「エンタメ×事業開発」の最前線──SonyMusic/博報堂を経て起業したの片山さんが語る“つくる人”のキャリアと市場の未来【イベントレポー
「エンタメ×事業開発」の最前線へ
― SonyMusic/博報堂を経て起業した片山 椋さんが語る、コンテンツ産業の可能性とキャリアのつくり方
2025年11月13日、Tokyo Innovation Baseで開催したイベント 「エンタメ・推し活で新規事業を創るには」。
今回のゲストは、Sony Music・博報堂・スタートアップを経て、現在はAndvoice株式会社代表として「いまフォト」やエンタメ事業開発支援を展開する片山 椋さん。
業界横断でキャリアを重ねてきた片山さんが、エンタメ産業の現在地と、これからの事業開発について語ってくださいました。
この記事では、その内容をレポートとしてお届けします。
■ 1. 「好き」の最前線でキャリアはつくれる
片山さんのキャリアの原点は、学生時代に手がけていたアイドル向けの楽曲制作でした。新卒でSony Musicへと進むことになります。

Sony Musicでは、アーティストのプロデュースからイベント運営、マーケティング、流通、アニメ関連の業務まで、エンタメの川上から川下までを一気通貫で経験。のちに博報堂に移り、企業×エンタメのコラボ企画や新規事業支援も経験し、さらにスタートアップでは事業立ち上げから会社売却まで、事業の成長プロセスにも深く関わりました。
「ギョーカイの文脈を理解しつつ、スタートアップとして事業を伸ばす感覚も持っていたこと。それが今の仕事につながっている」
と片山さん。
“好き”が起点でありながら、プロダクトとビジネス、そして現場を理解した稀有な人材へと成長してきた歩みが印象的でした。
■ 2. 自社事業「いまフォト」──推し活の“体験価値”を最大化するプロダクト
現在、片山さんが開発・運営しているのが、推し活の体験をアップデートする「いまフォト」です。これは“推しに会いに行く瞬間”という特別な体験を、デジタルの力で拡張するプロダクトです。
たとえば、サイン会と連動した「いまフォト」の事例では、撮影とデジタル加工を組み合わせることでファン体験が飛躍的に向上し、結果として購買増加にもつながりました。Xでも大きな話題となり、推し活における熱量がそのままユーザー価値となり得ることを示しています。
また、観光地との連携にも取り組んでおり、道の駅の案内所に「いまフォト」を導入することで、地域の魅力をコンテンツ化する新たな体験づくりにも挑戦しています。写真合成をはじめとした“自分ごと化”する体験は、地域活性の文脈でも強い可能性を持つといいます。
「エンタメの文脈は“特別な体験”が価値の中心。そこにテックが入ると、まだまだ広げられる余白がたくさんあると思います。」
と片山さん。
体験を設計するプロダクト思想が、生きた事例として提示されました。
■ 3. さまざまな業界での事業開発支援から見えた「エンタメ業界の今」
Andvoiceでは、自社事業の運営だけでなく、エンタメ領域の事業開発支援も行っています。その対象は非常に幅広く、上場企業からベンチャーまで、新規事業立ち上げから既存事業の拡張まで、エンタメ市場との相乗効果を生むアプローチは多岐にわたります。
現在も複数のプロジェクトを抱えており、片山さんは「業界の文脈」と「事業をつくる視点」を両軸で持つからこそ、多様な企業の価値創出に携われているといいます。
■ 4. エンタメ市場は日本の輸出産業を牽引している
日本のGDPは長らく停滞していると言われますが、コンテンツ産業はむしろ右肩上がりに成長を続けています。アニメやゲームをはじめ、推し活市場、ライブイベント、IPコラボ、VTuber、SNS発のクリエイター経済など、世界に向けて拡大し続ける領域が多く存在します。

特にZ世代の消費行動は、モノよりも体験を重視し、ストーリーへの共感や“推し”への投資が中心になっています。これは一過性の流行ではなく、長期的なトレンドとして根づきつつあります。
「“好き”を中心に経済が回る時代に、エンタメで事業をつくる価値はむしろ高まっています」
という片山さんの言葉に、多くの参加者が頷いていました。
市場が拡大するからこそ、そこに参入するクリエイターや起業家の存在がより重要になります。
■ 5. コンテンツ産業は、まだ“未開拓の宝の山”
講演の後半では、片山さんが考えるコンテンツ産業の本質的な可能性が語られました。
コンテンツには国境を越える力があります。そして、コミュニティを生み、長期的なファンベースを形成できるという特性を持っています。IPと商品・体験を掛け合わせることで価値が一気に跳ね上がることも特徴的です。
日本は世界的に見てもトップクラスのコンテンツ力を持つ国です。だからこそ、「日本は世界有数のコンテンツ大国。エンタメ×テックの事業はもっと増えていい」
という片山さんの言葉は、学生にも社会人にも強く刺さるものでした。
技術とクリエイティブが交差する場所には、まだ多くの可能性が眠っています。
■ 6. “エンタメで事業をつくる”時代に必要な思考
最後に片山さんは、これからエンタメ領域で事業をつくる人に向けて、三つの視点を共有してくれました。
① 推し活の“熱量”は測定可能な価値
一つ目は、推し活に見られる“熱量”を価値として捉えることです。熱量は経済活動そのものであり、データとして観測する視点が求められます。
② 体験価値を設計する
二つ目は、体験価値を丁寧に設計すること。写真や動画、サイン会、現地体験など、感情が動く瞬間をどのようにプロダクトへ落とし込むかが鍵となります。
③ 自分の「好き×スキル」から市場を捉える
三つ目は、自分の「好き」と「スキル」の掛け合わせで市場を捉える姿勢です。片山さん自身のキャリアが、その可能性をまさに体現しています。
「エンタメ産業は、まだまだ事業開発の余白が大きいです。クリエイターや起業家のみなさんと一緒に、新しい価値をつくっていけるとうれしいです」
■ 最後に:Epson Innovation Challenge 2026のご案内
今回のイベントでは、エンタメ・推し活・コンテンツ産業の“今”を学ぶだけでなく、「自分の手で事業をつくる」ことの可能性を強く感じられる時間になりました。
もしこの記事を読んで、
「自分も新しい価値をつくってみたい」
「事業づくりに挑戦できる環境を探している」
と感じた方へ。
現在、エプソン販売株式会社とジーズが共催する
『Epson Innovation Challenge 2026』 の参加者エントリーを受付中です。

本プログラムでは、
エプソンの技術・アセットを活用した新規事業共創コース
自社事業やサービスにエプソン技術を組み合わせる既存事業コラボコース
という 2 種のアプローチから、社会実装を目指した事業創出に挑戦できます。
エントリー締切:2025年12月4日(木)
詳細・エントリーはこちら
👉 https://esj-innovation.jp/
未来の社会を変える一歩を踏み出したい方の挑戦をお待ちしています。
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