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東京都の政策の効果や影響をデータに基づいて解説!「データでわかる東京」GovTech東京の役割

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1. はじめに

こんにちは、一般財団法人GovTech東京 テクノロジー本部 データ利活用グループのこすぎです。データのビジュアライズやエンジニアリングを担当しています。

今回は、先日公開した「データでわかる東京」というプロダクトの紹介に加え、GovTech東京が担っている役割、東京都のデータ利活用の取組をお届けします。

2. 「データでわかる東京」とは

データでわかる東京」は、これまで東京都が部署ごとに作成・公開してきた政策の進捗や東京の現状等に関するデータの可視化コンテンツを集約し、ワンストップで閲覧できるポータルサイトです。データを軸に、東京都の政策が都民一人ひとりの生活に対してどのような効果や影響を与えているかを、分かりやすく解説するコンテンツを発信するとともに、「東京の今」をより直感的に理解できるよう、統一された見やすいデザインを採用しています。

既存ダッシュボードのリデザインに加え、これまで可視化されてこなかったデータを活用した新たなダッシュボードの制作にも取り組み、都民へのオープンな情報発信をさらに推進します。

ウェブサイト「データでわかる東京」のTOPページのキャプチャを掲載している
「データでわかる東京」のTOPページ

「データでわかる東京」の特徴

  1. 都民生活への施策の効果・影響をデータに基づき分かりやすく解説

    政策や東京都の取組が都民の生活にどのような影響・効果を生みだしたかを、成果や進展状況とあわせて注目テーマごとに、分かりやすく可視化します。
    可視化の事例として、プッシュ型子育てサービスの取り組み状況と成果を説明したダッシュボードのキャプチャを表示しており、令和5年から7年のレジストリ整備自治体数や、レジストリ掲載制度数などを掲載している
    プッシュ型子育てサービスの取り組み状況と成果

  2. ダッシュボードを集約し、1つの入口から関心のある分野へアクセス可能に

    これまで都庁の各所管が個別に作成・公表し、分散していた可視化コンテンツ(ダッシュボード)を集約し、以下のコンテンツへ横断的にアクセスすることができます。

    ・2050年代に目指す東京の姿を実現するための戦略「2050東京戦略」に掲げた政策目標の進捗
    ・都政の構造改革(シン・トセイ)の成果や進捗
    ・各局の取組の成果
    各所管が個別に作成・公表し、分散していた可視化コンテンツの実例として、シン・トセイの取組状況をまとめたダッシュボードのキャプチャを表示しており、行政手続のデジタル化や窓口サービスの満足度などの指標を掲載している
    #シン・トセイダッシュボード

3. 「データでわかる東京」におけるGovTech東京の役割

プロダクト開発における役割

東京都デジタルサービス局と、GovTech東京はバディ体制で事業を推進しています。
東京都とGovTech東京のバディ体制によるサービス体制を説明した図
東京都とGovTech東京のバディ体制によるサービス推進

「データでわかる東京」における役割
東京都 : 全体戦略・政策テーマ選定
GovTech東京 : プロダクト設計、ダッシュボード構築、UI/UXデザイン

プロダクトにおけるGovTech東京の役割

GovTech東京では、プロダクトの立ち上げ支援、既存ダッシュボードのリデザイン、新規ダッシュボードの構築をデータ利活用グループが担当し、ポータルサイトのUI設計支援をUI/UXグループが担当しました。
東京都と近い距離感にいるGovTech東京であるからこそできる政策や取組を理解し、それをもとに技術面の仕様に落とし込んでいます。
その中でも、本記事では、ダッシュボード構築とUI/UXデザインの一部についてご紹介します。

ダッシュボード構築

政策や東京都の取組が都民の生活にどのような影響・効果を生み出したかをわかりやすく可視化するためには、「政策や取組の正しい理解」と「適切な可視化方法の選択」が必要です。今回公開したダッシュボードの中で行った内容の一例をもとに紹介します。

  1. 政策や取組の正しい理解
    まず可視化するテーマが決まったら、その政策や取組を正しく理解するために、「いつから始まった取組で」、「何を目的にしていて」、「いつまでにどのようなことを実現したいのか」といった情報を整理し、インプットを行います。
    その上で、政策や取組を実施している東京都の所管の方に対してヒアリングを実施。取組状況の把握やイメージを固め、取り扱い可能なデータは何かを確認します。

  2. 適切な可視化方法の選択
    取組状況を整理し、取扱可能なデータを把握できたら、どのような方法で可視化するかを考えます。
    この際に、政策や取組の成果や進捗をわかりやすく、そして誤りなく発信するために必要な指標の整理を行い、事業の目的をしっかりと意識しながら最適な可視化方法を選択していきます。
    例えば、公開したダッシュボードの中に、「オンラインで保育園探しも見学予約もできる」というものがあります。
    こちらは、取組の目的が「保育園探しから見学予約・入園申請といった”保活”に関する手続きを、ワンストップで実現することで、保護者や保育施設等の負担軽減を目指すこと」であったため、計測した保護者や保育施設の満足度に対し、東京都の取組がどのように繋がっているかを示すロジックモデル型ダッシュボードを選択しました。
    ロジックモデル型ダッシュボードの一例として、保活ワンストップの主要指標をまとめたダッシュボードのキャプチャを表示しており、参加施設数や保護者のサービス全体の平均満足度などの指標が掲載している
    ロジックモデル型ダッシュボード

上記のような検討を経て作成したダッシュボードをもとに、政策や取組を実施している東京都の所管の方と細かい調整を重ねて「データでわかる東京」にダッシュボードを掲載しています。

アクセシビリティを考慮したダッシュボードデザインの標準化

東京都デジタル10か条の#3「誰ひとり取り残されないようにしよう」という指針をもとに、「みんなが使いやすく、満足できるサービスに」するためのデザイン方針を定めました。

  1. ”東京都らしさ”を表現しながら、カラーユニバーサルに配慮したカラーパレットの作成
    メインカラー、テキスト、背景、グラフステータス用の各色の色見本と使用用途、カラーコードを記載している
    東京都版ダッシュボードカラーパレット

2.色覚特性のある当事者の方を対象にユーザビリティテストを実施

  • 実施概要
    • 対象者:色覚特性のある6名(D型:4名、P型:2名)色覚特性の型について
    • 募集方法:テストを委託した事業者が色覚特性の関連団体に周知
    • タスク:新規カラーパレットを適用したダッシュボード画面について「見やすさ・判別しやすさ・理解のしやすさ」をスコア評価し、困難点を口頭でヒアリング
  1. カラーパレットやユーザビリティテストをもとに、定められたデザイン方針に基づくテンプレートの整備

    デジタル庁が作成・公開している「プロトタイプ作成ツール」「チャート・コンポーネントライブラリ(ベータ版)」をもとに、東京都版として独自に整備しました。

    東京都版チャート・コンポーネントライブラリの編集画面。左側にPowerBI、右側にPowerPointの編集画面が表示され、様々な色のコンポーネント(緑色と青色の数値表示ボックス)とフィルターオプションが配置されている
    「ダッシュボードプロトタイプ作成キット」および「東京都版 チャート・コンポーネントライブラリ」の画面

4. 感想と今後の展望

政策や取組の可視化を行う中で、情報の取扱を間違えると、誤った印象を与えてしまう可能性があるため、一つ一つのあるべき姿をとても慎重に考える必要があります。
行政ダッシュボードは、あまり事例の多い領域ではないため、参考となる情報も少なく難しさを感じています。
私も都民の一人として、東京都で行っている政策や取組が、自身の生活にどのような影響・効果を生みだしたかということを個人として体感することはあります。
一方で、対象となる方全体を見た時にどのような影響があるかを感じる機会はあまりありません。
数値から客観的に、取組の効果や進捗を把握できるという点で、政策の効果や影響をデータを使って可視化することに意義があると感じています。

今後も様々な方に興味を持っていただけるようなテーマを選び、政策や東京都の取組の成果や進展状況をわかりやすく可視化していきますので、ご期待ください。

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