RDPでRustDeskから純正のMicrosoft Remote Desktopに乗り換えた理由
はじめに:なぜRustDeskから乗り換えたのか
MacからWindowsにリモート接続して開発作業をする環境は、在宅勤務や副業の普及により多くのエンジニアが構築しています。私もその一人で、最初は RustDesk というオープンソースのリモートデスクトップツールを使っていました。RustDeskは導入も簡単で、自前サーバーでの構築も可能な点が魅力です。
しかし、ある一点がどうしてもネックになりました。それが 日本語入力の不便さ です。特に「英数キー」や「かなキー」によるIMEのオン・オフが意図通りに機能せず、ストレスが積もっていきました。
最終的には、Microsoft純正のRemote Desktop(以下RDP) に切り替えることで、この問題がすべて解決しました。本記事では、RustDeskで直面した具体的な課題から、RDPでの解決手順までを詳しく紹介します。
利用環境と前提条件
私の作業環境は以下の通りです:
項目 | 内容 |
---|---|
Mac側 | macOS Sonoma / Apple Silicon M1 Mac |
Windows側 | Windows 11 Pro / 日本語設定 |
キーボード | JIS(日本語)配列キーボード |
接続ツール① | RustDesk(Mac → Windows) |
接続ツール② | Microsoft Remote Desktop for Mac(純正) |
特に「英数」「かな」キーが存在するJISキーボードを使用しているMacユーザーにとって、Windows側でのIME切替は非常に重要な要素です。
RustDeskの限界:IME切替がうまくいかない
RustDeskはP2P通信や自前サーバー構築も可能な優れたツールですが、日本語入力に関する細かい動作制御 にはまだ課題があります。
私が直面したのは以下のような現象です:
- 「英数」キーが Windows側で半角/全角キーとして動作 してしまう
- 「かな」キーを押しても IMEがONにならない
- 入力フィールドによっては ローマ字→ひらがな変換すら怪しい
このように、物理キーと実際の挙動が一致せず、文章入力時にミスタイプや誤変換が頻発し、作業効率が著しく低下しました。
設定を変えても改善せず、他のユーザーの報告からも Mac × JIS配列でのIME制御は RustDeskでは未対応 と判断せざるを得ませんでした。
Microsoft Remote Desktopでの解決方法
そこで、Microsoft純正の Remote Desktopアプリ(Mac版) を試してみたところ、IME周りの問題が一気に解消されました。
特に効果的だったのが、以下の設定です:
この設定を行うことで:
- ✅ Macの「英数」キー → WindowsでIMEオフ
- ✅ Macの「かな」キー → WindowsでIMEオン
という 理想的な動作 を実現できました。
RustDeskでは対応が難しい「JIS配列の物理キーによるIME操作」が、この設定一つで解決したのです。
実際の設定手順(Unicodeモード)
Mac側のMicrosoft Remote Desktopで設定を行う手順は以下の通りです:
- Remote Desktopを起動し、接続先Windows PCの「Edit(編集)」をクリック
- サイドメニューから「Devices & Audio」を選択
- 「Keyboard Mode」を「Unicode」に変更
- 設定を保存し、Windowsへ再接続
これだけで、JISキーボードの「英数」キーと「かな」キーが、Windows上でIMEのオン・オフに連動するようになります。
Karabiner-Elementsなど追加ツールは一切不要 です。
移行して感じたメリット・デメリット
実際にRustDeskからRDPに乗り換えてみて感じたメリットとデメリットは以下の通りです。
✅ メリット
- 「英数/かな」キーでのIME操作が 直感的で確実に動作
- 純正アプリならではの安定した描画と互換性
- Macだけの設定で完結。追加ドライバ不要
❌ デメリット
- パフォーマンス面ではRustDeskの方が軽快な場面も
- 同一ネットワーク内でも接続までの手数は多め
- 自前サーバーなどの 自由度はRustDeskの方が高い
とはいえ、日本語入力を主軸に使うユーザー にとっては、現状RDPがベストな選択でした。
まとめ:今後リモート環境でMacユーザーが気をつけること
MacからWindowsへリモート接続する際、キーボード配列とIME動作 は想像以上に作業効率に影響します。
RustDeskのような軽量・高速なツールは魅力的ですが、日本語入力にこだわるなら、Microsoft Remote Desktopの「Unicode」設定が 個人的に感じた快適な選択肢 です。
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