Google UX Design プロフェッショナル認定受講記
はじめまして!東京都のICT職として、GovTech東京にジョインしているKoheiといいます。
この記事では、デザイン未経験の私が、Google UX Design プロフェッショナル認定 を受講した経験から、講座の中身、進め方、かかった時間、よかった点や注意点をまとめます。受講を検討している方や、これからUXデザインについて学びたい方の参考になればうれしいです。

私が取得した認定バッジ。
Google UX Design プロフェッショナル認定とは何か?
Googleが提供するUXデザインに関するオンライン講座です。学習プラットフォームのCoursera上で受講することができます。UXデザイナーとしてのキャリアを始めたい人に向けた講座となっていて、UXデザインとは何か、といった基礎概念から、リサーチ・設計・検証までの一連の流れを段階的に学べる構成になっています。
受講料
講座はCourseraのサブスクリプション形式で提供されており、月額49ドルで受講します。
一般的な資格試験だと、教材とか受験料とかで結局数万円かかるので、早めに終わらせられれば一般的な資格試験よりも安上がりかな?と思って受講したのですが、思ったより長期になってしまい、結果的に高くつきました…笑
試験の有無・形式
いわゆる「一発勝負の資格試験」はありません。各コース内の動画・テキスト学習 → 小テスト → 課題提出を積み重ね、すべて修了すると認定される形式です。知識を暗記して答えるというより、「考えて手を動かす」比重が高い講座でした。
更新の有無
修了証自体に有効期限はなく、一度取得すれば失効するものではありません。内容が将来的にアップデートされる可能性はありますが、一般的な民間資格のような「更新試験」も現時点ではありません。
なぜ受けたのか
昨年度、外部団体への派遣を通じてUI/UXに携わることとなり、その派遣で得た経験の一つの成果として何か知識の証明になる資格や認定を取得したい、と思い、資格や認定を探していたところ、この講座にたどり着きました。
本講座は、
- Googleが提供していて信頼感がある
- ペーパー試験だけではなく、ハンズオン中心で学べる
- UXのプロセス全体を一通りなぞる構成になっている
といった特徴がありそうだったので、UIやUX分野の業務経験はほぼゼロで、まったくの素人状態からのスタートの私でも、実務に役立つ知識が得られるかも!と思い、受講してみることにしました。
実際の進め方
講座の構成
講座は、動画やテキスト形式のレッスンと随所で行われる確認テストを進めながら、自分で決めたテーマに沿ってアプリの画面作成に取り組む、個人学習型の講座です。誰かに進捗を管理されることはないので、良くも悪くも自分次第です。
コース>モジュール>レッスン/テストという構造になっていて、各レッスンやテストをクリアし、すべてのコースを完了させると認定バッジがもらえます。
内容はUXプロセスに沿って、
- UXデザインの基礎
- ユーザー理解・課題設定、アイデア出し
- ワイヤーフレーム作成、テスト
- Figmaを使ったプロトタイプの作成、テスト
といった流れになっていました。

講座で用意されているコースの一覧。各コースに1つ5分程度のレッスンやテストが複数含まれており、クリアしていくと認定がもらえる(出典:Google UX Design プロフェッショナル認定証 | Coursera)
課題作成
受講生はコースの序盤で「〇〇な機能を持つスマホアプリとレスポンシブWebサイト」のような形で、作りたいテーマを決め、コースを受けながら、そのテーマにのっとって課題の作成を進めていくような形式になっています。
私が取り組んだのは、
- 展覧会の情報を収集し、Webチケット予約ができるスマホアプリ/レスポンシブWebサイト
- 勉強時間の管理ができるスマホアプリ
といったものでした。
テーマはコースから案を提示してくれるので、その中から選ぶことができます。自分で作りたいものがあれば、テーマ案から選ばなくても構いません。どのテーマを選んでも、ユーザーの分析、プロトタイプの作成、ユーザーテストの実施といったデザインプロセスを一通り回す必要があります。
これらのプロセスは一人で黙々とやれば完了するものではなく、ユーザーテストでプロトタイプを身の回りの人に触ってもらったりする必要があったり、ユーザーインタビューやアンケートを実際にやってみるように指示されたりするので、そのあたりも結構大変です。
結構なボリュームがあるので、「サービスを想定し、UXプロセスに沿って形にする」経験はしっかり積めると思います。
ちなみに、本講座は、選んだテーマに沿ってコースを進めていき、それぞれのコースの中で、ユーザーリサーチ→ペーパープロトタイプ作成→ローファイモックアップ→ユーザーテスト→ハイファイプロトタイプ、といったかたちでレッスンを進めながらアプリづくりも進んでいく、みたいな構成になっているのですが、コースの最後あたりの章で、「では、これまでやってきたことを、別のテーマでもう一度すべてやってみましょう」みたいな課題が出てきます。あとちょっとで終わると思ったら延々終わらないので、要注意です……

展覧会情報収集・チケット予約サイトの作成にあたって検討を行ったFigjamボード(一部抜粋)。インタビューをもとに共感マップを作成したり、競合のアプリがどういった構造になっているか調べたり、このアプリで提供できる価値はどんなものか考えたりした。※画像中の氏名は仮名

勉強時間管理アプリの画面の一部
どれくらい時間がかかったか
私の場合、受講期間は約6か月でした。
週に平均7~8時間くらい、計180時間くらい勉強したと思いますが、公式で目安とされている受講時間をトータルするとだいたい112時間なので、私はそれよりはるかにかかってしまってますね…笑
受講してよかった点
Figma・FigJamの操作に慣れた
FigmaやFigJamを使った課題が継続的に出てくるため、自然と操作に慣れます。「聞いたことがあるツール」から、「最低限触って設計できるツール」にすることができました。完成度はさておき、自分でデザインをしたことがあるというのは財産になったと思います。
ゼロから形にする経験ができた
これまでの実務で、テーマ設定から設計、テストまでを一通り自分で回す経験はありませんでした。そのため、「自分で考えて形にした」という経験を得ることができたこと自体に価値があったと感じています。
また、1か所直すために全体の再調整が必要になったりして、かなりイヤになるときもありましたが、一度作ったデザインを何度もやり直すことの大変さを体験を通じて理解することが出来たことは今後の財産になりそうだと思いました。
UXの用語や考え方を、実感を伴った「共通言語」として整理できた
本講座では、ペルソナやユーザージャーニー、ユーザビリティテストなど、UX分野でよく使われる考え方や用語が繰り返し登場します。単に定義を覚えるのではなく、
- 既存のプロダクトやサービスを調べる
- なぜその設計になっているのかを考える
- 自分なりに作ってみて、また見直す
というUXデザインのプロセスの中で理解が進むので、「なんとなく聞いたことがある用語」ではなく、意図や使われどころを説明できる共通言語として整理できたのは、大きな収穫でした。
ユーザーに共感することの難しさと、「人の目を通す」重要性を体験できた
講座を通じて特に印象に残ったのは、ユーザーに共感することの難しさです。自分では分かりやすいと思って作ったものでも、
- 他人には意図が伝わらない
- 想定とは違う使われ方をする
といったズレが簡単に起こります。実際に、自分で作った成果物を人にテストしてもらう体験を経て、「ユーザー目線で考える」という言葉の重みを実感しました。
同時に、自分一人の視点で完結させず、必ず人の目を通すことが、UXにおいていかに重要かを学べた点は、この講座ならではの学びだったと思います。
受講にあたっての注意点
レビューは基本的に自走型
講師や他の受講生からの丁寧なレビューが常に得られる、という形式ではありません。作ったものの提出も求められないので、「自分で考えて進める」ことが前提です。メンタリングや濃いレビューを期待すると、ギャップを感じるかもしれません。
全編英語
講座は全て英語です。せっかくなので英語の勉強も兼ねるつもりで、可能な範囲では英語のまま理解するよう努めましたが、英語慣れしていないと理解にはそれなりに時間がかかります。私は英語慣れしていなかったのでめちゃくちゃ時間がかかりました。
テスターやインタビュイーを用意する必要がある
ユーザーリサーチやユーザーテストでは、実際にユーザーにインタビューしたり、プロトタイプを触ってもらったりする課題が出てきます。知り合いや同僚など、協力してくれる人を確保する必要があるので要注意です(テスターの集め方は講座内でも一応レクチャーがあります)。
就活寄りのコンテンツ構成
講座全体は「UXデザイナーとしての就職」を意識した設計になっています。コースの終わりのほうでは、面接対策やプレゼンの心構えといった内容も出てきます。ポートフォリオ作成のような勉強になる箇所もありますが、私のように既存業務の知識向上のために受けている人には不要な部分もあると感じました。
受講に向いている人
- UXを体系的に学びたい初心者
- 英語での学習にある程度抵抗がない人
- FigmaやFigJamなどのツール操作を一度きちんと触ってみたい人
は向いていると感じました。逆に、密なレビューや指導を求める人や、短期間で即戦力レベルのスキルを期待する人には向かないかもしれません。
まとめ
Google UX Design プロフェッショナル認定は、知識重視の資格試験ではなく、UXのプロセス全体を自分で一度回してみることができる講座です。英語・自走型というハードルはありますが、柔軟に学習でき、実践的な経験を得ることができます。UXデザインについて学び始めたい人にはよいと思いました。
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