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ストレージの仮想化について

2025/01/21に公開

27歳で新たにIT業界に挑戦した株式会社HESの川添です。
この半年間の業務を振り返る中で、頻繁に耳にした「仮想化」について、今回記載したいと思います。

仮想化とは

「仮想化」とは何か、調べたところ下記のように記載されておりました。

「仮想化」とはソフトウェアによって複数のハードウェアを統合し、自由なスペックでハードウェアを>再現する技術で、限られた数量の物理リソース(CPU、メモリ、ハードディスク、ネットワーク等)>>を、実際の数量以上のリソース(論理リソース)が稼働しているかのように見せかける事。
仮想化されたハードウェアはソフトウェアによって自由に設計できるため、柔軟性の高いシステムを構築できる。1)

出典:1) 富士ソフト. “仮想化について.” 富士ソフト公式サイト, https://www.fsi.co.jp/solution/vmware/knowledge/virtualization.html, (参照2025-01-19).

初めて「仮想化」という言葉を聞いた時はあまりピンときておりませんでしたが、実際のストレージの仮想化の業務に関わったことで仮想化がどういったものか少しだけ理解することができました。

以下に、手順のどの部分が「仮想化」に該当するかをわかりやすく説明を加えたいと思います。


ストレージの仮想化

ストレージ仮想化は、物理的なストレージデバイスを1つの論理的なストレージリソースとして扱う技術です。
前回の記事でも記載しましたが、「既存のストレージの容量を追加したい」という依頼があり、実際には3TB分の容量を追加しました。
容量追加に伴い下記作業を実施しましたが、「仮想化」の部分に着目して記載いたします。

1. ディスク追加

物理的なディスクをストレージ装置に追加します。
容量として3TB追加しました。
この部分は物理的な操作であり、まだ仮想化の準備段階になります。

2. パリティグループの作成

RAID構成(例:RAID6)を用いて複数の物理ディスクを論理的に1つのグループにまとめます。この工程では、RAIDによって冗長性が確保されます。
※ただし、仮想化の本質は「物理ディスクを論理的な単位として扱うこと」であり、RAID構成の有無に関わらず、シングルディスクの場合でも論理的に扱う必要があります。このため、RAIDやシングルディスクにかかわらず「仮想化」の工程は共通して重要です。

  • 「論理的に扱う」というのは、物理的なハードウェア(例えばディスク)をそのまま扱うのではなく、ソフトウェアによって抽象化し、使いやすい形で管理・利用できるようにする事です。

  • RAID構成: 複数の物理ディスクを組み合わせて1つのまとまり(論理グループ)として扱います。これにより、冗長性(データの安全性)やパフォーマンス向上を図ることができます。

  • シングルディスク: 単独の物理ディスクとして扱います。RAID構成のように冗長性はありませんが、1台だけの単純なストレージ構成です。

3. プールボリュームの設定と拡張

作成したパリティグループを統合してストレージプールを構成します。この段階で物理ディスクの境界を超えた抽象化が行われ、リソースを柔軟に管理可能な仮想化環境が完成します。

4. 仮想ボリュームの作成

ストレージプールから必要な容量(例:3TB)を切り出し、仮想的なボリュームを作成します。サーバーには、この仮想ボリュームが1つのディスクとして認識されます。

5. マッピング設定

仮想ボリュームをサーバーと接続し、サーバー側で使用可能にします。この作業によって、ユーザーやアプリケーションは物理的なディスク構成を意識せずにストレージを利用できます。

      図3-3 ストレージ容量の仮想化の概念図2)


出典:2) 日立製作所. “図3-3 ストレージ容量の仮想化の概念図.” 日立製作所公式マニュアル, https://itpfdoc.hitachi.co.jp/manuals/3020/30203W02C0/HCSU0082.HTM, (参照2025-01-19).

これらの手順を通じて、物理的なストレージを抽象化し、効率的かつ柔軟に管理できる「ストレージ仮想化」を実現します。
記載したストレージの仮想化について認識違い等ございましたら、ご指摘いただけると幸いです。

参考資料

今回のブログ記事作成にあたり、以下の資料を参考にしました:

次回の記事ではストレージの仮想化のメリットや注意点について書いていきたいと思いますのでお楽しみに!!

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