Redmine Award受賞と振り返り
この記事は
先日(2025/7/25)に開催されたRedmine Japanのイベントで講演し、その際Redmine Award特別貢献賞をいただきました。
この記事では特別貢献賞をいただけた意味を考えるとともに、自分とRedmineの関わりについて振り返ってみます。
イベントそのものについては、別の記事で詳しく書いていますので、そちらもご覧ください。
Redmine Awardについて
以下, Redmine Japanのサイトから引用です。
Redmineコミュニティの多くの参加者は、特に報酬なく、技術的興味や好奇心をモチベーションにして、Redmineやそのコミュニティの発展に貢献していただいています。 Redmineが継続して発展していくためには、このようなコミュニティの参加者の存在が不可欠です。 The Redmine Awardは、このような参加者を称えるため、ここ数年で顕著な活動実績や功績を有する「個人」を表彰するものです。
とのことです。ありがたや。
そして以下のような立派な賞状とトロフィーをいただきました。賞状もらうのなんていつ以来だろうか。

過去を振り返る
Redmineとの出会い
私が初めてRedmneに触ったのは確かVersion 0.6だったと思います。0.6のリリース日は2007年11月4日なので、もう17年以上も前のことになります。
ちなみに最初のバージョンである0.1がリリースされたのは2006年6月25日だそうです。(Redmine Japanのイベントで、コミッターの前田さんが言ってました)
2007年当時、私は業務でtracというプロジェクト管理ツールを使っていました。issue trackingツールといえばtracはその時代のデファクトスタンダードだったと思います。
たまたま何かの記事で見かけたRedmineにtracにはない魅力があり、試してみたくなりました。
マルチプロジェクト対応
1つのRedmineインスタンスで複数のプロジェクトを管理できるというのがとても魅力でした。tracでは複数のプロジェクトを管理するには複数のインスタンスを立てる必要があリました。
日本語対応
tracは本体は英語のみの対応で、インタアクトさんという日本の企業が無償で日本語化してくれていました。
Redmineは最初から多言語対応していて、日本語も含まれていました。
ちなみに0.1.0のリリース時点では英語、フランス語、スペイン語の3か国語対応だったそうです。前田さん談。ファーストリリースから3ヶ国語に対応しているのはすごいと思います。
Ruby on Railsで書かれている
これが最大の理由です。当時、Ruby on Railsは新しいWebアプリケーションフレームワークとして注目されていました。Ruby on Railsで書かれたアプリケーションを触ってみたかったのです。
こういった理由から、私の職場内でRedmineを勝手に構築して使い始めたところ、すぐに周りの人たちも使い始めてくれました。
プラグイン開発の始まり
Ruby on Railsに興味を持っていたこともあり、Redmineのプラグイン開発を始めました。最初に作ったプラグインはニコニコカレンダープラグインです。ただ、会社で業務の合間に作っていたこともあり、社内では割と好評だったのですが、現在まで一般には公開されていません。
その後、一般の人にもっとRedmineを使ってもらいたいと思い、社外向けにRedmineのプラグインを個人開発し始めました。
最初に公開したのはCode Reviewプラグインです。2009年のゴールデンウィークに一気に作って出しました。
そして同年6月にWiki Extensionsプラグインを公開しました。
コミュニティ活動の始まり
プラグインを公開してブログに載せたりtwitterで呟いたりしているうちに、Redmineを使っているアーリーアダプターの人たちと繋がるようになりました。しかしRedmineの知名度はまだまだ低く、コミュニティと呼べる活動はありませんでした。
当時、tracにはShibuya.tracというコミュニティがあり、定期的に勉強会を開催してかなり盛り上がっていました。Redmineユーザーとしてはかなり羨ましい存在でした。
shinagawa.redmine発足
2025年現在、日本のRedmineユーザーコミュニティは大きく2つ存在します。東のredmine.tokyoと西のRedmine.Osakaです。
そのredmine.tokyoの前進としてshinagawa.redmineが発足しました。2011年8月のことです。
なぜ品川かというと、発足会議を行った場所が「喫茶室ルノアール 品川港南口店」だったからです(今もまだあるらしい)。そしてShibuya.tracに対抗してshinagawa.redmineと名付けました。
当時のことはここに書かれています。
なお、どうせならコミュニティの運用もRedmineでやろうということで私がshinagawa.redmineのRedmineを立て、redmine.tokyoとなった今でも私が運用を続けています。
活動期
2011年に第1回の勉強会を開催して以降、しばらく私自身も活発に活動していました。デブサミにコミュニティブースを出したり、Shibuya.tracの勉強会に乗り込んだりww、新しいプラグインを作って公開したりしていました。
同時に、当時コミュニティとは別に個人でRedmine.JPというサイトを立ち上げたり書籍執筆などRedmineの情報発信を行なっていた前田剛さんの活躍もあり、Redmineの知名度は飛躍的に上がっていきました。
なお、当時日経SYSTEMSという雑誌で以下のようなshinagawa.redmine vs Shibuya.tracの対談記事が掲載されました。若いw

停滞期
2015年にRedmine超入門改訂版という書籍を共同執筆したのを最後に、私自身はRedmineの活動から離れて行きました。

離れてしまった理由はあまりはっきりしませんが、OSS活動というものに疲れてしまったような気がします。
当時は静岡県に住んでおり、まだzoomなどもなかったので東京のイベントに参加するのも面倒になり、また、プラグインの開発にも徐々に飽きてきた頃だったような気がします。
ただ、完全に離れていたわけではなく、redmine.tokyoのRedmineサイトの管理と、自分が作ったプラグインをRedmineのバージョンアップに合わせてメンテナンスするという活動は続けていました。
活動再開
2023年から2024年にかけて、IT業界、いえ、それ以外の世界にとってもパラダイムシフトと言える技術的な変化が起きました。ChatGPTから始まったLLMの急速な進化です。
業務でもLLMに少し触っていた私は、その昔Ruby on Railsに触れたときのようなワクワク感を感じました。そして、これをRedmineに組み込んだら何か面白いことができるんじゃ無いかと思いました。
2024年12月30日に、Redmine AI Helperプラグインの最初のコミットをしました。活動再開です。途中2回ほどコードを1から作り直した後(OpenAI API直呼び出し→langchainrbに書き換えるので一度、マルチエージェントモデルにアーキテクチャを変更する際にもう一度作り直しています)、3月くらいに「ある程度形になってきたな」という状態になりました。
そこで、久々にredmine.tokyoの勉強会にエントリーし、5月の勉強会発表当日にプラグインのリリースを行いました。
久々の登壇で緊張しましたが、無事発表を終えて、さらにこれが縁でRedmine Japanにも呼んでもらえることになりました。
そして今日に至ります。
最後に
しばらく活動から離れていたにも関わらずコミュニティの皆さんには温かく迎えていただき、さらにはこんなに素敵な賞までいただき本当に感謝しています。OSSコミュニティはやっぱり素晴らしいです。
今後も活動していくので、どうぞよろしくお願いします。
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