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ベアメタルサーバーとベアメタル型ハイパーバイザーの違いを整理してみた

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こんにちは、HESの川添です。
前回の記事では、IBM Cloudの特徴のひとつとして「ベアメタルサーバーの提供」が挙げられており、その中で「ベアメタルって仮想サーバーの一種じゃなかったっけ?」という自分の中での混乱を正直に書きました。

今回の記事では、以下の2つの違いについて自分なりに整理してみたいと思います。

  • ベアメタルサーバー
  • ベアメタル型ハイパーバイザー

なぜこの違いを理解したかったのか

まず最初に、自分がこのテーマにこだわった理由を書いておきます。
「ベアメタル」という言葉が前回の記事を執筆する際に複数の文脈で出てきて、意味が曖昧になっていました。
クラウドを扱う上で「仮想化技術」は避けて通れないし、今後お客様と話したり、トラブル対応したりする中、なんとなくの理解だと詰むなと思いました。
特に、前回記事で紹介した IBM Cloud の「ベアメタルサーバー」と、自分が前に勉強した 「ベアメタル型ハイパーバイザー」 の使われ方が違う気がして、「結局どっちが何なの?」とモヤモヤしていましたからです。

ベアメタルサーバーとは?

■ 定義
ベアメタルサーバー(Bare Metal Server)とは、
仮想化されていない、1台丸ごと専有の物理サーバー のことです。

特徴 内容
仮想化なし OSを直接ハードウェアにインストールして使う
リソースをフル活用できる 仮想化の仕組みを挟まないので、サーバーのリソースをそのまま利用できる
管理が柔軟 OS・ミドルウェア・セキュリティなど自由に構成できる

IBM-Bare Metal Serverとは(参照:2025-10-06)

ベアメタル型ハイパーバイザーとは?

■ 定義
ベアメタル型ハイパーバイザー(Type1 Hypervisor)とは、
OSを挟まず、ハードウェアの上に直接インストールされる仮想化ソフトウェアのことです。
有名なのは以下のような製品です。

VMware ESXi
Microsoft Hyper-V
KVM(Kernel-based Virtual Machine)
Citrix XenServer

前回私がサーバー構築をした時はHyper-Vを使いました。

IT用語辞典eWords-ハイパーバイザー 【hypervisor】(参照:2025-10-06)

特徴 内容
オーバーヘッドが少ない OSを介さずハードに直接インストールされるため、余計な処理が少なく効率的に動作する
安定して動作する 物理層に近くシンプルな構造のため、障害や不具合の影響が少ない傾向がある
専用の管理基盤がある CLIや専用の管理コンソールで制御されるケースが多く、大規模環境の運用に向いている

Sky株式会社-ハイパーバイザーとは? 仕組みやメリット・デメリットを紹介(参照:2025-10-06)
株式会社Jitera-仮想化の方式:ハイパーバイザーとは?種類ごとの特徴を解説!(参照:2025-10-06)

■ イメージ図
Aについて

つまり、「ベアメタル型」というのは ハイパーバイザー(仮想化ソフト)を直接インストールする方式を意味しており、ベアメタルサーバー = 仮想化していない物理サーバーとは意味が異なります。

名前が似ている理由と混乱の正体

ここで混乱する原因をまとめると以下の通りです。

用語 意味 イメージ
ベアメタルサーバー まだ何も入っていない、まっさらな物理サーバー。仮想化もされていない。 空っぽの新品パソコンをもらって、そこに自分でOSを入れる感じ
ベアメタル型ハイパーバイザー OSを通さずに、サーバーのハードに直接インストールされる仮想化ソフト。 パソコンに直接「VMを作れるソフト」を入れて、そこから複数のOSを動かす感じ

どちらも「ハードに近い」という共通点があるため、同じ「ベアメタル」という名前が使われています。
ただし、「物理そのもの」を指す場合と「仮想化の種類」を指す場合があるので、文脈を見ないと混乱しやすいのです。

IBM Cloudのベアメタルはどっち?

では、IBM Cloudが提供する「ベアメタルサーバー」とはどちらか?という話ですが、
これは前者の「仮想化されていない物理サーバー(=ベアメタルサーバー)」になります。
IBM Cloudでは、仮想マシンとは別に「物理サーバーを丸ごと貸し出す」サービスがある
顧客は好きなOSや仮想化ソフト(Type1/Type2)をインストール可能
このように、「仮想化されていない土台を貸してくれる」という意味でのベアメタルです

日経XTECH-ハイブリッド推しのIBM Cloud、3大クラウドとの違いはどこに(参照:2025-10-06)

まとめ

今回の記事のポイントをまとめると以下のようになります。

  • ベアメタルサーバーとは?
    仮想化されていない「物理サーバー」のこと
    リソースを専有でき、性能・柔軟性に優れる

  • ベアメタル型ハイパーバイザーとは?
    ハードに直接インストールされる仮想化ソフト
    仮想化によるオーバーヘッドが少なく、安定性に優れる

  • 似てるけど違う
    両者とも「ハードに近い」点は共通するが、目的と意味は違う
    文脈を見て使い分けることが大切

おわりに

今回、あらためて「ベアメタル」に関する用語を整理してみて、自分がいかに曖昧な理解で進めていたかを痛感しました。
まとめてみて違いを理解できたがそれでもとてもややこしいなと思いました。
自分の中で整理できていないことは一度立ち止まって整理することは大切だなと思いました。
次回は、IBM Cloudにおける仮想サーバー(Virtual Server)と、他クラウド(AWS・Azure)との比較などにも触れてみたいと思います。

今回も見ていただきありがとうございます。次回の記事もお楽しみに!!

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