したいけど、どこから考えたらいいの?」
  • 「どんな注意点やリスクがあるの?」

年々進化を続けるCopilotですが、まだCopilotを導入していない経営者・情シス・管理職の方々にとっては、「何から手をつければいいかわからない」というのが正直なところではないでしょうか。

こうした組織の疑問や不安を解消し、AI活用を適切に支援できる人材を育てるために生まれたのが、今回紹介する 「ABシリーズ」 です。

Microsoftは2025年11月のMicrosoft Ignite直前にこの新しいAI資格シリーズを発表し、「AB-900・AB-730・AB-731」 の3試験がベータ試験として公開され、2026年2月に正式リリース(GA)を迎えました。


メダルの色もこれまでとちょっと違う

https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/ai-business-professional/?practice-assessment-type=certification

ちなみに、従来のMicrosoft 365 Fundamentals(MS-900)などの資格は2026年3月末に廃止予定とのこと。AIビジネス時代に合わせた新しい資格体系へと移行が進んでおり、ABシリーズが新しくその中核を担うようです。

ABシリーズの概要と価値

ABシリーズはこれまでのMicrosoft認定資格と基本的な仕組みは同じです。
試験に合格すると資格証明書が発行され、受験料は他と比べてほんのり優しい$99(約15,000円)。

Fundamentals資格(AB-900)は有効期限なし、Associate資格(AB-730・AB-731)はMicrosoft Learnのオンラインアセスメントで更新可能です。

その上でABシリーズならではの特徴が、「役割に応じたAIスキルの可視化」 です。
従来の資格は技術者向けが中心でしたが、ABシリーズは IT管理者・ビジネスユーザー・経営幹部 と、組織内のあらゆる立場に対応しています。取得することでAIスキルを社内外に示せるだけでなく、お客さまへの提案や支援の場でも信頼の裏付けになります。
Microsoftが定義する「AI活用の標準」を体系的に学ぶ羅針盤にもなり、組織全体のAI推進の土台として活用できるのも魅力です。

ちなみに、ABとは「AI Business」の略です。

3試験の違いを一覧で比較

ではこの3つの試験何が違うの?というとこのような感じ。

項目 AB-900 AB-730 AB-731
試験名称 Copilot & Agent Admin Fundamentals AI Business Professional AI Transformation Leader
レベル Fundamentals Associate Associate
主な対象者 IT管理者・システム管理者 ビジネスユーザー・業務担当者 マネージャー・経営幹部
技術的深さ 中(管理・ガバナンス中心) 低〜中(実践的Copilot活用) 低(戦略・変革中心)
主要プラットフォーム Microsoft 365, Entra, Purview M365 Copilot, Word, Excel, Teams Azure AI, M365 Copilot
推奨学習時間 15〜25時間 20〜30時間 30〜40時間
受験料(目安) 約$99 / 約14,000円 約$99 / 約14,000円 約$99 / 約14,000円

各試験の詳細:対象者・内容・学習ポイント

AB-900:Microsoft 365 Copilot & Agent Administration Fundamentals

対象者

IT管理者・システム管理者・セキュリティ担当者など、Microsoft 365環境を運用・管理する立場の方 が主な対象です。
技術的な設定や管理ポータルの操作に慣れていることが前提となります。

主な試験範囲

  • Microsoft 365の主要サービスとCopilotのライセンス管理
  • Microsoft Entraを使ったID管理・アクセス制御
  • Microsoft Purviewによるデータ保護とコンプライアンス
  • Copilotエージェントのライフサイクル管理(作成・デプロイ・監視)
  • 責任あるAIの原則とガバナンス

学習のポイント

実際の試験では「MS-900よりもPurviewの比重が高い」との受験者レポートが複数あります。
データ保護ポリシーやDLP設定の理解が合否を分けるポイントです。また、Copilotエージェントの管理はCopilot Studioを中心とした新しい知識が求められます。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/resources/study-guides/ab-900

AB-730:AI Business Professional

対象者

マーケティング・営業・HR・プロジェクト管理・カスタマーサービスなど、あらゆる業務部門のビジネスユーザー を対象とします。
コードを書く必要はなく、Microsoft 365アプリを日常的に使いこなしている方であれば挑戦できます。

主な試験範囲

  • Word・Excel・PowerPoint・Outlook・TeamsでのCopilot実践活用
  • Copilot Researcher・Copilot Analystの使い方
  • プロンプトエンジニアリングの基礎(効果的な指示の書き方)
  • Copilotエージェントを使ったデータ分析・タスク自動化
  • AIガバナンスと責任あるAIの理解

学習のポイント

試験は実践的なCopilot活用能力を問うもので、「どのアプリでどのCopilot機能を使うか」の判断力が試されます。受験者レポートによると、各M365アプリにおける具体的なCopilotの使用シナリオを把握することが最重要です。プロンプトの書き方の良い例・悪い例を理解しておくと有利です。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/resources/study-guides/ab-730

AB-731:AI Transformation Leader

対象者

シニアマネージャー・部長・CxO・エンタープライズアーキテクト・DX推進担当者など、 組織全体のAI変革を牽引する立場の方 を対象とします。
技術的な操作よりも、戦略立案・変革管理・リスクガバナンスの能力が求められます。

主な試験範囲

  • 企業全体のAI導入戦略の策定と実行
  • Azure AIサービス・Azure AI Foundryの概要理解
  • AIガバナンスフレームワークとリスク管理
  • 組織文化の変革・チェンジマネジメント
  • Copilotライセンスとビジネスケースの構築
  • AI導入のROI評価と成果測定

学習のポイント

AB-731はAB-730と比べてAzure AIサービスの比重が高く、「どのAzureサービスをどのシナリオで選ぶか」の判断 が求められます。
一方でポータル操作の設問はほぼなく、ビジネスインパクトと変革管理の視点が中心です。AB-900・AB-730で培った基礎知識を踏まえつつ、経営的視点でAIを語れる力を養いましょう。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/resources/study-guides/ab-731

体系的に学ぶ価値:3試験の相乗効果

ABシリーズを体系的に学ぶことで得られる最大の価値は、「組織全体でAIを語れる共通言語の獲得」 です。

IT管理者がAB-900で習得した管理・ガバナンスの知識は、現場担当者のAB-730での実践活用を支える基盤となります。
そして経営層がAB-731で習得した変革戦略は、IT部門と現場部門の取り組みを一つの方向性にまとめる羅針盤となります。

AI推進プロジェクトへの活用シナリオ

  • DX推進担当者がAB-731でROIフレームワークを習得 → 経営陣へのAI投資説明力が向上
  • IT管理者がAB-900でセキュリティポリシーを策定 → 安全なCopilot展開の実現
  • 現場チームがAB-730でCopilot活用スキルを獲得 → 生産性向上の実績が積み上がる

次のステップ:AB-100(Agentic AI Business Solutions Architect)

ABシリーズの上位資格として 「AB-100:Agentic AI Business Solutions Architect」 も登場しています。

AB-100はエンジニア・アーキテクト向けの「設計・構築する」を問う資格です。
対象者も技術レベルも異なるため、本記事では別枠として紹介します。
内容はマルチエージェントオーケストレーション・MCP/A2A標準・自律ワークフロー設計など、より高度なAIアーキテクチャ設計能力を認定する資格です。
AB-900〜731の3試験はAB-100への準備ともなりそうです。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/resources/study-guides/ab-100

乗り遅れる前にぜひ

CopilotはじめMicrosoftのAI関連サービス弊グループ内でもすでにないと回らないレベルで活用していますが、これからはもっと広範囲でもっと高度に活用される時代が来ると思います。

ABシリーズはこのタイミングに合わせて出てきた資格なので、今追いかけておくのは悪くない選択だと思います。
私自身もまだ受験できていないのですが、学習ガイドを読むだけでも整理になったので、ぜひ一緒に追いかけましょう。

ヘッドウォータース

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