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Firestoreが確定利用割引の対象になったので購入してみた

1. はじめに

Cloud Firestoreのコミットメント利用割引(CUD)は、Cloud Next’25で発表され、2025年4月22日に一般提供が開始されました。これにより、Firestoreの読み取り・書き込み・削除操作に対して、1年または3年間の利用コミットメントを行うことで最大40%の割引を受けられます。
https://cloud.google.com/firestore/docs/cuds

背景

弊社では「はたLuckアプリ」を6年前のサービス開始時からFirebaseを利用しており、Firestoreをデータストアとして活用しています。インフラ運用コスト削減のため、今回CUD導入を決断しました。

2. Google CloudのCUD(確定利用割引)とは?

CUDの概要

1年または3年の利用コミットメントで割引を受けられる仕組みで、コミットメント期間に応じて割引率が高くなります。
割引対象リソースは、 Compute Engine、Cloud SQL、 Cloud Runなどが挙げられます。
確定割引対象一覧

3. CUDを購入する際の注意点

  • 利用コミットメント期間中は解約や利用量の削減ができない。
  • 月中に購入しても日割り計算がない。
  • 日付変更の基準は太平洋標準時(PST/PDT)となるため、日本の月初は1日16時になる。

途中解約ができないため、購入する量、期間、タイミングはしっかり確認してから購入しましょう。
日付変更の基準について
https://cloud.google.com/compute/docs/instances/signing-up-committed-use-discounts?hl=ja#purchasecommitment

日付変更基準について

4. 実際にCUDを購入してみた

購入方法

購入方法に関しては、Google Cloudの公式ドキュメントを参考にしてください。
https://cloud.google.com/docs/cuds-spend-based?hl=ja#purchasing

算出方法の工夫

Firestoreの課金ベースで計算すると分かりづらかったため、実際の利用料金から算出しました。
CUDは1時間あたりの利用料金を米ドルで計算します。
SKU
Firestoreの読み込み・書き込み・削除のオペレーションで利用料が毎月10万円と想定した場合の算出方法は以下です。(為替レートは¥150/$)

¥100,000 ÷ 30日 ÷ 24時間 = ¥138.88 / 時間
¥138.88 ÷ ¥150/$ = $0.925 / 時間

しかし、Firestoreは時間あたりの固定の費用ではなく、利用料に応じた変動の費用のため、利用しているプロダクトによって、変動が幅が大きい場合は、3ヶ月〜6ヶ月のある期間での平均を取って月の利用料金を計算すると良いです。

また、実際に計算される為替レートは、CUD購入画面からも確認できますが、今後も為替レートが上がることを予測して見積もっておくと良いと感じます。

弊社の購入例

購入月の1ヶ月前の利用費用をピークと置きました。

1年間でFirestoreの利用を減らしていくことを検討します。計画通り利用率を減らした時に、現在より利用率が20%すると仮定して、1年契約のCUDを購入しました。

利用レポートのAppEngineサービスからSKU別で対象リソースを参照

購入したあとCUD分析画面で利用率が見れます。大体20%くらいで購入できました。

現在の費用の約6%削減することができました。
日毎のグラフ

購入した副産物

1時間ごとのFirestoreの利用料金が見れるようになり、利用ピーク時間帯を発見することができました。プログラムを修正することでさらなるコスト削減に繋げられそうです。

1時間ごとのグラフ

5. おすすめしたいポイント

他社クラウドのAWSでの割引 (Reserved Instance, Reserved Capacity)の購入と比較します。

AWSでは年間の算出したコストを契約期間の料金を一括で支払うのに対して、Google Cloudはコミットメント料金を毎月利用費と合わせて支払うことができます。

スタートアップや予算が限られるPJとしては、期の途中で予算計画を変更することなく購入がしやすくなると感じました。
一方で、実際の支払いは米ドルで計算されるため、昨今の為替レート変動の影響により、削減コストを正確に見積もることができません。

3年間で購入した割引率が圧倒的に高く、長期で選定したサービスを使い続けていく前提であれば、Google CloudのCUDは非常に購入しやすいと感じました。
私は、今回1年間の購入をしましたため、最大限に受けるためにも為替レートが高くならないことを祈るばかりです。

6. まとめ

  • FirestoreのCUDは20%〜最大40%の割引が得られる
  • 契約期間中に解約できないため、コミットメント量や期間、購入タイミングに気をつける
    • 購入タイミングは、日本時間の1日の17時以降だと満額使い切れる
  • コミットメント使用料は毎月の支払いになるため、スタートアップや予算管理が厳しいプロジェクトでも導入しやすい

Cloud Run, Cloud SQLの購入に関してはZennさんの公式Publicationを参考に試算して購入しました。
https://zenn.dev/team_zenn/articles/zenn-used-cud

HataLuck and Person, Inc. Engineering

Discussion

waddy_uwaddy_u

参考になります!ありがとうございます。こちらの記事を知人にオススメしたいのですが、タイトルだけ修正をご検討いただけないでしょうか?

  • Firestoreが確定利用割引の対象になったので購入してみた
  • Firestoreの利用料が確定利用割引の対象になったので購入してみた
    などがよかもしれない、と思いました!
ちば しげる / おはぎーくちば しげる / おはぎーく

ありがとうございます!
タイトルのご指摘ありがとうございます。
「Firestoreが確定利用割引の対象になったので購入してみた」に修正させて頂きました。

waddy_uwaddy_u

さっくありがとうございます!内容、確約利用割引をうまくつかうためのエッセンスが含まれており参考になりました!