スクラムマスター研修を受けて:価値を届けるチームづくりへの第一歩
こんにちは、Hacobuのエンジニア高橋一貴です。
先日、Scrum Inc. Japanの講師をお招きして、社内エンジニア12名(リーダー/メンバー混成)を対象に2日間のスクラムマスター研修を実施しました。
この記事では、その研修を通じて得た気づきや学び、そしてこれからのチームづくりにどう活かしていくかを紹介します。
スクラムに取り組んでいる方、またはチーム運営に悩んでいる方にとって、何かヒントになれば嬉しいです。
背景:なぜ今、スクラムマスター研修?
Hacobuでは、全社的にスクラム開発を導入しています。
すべての開発チームがスプリント体制で動いており、JIRA・Confluence・Slackなどのツールを活用しながら日々プロダクト開発に取り組んでいます。
とはいえ、運用を続ける中で、いくつか課題も見えてきました。
- チームごとにスクラム理解のばらつきがある
- 組織の成長とともに、形だけが先行してしまう場面が出てきた
- 新しいメンバーも増え、共通認識としての「スクラム」をあらためて学ぶ必要があった
そこで、スクラムの原則や価値をもう一度チームで体感し直す機会として、今回の研修を企画しました。
研修内容:スクラムを“理解する”から“感じる”へ
今回の研修は、座学とワークショップを行き来しながら、実際に体験しながら学べる構成でした。
いくつかのチームに分かれ、スクラムイベントを模擬的に実施。現場で感じていた「もやっと感」を、言語化して整理できるような時間でもありました。
例えば、こんなことに取り組みました:
- スクラムの価値観や原則を再確認する
- PO/SM/開発者の役割をチームでやってみる
- プロダクトゴールを立て、PBIを書いて、ふりかえる
- タイムボックスで進めることで起きるリアルな混乱を体験する
特に印象的だったのは、「頭で理解する」だけでなく、「身体でスクラムを感じる」設計だったこと。
研修自体がまるでスクラムのように進行していて、気づきの連続でした。
印象に残ったこと
スクラムは「型」じゃなくて「器」だった
形だけなぞっても、そこに信頼や対話がなければ機能しないし、逆に、良い関係性があれば型にとらわれすぎなくてもチームは強くなれる。
大事なのは、チームがその器の中でどう動き、学び、改善を繰り返していくか。
その「余白」こそがスクラムの魅力だと感じました。
型を持ちながらも、問い続けることが大事
スクラムは、タイムボックスやセレモニーといった「型」があります。
でも、その型を守ることが目的化してしまうと、本来の価値からズレてしまう。
研修中にも何度か、「これって何のためにやってるんだっけ?」と問い直す機会がありました。
この“問い続ける姿勢”こそ、スクラムを機能させ続けるためのキーポイントだと実感しました。
参加メンバーの声:それぞれの学び
今回の研修には、Hacobuの複数チームから12名が参加しました。
立場や経験に関係なく、それぞれが今の自分やチームを見つめ直す機会になったようです。
ファシリテーションの重要性をあらためて実感。
タイムボックスを意識するだけで、会議の密度が大きく変わることに驚きました。
スクラムの原則をそのまま当てはめるのではなく、文脈を見極めて判断する大切さを感じた。
生成AIなど新しい技術の登場で、スクラムそのもののあり方も変わっていくかもしれない。
“スクラムマスター研修”という名前だけど、スクラムマスターに限らず全メンバーにとって意味のある内容だった。
自分がどうチームに貢献できるか、自然と考えたくなる時間でした。
今後に向けて:学びを日常へつなげる
今回の研修は、ゴールではなくスタートです。
今後は、チーム内で学んだことを持ち寄り、実践しながらアップデートしていく予定です。
- 各チームでふりかえりの時間をつくり、研修内容をシェア
- スクラムマスター同士の交流を強化し、チーム運営の知恵を共有
- チームのフェーズに合わせて、スクラムの“型”と“意味”を柔軟に調整していく
おわりに
今回のスクラムマスター研修を通して、「スクラムは学び続けるチームのための土壌なんだな」とあらためて感じました。
Hacobuでは、これからも「価値を届ける」ことを大切にしながら、チームの力を高めていきたいと思っています。
そして、こうした取り組みを社外にも共有していくことで、少しでも誰かのヒントになれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
参考:今回受講した研修
- Registered Scrum Master® Training
- https://scruminc.jp/training/master/
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