チームの“迷い”は減らせる:VPoE室のワーキングアグリーメント更新プロセス
こんにちは!株式会社HacobuのVPoE室に所属しているスミです。
最近、VPoE室でワーキングアグリーメント(Working Agreement)を更新しました。
本記事の内容を3行でまとめるとこんな感じです。
- チームの“迷い”は、個人の頑張りではなく「合意」で減らせる
- 12月の増員をきっかけに、50分のワークショップでワーキングアグリーメントを更新した
- “前提合わせ”のコストを下げるために、カテゴリ整理+信号機投票でサクッと合意を作った
チームの“迷い”は合意がないと増える
チームで働いていると、こんな迷いがよく起きます。
- 相談ってチャット?それとも最初からミーティング?
- 「これでいいですか?」の確認、どう返すのが良い?
- Slack/Notion/チケット、どこに何を残す?
これ、誰かの能力や性格の問題ではなくて、合意がないことで起きる“自然発生の迷い”です。
そして、人が増えるほど・状況が変わるほど迷いは増えます。だからこそ、迷いは気合いではなく、仕組みで減らせると思っています。
ワーキングアグリーメントとは
ワーキングアグリーメントは一言でいうと、チームが一緒に働くために合意した「約束」です。
守るためのルール集というより、チームが気持ちよく働いて成果を出すための“助けになる約束”。
ワーキングアグリーメントがあると嬉しいことは3つです。
- 迷いが減る(毎回ゼロから考えなくていい)
- 期待値が揃う(指摘の温度感や会議の進め方など)
- “前提合わせ”のコストが下がる(同じ確認が減る)
なぜ更新したのか
更新した理由はシンプルで、12月から人が増えて環境が変わったからです。
こういう変化のタイミングでは、前提のズレが増えて「迷い」を個人が吸収しがちになります。
なので今回は、個人の頑張りで吸収するのではなく、チームの合意で整えることを狙って更新しました。
更新で大事にしたこと
大事にしたのは3つだけです。
- 守れることだけ書く(理想ではなく運用できるラインに落とす)
- 現実の困りごとから作る(抽象より具体の経験から)
- 責めない言葉にする(“違反警察”ではなく“助けになる約束”)
更新プロセス
今回の更新は、オンラインでMiroを使ってワークショップ形式で実施しました。
前提
- 実施形式:オンライン
- 使用ツール:Miro(付箋・投票)
- 所要時間:50分
- 運用:半期に1度レビューしてアップデートする前提
冒頭で共有したメッセージはこれです。
- 目的:チームとして「気持ちよく働き、成果を出すための約束」を更新・合意する
- 正解を決める場ではない
- 過去のチーム経験から学び、今のチームに合う形を作る
ここで空気が決まるので、目的共有はかなり大事でした。
進め方(全体の流れ)
- カテゴリーごとに、過去のチーム経験(良かった/悪かった)を書き出す
- 信号機投票(💚💛❤️)をする
- 💚・💛は採用、❤️は懸念が解消されるまで議論する
発散しすぎないように、カテゴリ(会議/コミュニケーション/タスク管理など)を用意しました。
また「半期に1回見直す」前提があったので、完璧を目指さずサクッと決められたのも良かった点です。
当日のアジェンダ(計50分)
- チェックイン(5分)
- 目的・進め方の共有(5分)
- 付箋に書き出し(個人ワーク)(10分)
- 軽い共有・整理(10分)
- 信号機投票(5分)
- 探求の時間(10分)
- クロージング(5分)
実際に出てきた“迷い”(一部)

- ミーティングを入れてほしくない時間を見える化したい
- 文字起こしは断りなくONでもいい?嫌なときはOFFにしたい
- 会議のMiro/資料URLはスケジュールに貼っておくと見返しやすい
- 「これでいいですか?」は人数が増えると声で返しづらいのでリアクションで返したい
- SlackとチケットとNotion、どこでやり取りして何を残す?
こういう“現場の迷い”が、そのまま合意の材料になりました。
ポイント(運用で迷いを減らす)
今回決まったワーキングアグリーメントは、Notionにまとめました。
ポイントは、「何を決めたか」だけでなく「なぜ採用したか(背景・議論の経緯)」も一緒に残したことです。
たとえば、
-
「会議には関連リンク(Miro/資料/チケット)を予定に貼る」
→ 探し物が多く、“前提合わせ”が伸びがちだったため
-
「メンションされたらリアクションで“見た”を返す」
→ 返事待ちで止まる時間を減らしたいため
みたいに、項目とセットで採用理由を1行書くだけでも、後からの納得感が全然違います。
新しく入ったメンバーに説明するときも、「なぜそうしてるか」から共有できるので楽になります。
更新したばかりなので効果はこれからですが、今後は次の3つを観察します。
- 意思決定の場面で「誰が決める」が迷わなくなっているか
- レビューや相談の期待値が揃っているか
- 迷ったときに合意に立ち返れているか(形骸化していないか)
ワーキングアグリーメントは“完成品”ではありません。状況が変われば変えてOK。
VPoE室では、半期に1度レビューしてアップデートする前提で育てていきます。

おわりに
チームの迷いって、放っておくと自然に増えていきます。
でも、合意を作ると、それも少しずつ減らしていけます。
ワーキングアグリーメントは、誰かを縛るためのものではなく、
チームが気持ちよく働いて成果を出すための、“前提合わせ”を楽にする仕組みです。
もしあなたのチームでも試すなら、まずは「最近チームで迷ったこと」を各自3つ書き出して、次の定例で10分だけ共有してみてください。
そこから“迷いが多いカテゴリ”を1つ選んで、まずは3つだけ合意する。そのくらいの温度感で始めるのがちょうど良いと思います。
迷いが減ると、チームはちょっと前に進みやすくなります。
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