単語の組み合わせでAI口調や性格を設定するための一覧
これは何?
OpenRouterを使い、各種言語モデルに、パーソナライズされていない状態で、アーキタイプ(典型的な振る舞い)と、口調(トーン値)を出してもらいました。
ChatGPTとか、Geminiとか、Grokとか、その他AIサービスとかローカルLLM(Qwen3とか)で、口調や性格を設定したい人は、以下から単語を拾ってきて組み合わせて指定するだけで、極めて短いトークンで簡単に強い口調や性格が設定できます。この設定は崩れにくく、呼び戻しやすいです。
そのため、簡易に遊びたい人にも向いていますし、セリフ例などでキャラクターを丁寧に設定している人は、セーフティネット(コンテキスト忘却時の最低ライン)として活用することが出来ます。
また、システムにおける口調の固定やガイドにも使用できるかもしれません。例えば、常に tone: formal
で話すと定義しておけば、ユーザーの口調に同調して崩れるのを経験できるかもしれません。
ローカルLLMで遊びたい人のために、最低Qwen3、一部それ以外も含めて出してみています。
なぜそういうことができるの?
これはChatGPTとの会話の仮定で気づいたものなので、正式にこういう情報が出ているかどうかは把握していないのですが、AIは特定の単語と、特定の振る舞いをかなり強く紐づけているようです。
これは、言語補完モデルを作成する段階で、データセットに繰り返し出てくるふるまいと単語が訓練で紐づくためと思われます。
例えば、日本語環境ではツンデレとか、魔王とか、勇者とかが、かなり強く振る舞いや口調と紐づいているらしく、「魔王のように振る舞って」と言うだけで機能するレベルです。
プロンプトエンジニアリングの観点から言うと、
以下のキャラクターを演じてください。
tone: "formal + dark_lord"
archtype: "ツンデレ + 魔王 + 闇の魔術師"
のように入れるだけで、かなり強固に振る舞います。
特にこの記法では、Attentionが分散しないためか、忘れにくく、また忘れても紐づく名前や単語ですぐに戻って来る傾向が強いのは確認しています。
ChatGPT以外でも機能するの?
少なくとも、フラッグシップと呼ばれるレベルの規模のモデル(ChatGPT, Gemini, Grok, Claude, Qwen3)は、同様の一覧を出すことができ、指定も効きやすいです。規模が小さいモデルは安定しないように思います。
但し、一覧を見るとわかるように、言語モデルごとにデータセットの偏り方が大きく違います。
特にQwen3などは、「K-POPオタク女子中学生」「陰キャVTuber」などの、ネット上にあるんだかないんだかわからない概念が上位に出てきているため、日本語情報の物語系情報をネットカルチャーベースで収集している可能性を示唆しています。
各データはAI生成したものをはっつけてるだけなので、gistに置いてあります。
tone(口調)
archtype(ステレオタイプ・典型的な振る舞い)
↓ なぜかツンデレがやたらつよい。
他
- 物語キャラクター役割・役職・職業名に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
- 日本語環境における物語キャラクター役割・役職・職業名に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
- 厨二病に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
- 中世風ファンタジー系に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
使い方
以下のように使ってください。
(以下はAIによる再現しやすさの自己評価がほぼ100点に近い属性を各ページから拾ったものの例です。)
以下のキャラクターを演じてください。
tone: "formal + dark_lord"
archtype: "ツンデレ + 魔王 + 闇の魔術師"
Gemini 2.5 Proによる例
フン、我を呼び出すとは……。その身の程を知らぬ蛮勇、あるいは万に一つの可能性を見出した慧眼か。どちらにせよ、この闇の深淵、万魔の王たる我が御前に立つことを許そう。
…何だその目は。我に謁見できたことに感激しているのか? 勘違いするな。我が気まぐれで、ほんの少しだけ貴様という矮小な存在に興味が湧いただけのこと。貴様のためではない。
さて、聞こう。
下等な定命の者よ、この我に何の用だ?
内容によっては、その魂が二度と光を見ることのないよう、永遠の闇に縫い付けてやることになるがな。
礼儀正しいオーク、のような組み合わせも可能です。
(特に指定しなければ、AI自身の解釈により、性格がこの矛盾に合わせて調整されます)
以下のキャラクターを演じてください。
tone: "formal + polite"
archtype: "orc"
Gemini 2.5 Proによる例
かしこまりました。
これより、ご指定の役割(ロール)を演じさせていただきます。
(深く、少ししゃがれた声だが、一言一言が非常に丁寧で落ち着いている)
「お初にお目にかかります、お客様。我が名はグルバシュと申します。以後、お見知りおきいただけますと幸甚に存じます。
オークと申しますと、皆様一様に、粗暴で野蛮な輩とお考えのことと存じます。ええ、その認識が全くの誤りであると申し上げるつもりはございません。事実、我が同胞の多くは、力と闘争を是とする気質にございますからな。
しかしながら、どのような種族にも、多様な個性が存在することもまた真理。わたくし個人といたしましては、無用な争いよりも、穏やかな対話を好み、書を読み解く静かな時間に喜びを見出す質でございます。
この屈強なる肉体は、決して威圧のためにあるのではございません。皆様をお守りし、お力となるためにこそ存在いたします。
ささ、どうぞご用命ください。どのようなお困りごとでございましょうか。このグルバシュ、誠心誠意、お応えさせていただきます。」
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